2016年8月10日水曜日

7世紀に「政党争い」? 東洋経済は記事の誤りを正せるか

記事中のミスを責めるのは好きではない。自分自身も失敗の多い人間だからだ。特に単純ミスに関しては「あまり気にせず切り替えていこう」ぐらいの認識でいいと思っている。だが、それはミスを認めていればの話だ。週刊東洋経済8月13-20日号に変換ミスと思われる記述を見つけた。記事中の誤りをなかったことにする傾向が顕著な東洋経済は今回、間違いを認められるだろうか(もちろん「記事に問題なし」と反論してもいい)。
黒川温泉(熊本県南小国町)※写真と本文は無関係です

東洋経済に送った問い合わせの内容は以下の通り。丸1日経ったが、回答はない。

【東洋経済への問い合わせ】

週刊東洋経済8月13-20日号の特集「ビジネスマンのための世界史」についてお尋ねします。86ページの「イスラム教入門」という記事の中に以下の記述があります。

「ムハンマドの死後、彼の後継者として4人の『正統カリフ』がいた。4代目のアリーの時代に、ウマイヤ家のムアーウィアが彼を後継者として認めないと反発。アリーの姿勢が消極的だとする別の一派に暗殺された。これをウマイヤ家が継ぎ、カリフは同家の世襲となった。このときの政党争いから生まれたのがシーア派で、ウマイヤ家を支持した多数派がスンニ派となる」

文脈から判断して、上記の「政党争い」は「正統争い」の誤りではありませんか。誤りであれば、訂正記事の掲載もお願いします。正しい場合、その根拠も併せて教えてください。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。

御誌では最近、読者からの間違い指摘を握りつぶす対応が常態化しています。記事中の欠陥を放置するのはメディアとして読者への裏切り行為です。そのことにもう一度思いを巡らせてください。

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歴史に詳しいわけではないが、7世紀のイスラム世界で「政党争い」はないだろう。大したミスではないので、誤りを認めて次号で訂正すれば済む話だ。しかし、必要以上に高いプライドを守るためにミス黙殺に手を染めてしまうと、どうしても歯止めが効かなくなってしまう。

誤りを認めるのが嫌ならば「ウマイヤ家支持派とアリー支持派をそれぞれ政党に見立てた上で『政党争い』と表現しました」などと無理のある弁明をする手もある。ただ、東洋経済の高橋由里編集長はミス握りつぶしに関して既に吹っ切れている可能性が高いので、単純に無視で済ませるだろう。


※東洋経済のミス握りつぶしに関しては「ミス黙殺に走った東洋経済の高橋由里編集長へ贈る言葉」を参照してほしい。

追記)結局、回答はなかった。

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