2019年11月8日金曜日

「北朝鮮、日本上空越える『発射』を示唆」で感じた日経とNHKの実力差

宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使」が日本に関して「より大きな災いと破滅に直面することになる」との「談話」を発表した場合、「日本の上空を越えるミサイル発射の可能性も示唆した」と感じるだろうか。この部分だけでは何とも言えない気がする。
能古渡船場(福岡市)※写真と本文は無関係

8日の日本経済新聞朝刊国際2面に載った「北朝鮮、日本上空越える『発射』も~大使、安倍首相を非難」という記事でソウル支局の細川幸太郎記者は以下のように記している。


【日経の記事】

北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使が安倍晋三首相を非難する談話を発表したと報じた。北朝鮮が10月末に発射した超大型多連装ロケット砲について日本が弾道ミサイルだとして国連決議違反を主張していることを批判した。現状のままでは、日朝首脳会談は実現しないと警告した。

宋氏は北朝鮮外務省で対日外交を一貫して担当してきた人物だ。安倍首相が東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の場で北朝鮮を批判したことにも反発を強めた。さらに、「より大きな災いと破滅に直面することになる」として日本の上空を越えるミサイル発射の可能性も示唆した


◎NHKとの差が…

上記の説明では「日本の上空を越えるミサイル発射の可能性も示唆した」との説明に納得できない。「より大きな災いと破滅に直面することになる」という「談話」が具体性を欠くからだ。

この件に関してNHKは以下のように報じている。

【NHKの記事】

北朝鮮外務省のソン・イルホ日朝国交正常化担当大使は、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表しました。

この中で、安倍総理大臣が今月、タイで行われた首脳会議で弾道ミサイルを繰り返し発射する北朝鮮を非難したことについて「国連安全保障理事会の決議違反だと身の程知らずにも言いがかりをつけてきた」として、発射は自衛のための正当な措置だと主張しました。

そのうえで、「島国の上空を飛び越える飛しょう体の軌跡やごう音におびえていたときの不安と恐怖が恋しくなって、わが国に何が何でも挑戦しようとするならば、われわれは日本を眼中にも置かずにやるべきことをやるだろう」として、日本の上空を通過する飛しょう体の発射を示唆しました


◇   ◇   ◇


NHKの記事では「日本の上空を通過する飛しょう体の発射を示唆」と言われて納得できる。「島国の上空を飛び越える飛しょう体の軌跡やごう音におびえていたときの不安と恐怖が恋しくなって、わが国に何が何でも挑戦しようとするならば、われわれは日本を眼中にも置かずにやるべきことをやるだろう」という「談話」があったのならば、なぜ日経の細川記者はこれを使わなかったのか。

より大きな災いと破滅に直面することになる」という「談話」の方が「日本の上空を越えるミサイル発射の可能性」との関連が高いとの判断なのか。北朝鮮との関係で「より大きな災いと破滅」と言われると、個人的には日本本土への大規模な攻撃だと感じるが…。


※今回取り上げた記事「北朝鮮、日本上空越える『発射』も~大使、安倍首相を非難
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20191108&ng=DGKKZO51912530X01C19A1FF2000


※記事の評価はD(問題あり)。細川幸太郎記者への評価はDで確定とする。

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