豪雨被害を受けた朝倉市 ※写真と本文は無関係です |
問い合わせの内容は以下の通り。
【東洋経済への問い合わせ】
7月29日号の第1特集「これから伸びる中学・高校」の中の「入学後に後悔しない付属校の正しい選び方」という記事についてお尋ねします。この記事には以下の記述があります。
「大学付属校といえば、首都圏では早稲田大学、慶応義塾大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、関西では関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の系列が有名だ。これらの付属校は内部進学率が圧倒的に高い。左ページ表は中学受験における大学付属校各校の偏差値だ」
ここで気になるのが早稲田大学の系列です。早稲田高校のホームページには「近年の卒業生(現役)の進学状況をみると、約50%が早稲田大学へ推薦で進学しています」との説明があり、「内部進学率が圧倒的に高い」状況とはなっていません。
早稲田佐賀も同様で、同校のホームページによれば「早稲田大学への推薦入学制度」を利用しているのは「入学定員の50%程度」にとどまるようです。早稲田摂陵に至っては早稲田大学への推薦枠が「40名程度」(同校ホームページ)しかなく、内部進学率は10%強にとどまるはずです。
この指摘に対しては「3校は付属校ではなく系属校であり、しかも早稲田佐賀と早稲田摂陵は首都圏外だ」との反論が考えられます。しかし、記事で言う「左ページ表」では「早慶MARCHの付属校でもレベルはさまざま-2017年中学入試結果偏差値(首都圏)-」というタイトルになっていて、早稲田高校、早稲田佐賀、早稲田摂陵も「首都圏の付属校」として名を連ねています。
これを基にすると、早稲田大学に関して「付属校は内部進学率が圧倒的に高い」というのは一部しか当てはまらないのではありませんか。「記事で言う付属校とは系属校を除く」との前提があるのならば、表の説明に問題があると思えます。御誌の見解を教えてください。
◇ ◇ ◇
早稲田大学に関しても、付属校と系属校に分けて考えれば「付属校は内部進学率が圧倒的に高い」との説明で問題ない。だが、記事に付いた表を見る限り系属校も含めて「付属校」として扱っている。
九州北部豪雨後の福岡県立朝倉光陽高校(朝倉市) ※写真と本文は無関係です |
早稲田佐賀、早稲田摂陵がなぜ「首都圏」なのかもよく分からないが、表で言う「首都圏」とは「首都圏の大学の付属校」という意味かもしれない。
今回の記事からは(1)早稲田大学の付属校(早稲田、早稲田佐賀、早稲田摂陵を含む)は内部進学率が圧倒的に高い(2)早稲田佐賀、早稲田摂陵に関しては偏差値が50以下--と読み取れる。そこから「早稲田佐賀、早稲田摂陵は難易度が高くないのに、ほぼ確実に早稲田大学へ進学できる」と誤解する読者がいてもおかしくない。
なのに、問い合わせに対してきちんと回答する姿勢を見せないとは…。
※記事の評価はD(問題あり)。ただ、上記の問題以外に気になる点はない。表の作成は編集部に任せている可能性が高いと思えるので、筆者である おおたとしまさ氏(育児・教育ジャーナリスト)への評価は見送る。
追記)結局、回答はなかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿