2018年8月8日水曜日

「北野」「天王寺」の説明が苦しい東洋経済「ザ・名門高校」

週刊東洋経済8月11~18日号の特集「ザ・名門高校」の問題点を引き続き見ていく。今回は大阪府に関する説明を取り上げる。東洋経済には以下の内容で問い合わせを送った。
門司港(北九州市)※写真と本文は無関係です

【東洋経済への問い合わせ】

週刊東洋経済編集部 長谷川隆様 福田恵介様 林哲矢様

8月11~18日号の特集「ザ・名門高校」の中の「地域の誇り 名門校の横顔 列島縦断 有力校勢力図 関西」という記事についてお尋ねします。記事では大阪府の状況について以下のように記しています。

大阪府は四つに分かれていた学区を2014年度に廃止、旧学区外からも受験できるようになったため、トップの北野へは『府内の優秀な生徒が集まってくる』(大阪の大手塾)という状況だ。南北に長い大阪では、北部は北野、南部は天王寺とすみ分けていたが、『公立は北野1強状態。(大阪から和歌山にかけての)南海沿線といった府南部から進学を希望する中学生も増えている』(同)

南北に長い大阪では、北部は北野、南部は天王寺とすみ分けていた」と書いていますが「学区」が「四つに分かれていた」のならば「北部は北野、南部は天王寺とすみ分け」するのは無理ではありませんか。2つの学区からは「北野」にも「天王寺」にも入学できないはずです。

記事の説明が正しければ「南海沿線といった府南部」は2013年度まで「天王寺」が君臨する地域だったことになります。実際には堺市や岸和田市などの「府南部」からは「天王寺」を受験できなかったのではありませんか。

さらに言えば「公立は北野1強状態」というコメントは記事に付けた図と矛盾します。図では「北野」と「天王寺」は横並びです。「北野1強」ならば図では「北野」を上に持ってくるべきです。

記事の説明には問題ありと判断してよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、記事をどう理解すればよいのか教えてください。御誌では、読者からの問い合わせを無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。

※今回取り上げた特集「ザ・名門高校
https://dcl.toyokeizai.net/ap/registinfo/init/toyo/2018081100


※特集全体の評価はD(問題あり)。福田恵介記者への評価は暫定C(平均的)から暫定Dへ引き下げる。長谷川隆記者と林哲矢記者は暫定でDとする。今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。

佐倉高校は千葉市にある? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_19.html

表紙の「沖縄外し」が気になる東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_80.html

愛知は本当に「2トップ」?東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_9.html

四国では「高松」が断トツ? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_55.html

「福岡知らず」が過ぎる東洋経済の特集「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_1.html

「熊本高校同窓会」の説明に難あり 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_11.html

内部進学85%でも「ほぼ全員」? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/85.html

早大「内部進学人気」に疑義あり 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_16.html

0 件のコメント:

コメントを投稿