2020年2月14日金曜日

「オペ紙にじむ危機感」が大げさな日経 水戸部友美記者の「日銀ウオッチ」

日本経済新聞のコラム「日銀ウオッチ」は総じて評価できる。ただ、14日の朝刊経済面に載った「『オペ紙』にじむ危機感」はちょっと苦しい。記事の後半を見てみよう。
博多リバレインモール(福岡市)※写真と本文は無関係

【日経の記事】

だが超長期金利は低空飛行が続く。30年債利回りは米中対立で0.1%を割り込んだ昨年9月からは上昇したものの、足元では0.3%台後半にとどまる。大手生保が投資採算の目安とする0.8~1%にはほど遠い。

1月末の「オペ紙」で購入減を示唆してからも、プラスの利回りを確保できる超長期国債は人気で、金利が持続的に上がっていく展開にはなっていない。日銀も超長期金利の押し上げに限界を感じているフシがある。

日銀の金融研究所は1月下旬に公表した論文で、内外の中銀の金融政策に関わる公表文や記者会見の文字情報が市場に与える影響を分析した。欧米の中銀の情報発信が金利の変動に及ぼす影響力は年限が2年程度にとどまり、金利の期間が長くなるほど効果は小さくなるという。黒田総裁が口先介入しても効き目は小さいということになる。

市場では日銀による超長期国債の購入停止を求める声もある。だが日銀内には「オペをやめると市場との対話手段が失われる」(幹部)との慎重論は根強い。がんじがらめのなか、金利の低下圧力への対抗手段を失うリスクが現実味を帯びる



◎「対話手段が失われる」?

超長期金利」に関して「黒田総裁が口先介入しても効き目は小さい」ので、「市場との対話手段」は実質的に「日銀による超長期国債」の売買のみと仮定しよう。

この場合「購入停止」によって「対話手段」が失われるとは思えない。売買を制度的にできなくするなら別だが、売買の数量がたまたま「ゼロ」になるだけだ。「超長期国債」の売買額や頻度によって市場と「対話」するのならば「ゼロ」も1つのメッセージだ。

オペをやめると市場との対話手段が失われる」と日銀「幹部」が本気で思っているとしても、筆者の水戸部友美記者が真に受ける必要はない。なのに、なぜ「金利の低下圧力への対抗手段を失うリスクが現実味を帯びる」となってしまうのか。

金利」を上げるのは簡単だ。「日銀」が「超長期国債」の売却に踏み切れば済む。「金利」が適正水準に達するまで売却額を増やしていけばいい。

今の「日銀」にとって難しい選択なのは分かるが「金利の低下圧力への対抗手段」はしっかり保持しているし、それを「失うリスクが現実味を帯び」ているとは思えない。


※今回取り上げた記事「日銀ウオッチ『オペ紙』にじむ危機感
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200214&ng=DGKKZO55509760S0A210C2EE8000


※記事の評価はD(問題あり)。水戸部友美記者への評価はDを維持する。水戸部記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「マネー凍結懸念」ある? 日経「認知症患者、資産200兆円に」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/200.html

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