筑後川と菜の花(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
記事の全文を見た上で具体的に指摘したい。
【日経の記事】
リサイクル大手のJFEエンジニアリングは、ペットボトルのリサイクル事業に本格参入する。子会社などが約100億円を投じ、津市にリサイクル工場を新設する。使用済みペットボトルなどの廃プラスチック(廃プラ)は中国が輸入規制し、日本国内で未利用の廃プラが増える懸念が強まっている。新工場が本格稼働すれば、国内の未利用の廃プラの4%程度を再利用できる計算だ。
プラスチック循環利用協会(東京・中央)によると、2018年に国内で発生した廃プラは891万トン。うちリサイクルされなかった廃プラは142万トンにのぼる。計算方法の変更で前年と単純比較できないが中国の輸入規制の影響が出ているようだ。有害廃棄物の移動を制限するバーゼル条約では21年から廃プラも国際的な移動が制限される。日本では未利用の廃プラの処理が課題だ。
JFEエンジ子会社のJ&T環境と、リサイクル専業の協栄産業(栃木県小山市)が共同出資会社を設立した。JFEエンジの津製作所(津市)に工場を造り、21年9月に稼働させる。稼働から2年以内に年6万トンの使用済みペットボトルを受け入れる計画だ。
◎多少は「参入」しているはずだが…
「リサイクル大手のJFEエンジニアリングは、ペットボトルのリサイクル事業に本格参入する」と書いているのだから実験的な形では既に「リサイクル事業」へ「参入」しているはずだ。しかし記事中には、その説明が見当たらない。
「JFEエンジ子会社のJ&T環境」のホームページで川崎ペットボトルリサイクル工場の概要を見ると、稼働日は2002年4月1日で、処理能力は年間1万5000トンとなっている。今回の「本格参入」は「年6万トン」。現状の年1万5000トンを「本格参入」に至っていないと見るのはかなり苦しい。
そこは記者も分かっているのだろう。だからこそ現状を説明しなかったのではないか。だとしたら、やはり騙しだ。
さらに言えば「2年以内に年6万トンの使用済みペットボトルを受け入れる」のが「JFEエンジ子会社のJ&T環境と、リサイクル専業の協栄産業(栃木県小山市)」によって設立された「共同出資会社」だというのも気になる。
「共同出資会社」の出資比率に記事では触れていない。「協栄産業」が過半を出資している場合「JFE系、ペットボトル再生に本格参入」という話がさらに成立しなくなってくる。
※今回取り上げた記事「JFE系、ペットボトル再生に本格参入~国内の廃プラ増へ対策」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200420&ng=DGKKZO58243060Z10C20A4MM8000
※記事の評価はD(問題あり)
0 件のコメント:
コメントを投稿