豪雨被害を受けた福岡県朝倉市 ※写真と本文は無関係です |
【ダイヤモンドへの問い合わせ】
井手ゆきえ様 週刊ダイヤモンド編集部 担当者様
9月30日号「カラダご医見番 ライフスタイル編 Number 367~ 最大18時間は(!)絶食のこと 朝・昼2食でBMI低下」という記事についてお尋ねします。記事には以下の記述があります。
「7年間にわたる追跡調査の結果、研究チームはBMIの低下と関連する要因を見つけ出した。すなわち、(1)1日に1食または2食しか食べない、(2)夜間~次の日の朝まで最大18時間は絶食する、(3)朝食を抜かない、(4)夕食ではなく、朝食または昼食が1日のうちで最もたくさん食べる食事である、の四つだ」
気になったのは「最大18時間は絶食する」という部分です。時間は「最大」でなく「最長」とした方が適切だとは思いますが、ここでは問題にしません。「最大18時間は絶食」と言う場合、「絶食は長くても18時間」と解釈できます。しかし、これだと最小(最短)でどの程度の絶食をすればよいのか不明です。
記事には「この研究から導き出される肥満を避けるための『健康的な食習慣』は、朝食後5~6時間空けて昼食を食べ、その後の18~19時間は絶食する、というもの」との解説もあります。絶食時間は「最大18時間」だったはずなのに、最大値を超えた「19時間」という絶食が「健康的な食習慣」に含まれており、「最大18時間は絶食する」と矛盾します。
「最大18時間は絶食する」という部分は「18時間以上は絶食する」などとすべきではありませんか。記事中の「最大」の使い方は誤りだと考えてよいのでしょうか。問題ないとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。
◇ ◇ ◇
ついでに他にもいくつか指摘しておこう。
【ダイヤモンドの記事】
現代人の「趣味」になった感があるダイエット。ダイエット法の新説、奇説が毎日生まれては消えている。先日、新しい方法がもう一つ加わった。
米ロマ・リンダ医科大学のチームによる食習慣と体格指数(BMI)に関する大規模・長期調査によると、キーは食事の回数と食べる時間帯らしい。
◎「奇説」の1つに見えるような…
「ダイエット法の新説、奇説が毎日生まれては消えている」の「毎日生まれては消えている」は大げさかなと思うが、取りあえずそうだとしよう。ただ、記事の書き方だと「米ロマ・リンダ医科大学のチーム」の話も「奇説」の1つに見えてしまう。筆者は「奇説」とは判断していないはずだ。
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以下の説明も引っかかった。
【ダイヤモンドの記事】
研究者によると、食事パターンに限らず中高年期の体重増加は免れないが「1日の早い時間にカロリーを摂取する人は、60歳以前の体重増がより少ない範囲にとどまり、60歳以降も順調に体重が減った」そうだ。
◎矛盾してない?
「食事パターンに限らず中高年期の体重増加は免れない」はずなのに、「1日の早い時間にカロリーを摂取する人」は「60歳以降も順調に体重が減った」という。矛盾していないか。
例えば「食事パターンに限らず中高年期の体重増加は免れないと思われてきたが~」となっていれば矛盾はない。そう言いたかったのかどうかは分からないが…。
最後にもう1つ。
【ダイヤモンドの記事】
この研究から導き出される肥満を避けるための「健康的な食習慣」は、朝食後5~6時間空けて昼食を食べ、その後の18~19時間は絶食する、というもの。もちろん間食はご法度だ。
◎「朝食のみ」はなぜ除外?
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なのに、なぜか筆者は「この研究から導き出される肥満を避けるための『健康的な食習慣』は、朝食後5~6時間空けて昼食を食べ、その後の18~19時間は絶食する、というもの」と2食に限定してしまう。「朝食のみ」でも4つの条件を全て満たすはずだ。
※今回取り上げた記事「カラダご医見番 ライフスタイル編 Number 367~ 最大18時間は(!)絶食のこと 朝・昼2食でBMI低下」
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/21355
※記事の評価はD(問題あり)。医学ライターである井手ゆきえ氏への評価も暫定でDとする。
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