東洋経済オンラインの記事によると、立憲民主党から衆院選に出て再選を果たした「小川淳也氏」は「人口減、低成長、財政悪化、気候変動」を「日本や世界」が「歴史上経験したことのない構造問題」と捉えているらしい。明らかに違うと思えたので、以下の内容で東洋経済に問い合わせを送っている。
夕暮れ時の工事現場 |
【東洋経済への問い合わせ】
東洋経済 林哲矢様
11月1日付で東洋経済オンラインに載った「いまだ支持伸びぬ野党が魅力取り戻す3つのカギ~密着取材の映画が反響呼んだ小川淳也氏が語る」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは小川氏の以下の発言です。
「人口減、低成長、財政悪化、気候変動といった、歴史上経験したことのない構造問題に日本や世界は直面している。このような大きな問題にどんな政策で臨むのか、体系立った全体像を国民に示す必要がある」
この発言を信じれば日本は「人口減」を「歴史上経験した」がないはずです。しかし2019年4月26日付の東洋経済オンラインに載った「『人口減少』時代への対処は江戸に学ぶといい」という記事では全く話が違っています。
「人口減少は、日本史上未曾有の出来事ではありません。歴史をひもとくと、日本の人口減少期は過去3度ありました。最初は縄文時代の中後期。次に、平安後期から鎌倉時代にかけて。そして、江戸中期から後期にかけてです」と記しています。
次は「財政悪化」についてです。これも東洋経済オンラインの過去の記事を参考にしましょう。2015月12月28日付の「結局、借金大国日本は財政破綻を迎えるのか」という記事には「太平洋戦争中の1944年度にも同比(注:債務残高の対GDP比)200%強あり、その後、敗戦を経てすさまじいインフレや預金封鎖を経験したからです。つまり、財政破綻と言ってもいい状況まで行ったというわけです」との記述があります。
今回の記事によると、小川氏も「太平洋戦争」を「日本が経験したハードランディング」と認識しているようです。戦中から終戦直後にかけて日本は「財政悪化」を「経験した」のではありませんか。
最後に「気候変動」にも触れておきます。最後の氷期であるウルム氷期が約7万~1万年前とされているので「世界」がこれまでにも「気候変動」に直面してきたのは間違いないでしょう。近いところで言えば、日本でも江戸時代に小氷期があったと言われています。縄文時代は今より暖かかったようなので、日本の縄文時代以降を見ても「気候変動」の問題はあったはずです。
「人口減、低成長、財政悪化、気候変動といった、歴史上経験したことのない構造問題に日本や世界は直面している」という小川氏の説明は誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
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※今回取り上げた記事「いまだ支持伸びぬ野党が魅力取り戻す3つのカギ~密着取材の映画が反響呼んだ小川淳也氏が語る」
https://toyokeizai.net/articles/-/465699
※記事の評価はD(問題あり)
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