日蓮聖人銅像護持教会(福岡市)※写真と本文は無関係 |
【日経への問い合わせ】
23日の朝刊総合1面に載った「問題多い年金法案の拙速審議は許されぬ」という社説についてお尋ねします。社説では「制度の持続性を高めるカギは、経済がデフレ基調のときに年金のマイナス改定を可能にしたり、基礎年金の最低保障機能を充実させたりする改革にある」「(法案の)問題は、現役世代の賃金や消費者物価が下がったときなどに、年金のマイナス改定を可能にするルールを見送った点だ」と解説しています。
これを信じれば、現行制度では「経済がデフレ基調のとき」でも「年金のマイナス改定」ができないはずです。しかし2017年1月27日付の「17年度の年金受取額0.1%下げ~3年ぶり減額」という御紙の記事では以下のように説明しています。
「年金額は賃金や物価の変動に合わせて増やしたり減らしたりしている。改定の基準になるのは物価上昇率と賃金変動率の2つ。総務省が同日発表した16年平均のCPI(生鮮食品含む総合)は前年と比べて0.1%の下落だった。賃金変動率は1.1%のマイナス。現在の仕組みでは、賃金変動率と物価変動率がともにマイナスで、賃金の下げ幅の方が物価よりも大きいときは、物価の減少幅に合わせて年金額を変えることになっている」
こちらの記事からは「現役世代の賃金や消費者物価が下がったときなどに、年金のマイナス改定」が実際に実行されていると取れます。現行制度下では「経済がデフレ基調のとき」も「年金のマイナス改定」ができないと取れる社説の説明は誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
社説には「デフレ基調が続けば、そのツケは将来世代に及ぶ。経済の動向にかかわらず、年金の実質価値を切り下げるルールを法制化すべきである」との記述もあります。「デフレ」の時もマクロ経済スライドを発動できる仕組みに変えるべきとの趣旨で「問題は、現役世代の賃金や消費者物価が下がったときなどに、年金のマイナス改定を可能にするルールを見送った点だ」と書いたのかもしれません。しかし社説の説明では「経済がデフレ基調のとき」の「年金のマイナス改定」が現行制度ではできないと理解するしかありません。
問い合わせは以上です。回答をお願いします。御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして恥ずかしくない行動を心がめてください。
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追記)結局、回答はなかった。
※今回取り上げた社説「問題多い年金法案の拙速審議は許されぬ」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200423&ng=DGKKZO58361410S0A420C2EA1000
※社説の評価はD(問題あり)
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