2017年12月3日日曜日

「TOEIC500点で生き残れるか」を素通り 日経ビジネス「英語公用化の虚実」

日経ビジネス12月4日号の特集「英語公用化の虚実~TOEIC500点で生き残れるか」は悪い出来ではない。英語関連の特集で言えば、週刊ダイヤモンド12月2日号の「日本人のための学習法 究極の省エネ英語 金も時間も労力もかけない!」よりも完成度は高かった。だが「TOEIC500点で生き残れるか」と打ち出しておきながら、この問題をほとんど論じないのは引っかかる。
大平山山頂(福岡県朝倉市)からの風景
      ※写真と本文は無関係です

TOEIC500点で生き残れるか」との問題提起に最も近づいたと思える「PART 3 こうすればうまくいく? 脱・TOEIC至上主義 本当に使える英語術」という記事の一部を見ていこう。


【日経ビジネスの記事】

「TOEIC900点でも英語を話すのが不安という人はざらにいる。一方、TOEIC500点でも臆せず外国人に溶け込める人もいる

そう語るのは、企業から海外での人材研修などを請け負うスパイスアップ・ジャパン(東京都千代田区)の豊田圭一社長だ。同社は、PART1で見たJR東日本の海外での“修羅場研修”などを手掛けている。何が、ビジネスパーソンの英語に対する意識を分けるのか。一言で言えば、「心理的な壁」だ。

日本人の英語体験は、多くが「うまく話せなかった」という失敗の経験から入る場合が多い。その悔しさをバネに英語学習にまい進できる人もいるが、心理的な壁が立ちはだかり、実際に「話す」ことにためらう人も少なくない。「『やってみたらうまくいった』という成功体験から入るように、学習の仕方を変えないといけない」(豊田氏)

見知らぬ海外の土地で、「現地の経営者に昼食をごちそうになる」といったミッションを克服させ、「成功体験」を植え付ける修羅場研修が企業から注目を集めるのは、そのためだ。

とはいえ、全く英語ができなければ、外国人とのコミュニケーションの第一歩すら踏み出せない。最低限必要な水準とはどの程度なのか。

英語学習の著作も多く、日本企業に対し英語活用のアドバイスもするスティーブ・ソレイシィ氏は、「まずTOEICは600点もあれば十分」と指摘する。TOEIC600点は、英語力が“初級”を脱し、履歴書に書ける最低水準ともいわれるスコアだ。

ただし、それは「聞く」「読む」という従来型のTOEICでの点数でのこと。ソレイシィ氏は、「これからは『話す』『書く』を重視し、4技能でテストを受けるべきだ」と指摘する。ビジネスパーソンが英語を話せないのは、日本企業が長年、「聞く」「読む」というテストを重視してきたからでもある。最近では「話す」「書く」という発信型の能力を重視する企業も増えた。本当に使える英語力を測る指標として、4技能テストの活用も重要になりそうだ


◎結局「TOEIC500点で生き残れる」?

TOEIC500点でも臆せず外国人に溶け込める人もいる」という最初のコメントからは「TOEIC500点で生き残れる」方向に話が進むように感じる。しかし、「TOEIC500点」に触れているのはここだけで、後は「まずTOEICは600点もあれば十分」とか「本当に使える英語力を測る指標として、4技能テストの活用も重要になりそうだ」といった話に移ってしまう。
天ケ瀬温泉(大分県日田市)※写真と本文は無関係です

英語公用化の虚実~TOEIC500点で生き残れるか」とタイトルを付けた以上、「生き残れるか」どうかはきちんと論じてほしい。何を以って「生き残り」とするのかも入れてほしい。それが不可能ならば、タイトルを再考すべきだ。

ついでに記事の書き方でいくつか細かい注文を付けておきたい。まずは特集の冒頭について。

【日経ビジネスの記事】

楽天の英語公用語化宣言から7年。英語活用の第2次ブームが、やってきている。トップの号令で英語公用語化への準備を進めるのは資生堂だけではない。中小企業からスタートアップまで、英語を仕事に積極活用する企業が相次ぐ。


◎「スタートアップ」は中小企業じゃない?

中小企業からスタートアップまで、英語を仕事に積極活用する企業が相次ぐ」と書くと、「スタートアップ非中小企業」との印象を受ける。しかし、ほとんどの場合「スタートアップ中小企業」のはずだ。

また「資生堂だけではない。中小企業からスタートアップまで」とすると、「資生堂以外の大企業」が外れてしまう。特集の趣旨を考えると「資生堂だけではない。大企業から中小企業まで」などとした方がよい。

スタートアップ」についてもう1つ。「創業当初から英語活用は当たり前という会社もある。14年に創業したAI(人工知能)開発のスタートアップ、インキュビット(東京都港区)だ」というくだりで「スタートアップ」を入れる必要は乏しい。

14年に創業」と入っていれば「スタートアップ」であるのは分かる。「スタートアップ、インキュビット」と続くと読みづらいという問題もある。広く使われている言葉とも思えないので「スタートアップ」をできるだけ使わずに記事を作ってほしい。


※今回取り上げた特集「英語公用化の虚実~TOEIC500点で生き残れるか
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/special/112800839/?ST=pc


※特集全体の評価はC(平均的)。担当者らの評価は以下の通りとする。

村上富美副編集長(暫定B→暫定C)
大竹 剛副編集長(Cを維持)
松浦龍夫記者(Cを維持)
庄司容子編集委員(D→C)
寺岡篤志記者(暫定C→C)

1 件のコメント:

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