2020年2月8日土曜日

所有に関する世代間の「差の小ささ」に着目した日経「Pickデータ」に高評価

8日の日本経済新聞朝刊マネー&インベストメント面に載った「Pickデータ~平成生まれも家『買う』8割」という記事は興味深い内容だった。記事に付けた「『買う』『どちらかというと買う』の割合」というグラフを見ると、家、車、音楽に関して「平成世代」も「バブル世代」もほとんど差がないのが分かる。
筥崎宮(福岡市)※写真と本文は無関係です

記事では以下のように解説している。

【日経の記事】

平成生まれの若い世代も家や車を買いたい――。カーディフ生命保険が昨年9月に実施した調査で、平成以降に生まれた20~34歳の約8割が家や車を「買う」と答えた。

調査では平成世代と35~49歳のロスジェネ世代、50~59歳のバブル世代に分け、男女2156人から回答を得た。家や車、音楽などを対象に「買う」や「借りる」「関心がない」など5つの選択肢を示したところ、家を「買う」「どちらかというと買う」を選んだ平成世代は78%でバブル世代の79%と肩を並べた。シェアリングエコノミーが浸透するとみられる若年層だが「家の所有に価値を見いだしている」(同社)ようだ



◎「差がない」ことも時には重要

平成世代」「バブル世代」といった世代を比較する場合、どうしても「こんなに違う」と強調したくなる。そして、それに合うデータを紹介しがちだ。しかし、差がないことも時には重要な意味を持つ。

シェアリングエコノミーが浸透するとみられる若年層」に関しては所有欲が乏しいと見られがちだ。日経も「ニッキィの大疑問~シェア経済、なぜ拡大? 所有欲少ない若者増える」という2018年3月12日付の記事では「『ミレニアル世代』と呼ばれる若年層を中心に、モノの所有にこだわらない風潮が広まっていることも見逃せません」と解説している。

実際には「若年層」も上の世代と大して差がない可能性を「カーディフ生命保険」の調査は示唆している。そこに着目して記事にした姿勢を高く評価したい。


※今回取り上げた記事「Pickデータ~平成生まれも家『買う』8割
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200208&ng=DGKKZO55382230X00C20A2PPE000


※記事の評価はB(優れている)

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