2020年2月7日金曜日

そもそも「寡占」成立してた? 日経「国際送金、崩れる銀行寡占」

7日の日本経済新聞朝刊金融経済面に載った「国際送金、崩れる銀行寡占~スマホ・ネットが店舗経由逆転へ フィンテック、手数料安く」という記事は二重に問題がある。そもそも「銀行寡占」があったのか。仮にあったとして、最近になって「崩れようとしている」のか。
亀山上皇銅像(福岡市)※写真と本文は無関係です

最初の段落を見てみよう。

【日経の記事】

フィンテックの浸透で国際送金分野で銀行寡占が崩れようとしている。スマートフォンやブロックチェーン(分散台帳技術)を使った高速で手数料が安い送金が伸びをけん引し、市場規模は7000億ドル(約76兆円)を突破した。スマホやネットを使う送金は近く銀行などの店舗を経由する送金を追い抜きそうだ



◎まだ「崩れ」てない?

銀行寡占が崩れようとしている」というのだから、まだ「崩れ」てはいないのだろう。しかし「スマホやネットを使う送金は近く銀行などの店舗を経由する送金を追い抜きそうだ」とも書いている。ならば既に「銀行寡占が崩れ」ていると理解するのが自然ではないか。

続きを見てから、さらに考えよう。

【日経の記事】

外国で働く労働者や移民が増え、母国に送金するニーズが高まっている。銀行口座を持たない人でも携帯電話だけで送金できるサービスが普及していることも国際送金が増えている要因だ。

「アジアへの国際送金の件数、金額で断トツだ」。SBIホールディングスの北尾吉孝最高経営責任者(CEO)は19年12月、投資家向け説明会でこう話した。SBIレミットは17年、米リップルのブロックチェーンを使った国際送金サービスを始めた。当初はタイ向け、19年11月にはベトナム向けを始めた。20年前半までにインド向けも始める。

送金国や金額によって異なるが、手数料は最低460円だ。インターネットバンキングでも3000円程度かかる大手行に比べて格段に安い。リップルを採用した相手国向けの送金では数秒で着金する。日本からアジア各国向けの同社の送金シェア(銀行含む)は4割超に上るという。


◎既に「送金シェアは4割超」ならば…

日本からアジア各国向け」では「SBIホールディングス」の「送金シェア(銀行含む)は4割超に上る」らしい。「アジア各国向け」「銀行含む」という条件付きなので断定はできないが、やはり「銀行寡占」は崩壊済みと理解したくなる。

さらに言えば、そもそも「銀行寡占」が成立していたのか疑問だ。ネットで「国際送金」について調べると、国内に限っても大手行に加えて複数の地方銀行の名前が出てくる。「国際送金」を手掛ける「銀行」が片手で足りるぐらいでないと「銀行寡占」とは言い難い。実際は、両手に余る「銀行」が「国際送金」を手掛けているのではないか。

無理に記事を盛り上げようとして説得力を失ってしまったと見るべきだろう。


※今回取り上げた記事「国際送金、崩れる銀行寡占~スマホ・ネットが店舗経由逆転へ フィンテック、手数料安く
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200207&ng=DGKKZO55332600W0A200C2EE9000


※記事の評価はD(問題あり)

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