2020年2月22日土曜日

高コストの中小型株投信へ読者を誘導する日経 川上純平記者の罪

日本経済新聞の川上純平記者は金融業界に取り込まれてしまったのだろう。22日の朝刊マネー&インベストメント面に載った「中小型株投資 プロに学ぶ~成長余地 3つの視点」という記事からは、そう判断できる。途中までは毒にも薬にもならない内容なのだが、終盤で筋の悪い投資信託へと読者を導こうとしてくる。
九州大学病院(福岡市)※写真と本文は無関係です

そこを見ていこう。

【日経の記事】

投資の基本はリスク分散なので、いくら有望だと考えても特定銘柄へ集中投資は避けよう。少ない元手資金で複数の銘柄に分散したければ、中小型株を組み入れて運用する投信を活用するのも手だ(表C)

組み入れ銘柄や運用方針を定期的に開示しているのでプロの投資法を探るヒントにもなる。エンジェルジャパンが銘柄選びを助言する「SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト」などは過去5年間のリターンが比較的高い。好成績が将来も続くかどうかはわからないが、投信選びでは一定の運用実績を残していることを事前に確認したい



◎問題外では?

結局「少ない元手資金」しかない投資家を「中小型株を組み入れて運用する投信」に誘い込んでいる。そして「『SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト』などは過去5年間のリターンが比較的高い」と具体的な商品名まで挙げてみせる。

ここでは「SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト」について考えてみよう。この投信は購入時手数料が上限3.3%(税込み)。ノーロードの投信も珍しくないのに最初から3%強を引かれた状態で投資を始める合理的な理由はあるのか。アクティブ型なので信託報酬も年1.65%(同)と高い。迷わず選択肢から外すべき商品だ。

中小型株投資」をしたいという投資初心者がいて「分散はどうすべきだと思うか。投信を活用すべきか」と聞かれたら「分散は大事だが、投信はお薦めしない。コストが高過ぎる」と答える。どの程度の資金を運用するかにもよるが、5銘柄ぐらいへの分散ができていれば良しとしたい。

もちろん分散は十分ではないだろう。ただ、金融業界に無駄な手数料を取られるぐらいならば、分散は「ある程度」でいい。分散効果を高めたいならば、投資額を積み上げていく段階で徐々に銘柄を増やしていくべきだ。

「記事では『過去5年間のリターンが比較的高い』投信を紹介しているので、手数料が高くても十分に費用を吸収できている」と川上記者は反論するかもしれない。「過去5年間」はそうだろう。しかし「好成績が将来も続くかどうかはわからない」はずだ。「過去5年間」に好成績だった投信ほど未来の「5年間」も優れたパフォーマンスを示す確率が高い訳でもない。ならば、リターン確保のためにまず重要なのは費用を抑えることだ。

投信選びでは一定の運用実績を残していることを事前に確認したい」と川上記者は言うが、この「確認」は省いてもいい。絶対に「確認」すべきなのは手数料などの費用だ。

しかし、その重要性に川上記者は触れていない。「表C」で紹介した5本の投信も「5年リターン」は見せているが、信託報酬や購入時手数料は示していない。あえてこうしたのならば金融業界の回し者だ。「コストについては考えていないかった」と言う場合、投資関連の記事を書くにはまだ実力不足だ。


※今回取り上げた記事「中小型株投資 プロに学ぶ~成長余地 3つの視点
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200222&ng=DGKKZO55914280R20C20A2PPE000


※記事の評価はD(問題あり)。川上純平記者への評価も暫定でDとする。

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