2017年4月20日木曜日

迷走止まらぬ週刊エコノミスト金山隆一編集長

週刊エコノミストの金山隆一編集長の迷走が止まらない。4月25日号の「From Editors」という編集後記では、糸井重里氏に関して「詳しくはインタビューを読んでほしい」と述べているものの、いくら探してもインタビュー記事は見当たらない。
本佛寺の桜(福岡県うきは市)※写真と本文は無関係です

金山編集長が書いた「From Editors」の全文は以下の通り。

【エコノミストの記事】

「やってみなきゃ、わかんねえじゃねえか」というコントの一言に敏感に反応した人がいた。いまから30年近く前にテレビ朝日で放映していた「ザ・テレビ演芸」という番組で勝ち抜き演芸の審査を務めていたコピーライターのコメントだ。いまもなぜか鮮明に覚えている。その人が会社を興し、20年かけてついに株式上場させた。「ほぼ日」の糸井重里氏だ。彼のインタビューを読んで「この人は資本主義に挑戦している」と思った。企業の宿命は存続と成長だ。しかし糸井さんは、「総会を合宿する」とか「利益を出すために頭を回すことを一休みするのも武器になる」とか驚きの言葉を連発した。詳しくはインタビューを読んでほしい。なんとか全文も載せたい。

上場維持のためなら資本主義のルールを逸脱してもいいという東芝と対極の会社誕生である

◇   ◇   ◇

インタビュー記事は次号以降で掲載するのだろう。だが、上記の書き方では今号に載っているとしか考えられない。「今号に載ると勘違いしていた」とすれば、編集長として現場の状況を把握できているのか不安になる。次号以降の掲載と知っていたのに上記のような書き方をしたのであれば、書き手としてお粗末すぎる。

今回の「From Editors」は他にも問題が多い。列挙してみる。

◎結局、誰の「一言」?

『やってみなきゃ、わかんねえじゃねえか』というコントの一言に敏感に反応した人がいた。いまから30年近く前にテレビ朝日で放映していた『ザ・テレビ演芸』という番組で勝ち抜き演芸の審査を務めていたコピーライターのコメントだ」というくだりは、何回読んでも状況が理解できなかった。
耳納連山と桜(福岡県久留米市)※写真と本文は無関係です

普通に読むと「やってみなきゃ、わかんねえじゃねえか」というのは「コントの一言」だと思える。それに「敏感に反応した人」が「コピーライター(糸井重里氏)」なのだろう。しかし、記事には「コピーライターのコメントだ」と出てくる。だとすると「やってみなきゃ、わかんねえじゃねえか」は「コピーライターのコメント」にも見える。

そう思い直して読み直しても、「『やってみなきゃ、わかんねえじゃねえか』というコントの一言」と書いてあるので「やってみなきゃ、わかんねえじゃねえか」はコントをやる側から出たと解釈するしかない。そして「コピーライター」はコントを「審査」する側だ。結局、どう解釈するのが正解なのか、推測さえ困難だった。


◎「資本主義に挑戦している」?

彼のインタビューを読んで『この人は資本主義に挑戦している』と思った」理由も謎だ。「総会を合宿する」とは「泊まり込みで株主総会をやる」との趣旨だろうか。ならば、資本主義への挑戦でも何でもない。むしろ、資本主義の考え方の尊重だ。「総会を合宿する」からと言って企業としての「存続と成長」を無視している訳でもない。

利益を出すために頭を回すことを一休みするのも武器になる」というコメントはまだ分かる。ただ、これも驚くほどの話ではない。「短期的に多少の利益を犠牲にしても、顧客満足度を高める方が長期的には企業の利益になる」といった考え方はよくある。

そもそも金山編集長自身が「上場維持のためなら資本主義のルールを逸脱してもいいという東芝と対極の会社誕生である」と書いている。この説明が正しいのならば、「ほぼ日」は「資本主義のルール」を忠実に守るはずだ。そんな会社の経営者を「資本主義に挑戦している」と評する気が知れない。


◎「ほぼ日」は最近「誕生」?

細かい指摘になるが、「上場維持のためなら資本主義のルールを逸脱してもいいという東芝と対極の会社誕生である」という結びの部分で、「ほぼ日」が最近になって「誕生」したかのような書き方をしているのも引っかかった。記事でも触れているように「ほぼ日」は「20年かけてついに株式上場させた」会社だ。だとすると「誕生」は20年前。なのに「会社誕生である」と紹介するのは苦しい。例えば「東芝と対極の上場企業の誕生である」と直せば問題は解消する。

注:「ほぼ日」のホームページによると「有限会社東京糸井重里事務所設立」が1979年12月で、「『ほぼ日刊イトイ新聞』 創刊」が1998年6月。
九州大学伊都キャンパス(福岡市西区)※写真と本文は無関係


◎「氏」と「さん」

さらに細かい指摘をもう1つ。「『ほぼ日』の糸井重里氏だ」と書いた後で「しかし糸井さんは」と表記している。最初に「」を使ったのならば、次も「糸井氏」にした方がよい。この辺りの配慮までできるのがプロの書き手だ。


※記事の評価はE(大いに問題あり)。金山隆一編集長への評価はF(根本的な欠陥あり)を維持する。金山編集長については以下の投稿も参照してほしい。

FACTAに「声」を寄せた金山隆一エコノミスト編集長に期待
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/12/facta_25.html

週刊エコノミスト金山隆一編集長への高評価が揺らぐ記事
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/01/blog-post_12.html

週刊エコノミスト編集長が見過ごした財産ネットの怪しさ
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/01/blog-post_14.html

「無理のある回答」何とか捻り出した週刊エコノミストを評価
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/01/blog-post_94.html

東芝は「総合重機」? 週刊エコノミスト金山隆一編集長に質問
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/02/blog-post_57.html

ついに堕ちた 週刊エコノミスト金山隆一編集長に贈る言葉
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/03/blog-post_8.html

駐車違反を応援? 週刊エコノミスト金山隆一編集長
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/03/blog-post_29.html

0 件のコメント:

コメントを投稿