2021年12月9日木曜日

「地方から都市部に若い女性が流出」に無理がある日経 石塚由紀夫編集委員の記事

8日の日本経済新聞電子版に石塚由紀夫編集委員が書いた「『若い女性が消えた』~増える未婚、地方が陥るワナ」という記事は無理がある内容だった。「未婚化は少子化を加速する。都道府県別に人口構成を分析すると、若い男女の人口バランスが大きく崩れており、結婚したくとも相手が見つからない状況に陥っている。その原因は地方から都市部、特に東京周辺への若い女性の流出だ」と石塚編集委員は言う。しかし、その後に示したデータとは整合しない。

筑後川河川敷

25~34歳シングル」の男女比を都道府県別に示した地図と、そのランキングを載せている。石塚編集委員の見立てが正しいのならば「男性/女性」の数値で上位は「地方」、下位は「都市部、特に東京周辺」となっているはずだ。

しかし4位に「都市部」の愛知が出てくる。「東京周辺」を見ると神奈川が21位、千葉が24位、埼玉が25位と真ん中辺り。東京は37位だが、36位の佐賀と38位の宮崎に挟まれており「地方」と決定的な差はない。

そして「若い男女の人口バランス」が良いと石塚編集委員が言う下位は46位が奈良で47位が鹿児島。「都市部、特に東京周辺」という話と合っていない。

地図を見る限り、石塚氏の言うような傾向は確認できない。日本全体で見れば西日本で「シングル男女人口比」が小さいとは言える。「地方」をどう定義しているのか不明だが、単純に「地方」には「若い女性」が少なく「都市部」には多いと見ると、問題を見誤る。


※今回取り上げた記事「『若い女性が消えた』~増える未婚、地方が陥るワナ」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD031KJ0T01C21A2000000/


※記事の評価はD(問題あり)。石塚由紀夫編集委員への評価もDを維持する。石塚編集委員に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「女性活躍後進国」と日経 石塚由紀夫編集委員は言うが…
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/12/blog-post_2.html

「フリーアドレス制でダイバーシティー効果」が怪しい日経の記事https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/03/blog-post_88.html

0 件のコメント:

コメントを投稿