筑後川橋と菜の花(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
付け加えると「原油相場の低迷は当面続きそうだ」との結論にも説得力がなかった。記事の一部を見てみよう。
【東洋経済の記事】
現在は1バレル=30ドル台で、原油安が長引けば、生産量を増やしてきた米国産原油にも影響が及ぶ。シェールオイル企業の採算ラインは1バレル=50ドル程度とされており、「仮に30ドル台が3カ月から半年ほど続けば、米シェールオイル企業の倒産も懸念される」(日本総合研究所の藤山光雄・主任研究員)。当然、米国経済も少なからぬ打撃を受けることになる。
次回のOPECプラスの総会は6月。財政に余裕のないサウジがいつまで増産を押し通せるかが1つの焦点になる。ロシアも、余裕があるとはいえ、採算悪化にさらされる1バレル=30ドル台という低水準が長引くことは望んでいないだろう。
◎色々と上昇要因がありそうだが…
「シェールオイル企業の採算ラインは1バレル=50ドル程度」だとすれば「30ドル台」が続く局面では「米国産原油」の減産を促す。「財政に余裕のないサウジ」が相場低迷に苦しみ、「増産を押し通せ」なくなる展開も十分にあり得る。しかも「ロシア」も「1バレル=30ドル台という低水準が長引くことは望んでいないだろう」と大塚記者は見ている。
さらに言えば「新型コロナ問題」に終息の兆しが見えてきてもおかしくない。もちろん「原油相場の低迷」が続く可能性はあるが「低迷は当面続きそうだ」と言われて「なるほど」とは思えなかった。「長期低迷必至」と言える根拠も当然に見当たらない。
多くの場合、相場見通しを突き詰めて考えると「何とも言えない」になってしまう。どうしても記事に組み込みたければ、条件を付けるのも手だ。例えば「有力産油国のにらみ合いが協調に転じたとしても、新型コロナ問題に終息の兆しが見えない限り、原油相場の上値は重そうだ」といったところか。結局は逃げなのだが…。
※今回取り上げた記事「ニュース最前線03 サウジがまさかの増産~原油相場は長期低迷必至」
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/23256
※記事の評価はC(平均的)。大塚隆史記者への評価も暫定でCとする。
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