田主丸グリーンセンター(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
現代ニッポンのこの人たちは、どんな気分で卓を囲んでいたのだろう。黒川弘務・東京高検検事長、産経新聞のA記者とB記者、朝日新聞の元記者というメンツだ。A記者の自宅をジャン荘がわりに、コロナ緊急事態もなんのその、宵の口から未明まで賭けマージャンに興じていたという。唾棄すべき光景というほかない。
黒川検事長といえば、定年延長問題のまさしく当事者である。渦中のその人を、私宅に招き入れてのロンチーポンとは神経が太い。こんな検察官は一握り、こういう記者も一握りだと小欄としては言いたいが、世間は権力とメディアとの癒着の図式に大いに憤慨していよう。自戒をこめてこれを書きつつ、無念が募るのだ。
◎取材先に食い込むのはダメ?
この問題には3つのダメがある。まず「賭けマージャン」だからダメという考え方だ。これは分かりやすい。「コロナ緊急事態」下にあったからダメという見方も成り立つ。これも「好ましくない」と言われれば、そうだ。
では「コロナ緊急事態」下になく、「賭け」てもいなければどうか。「春秋」の筆者は「世間は権力とメディアとの癒着の図式に大いに憤慨していよう。自戒をこめてこれを書きつつ、無念が募るのだ」と記している。「渦中のその人を、私宅に招き入れてのロンチーポン」だけでダメだと判断しているのだろう。
しかし、日経でも「取材先に食い込んでネタを取って来れる記者」を「優れた記者」と見なしてきたはずだ。「春秋」の筆者も知らないはずがない。「東京高検検事長」を招いて自宅でマージャンするほどの仲であれば「取材先に食い込んでいる」との見方もできる。「東京高検検事長」が何かネタをくれる可能性も否定できない。ところが筆者は「自戒をこめてこれを書きつつ、無念が募る」と批判的だ。
本当に「無念が募る」のならば「取材先に食い込んでネタをもらって発表前に書くなんて日経ではもうやめよう。コロナ問題が終息しても夜討ち朝駆けはやらない新聞社になろう」と社内で訴えてほしい。
今回の件が日経を含めたメディアの取材姿勢の見直しにつながることを願う。
※今回取り上げた記事「春秋」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200522&ng=DGKKZO59420760R20C20A5MM8000
※記事の評価はC(平均的)
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