2016年7月16日土曜日

日経 小滝麻理子記者 メイ英首相の紹介記事に問題あり

15日の日本経済新聞朝刊国際2面に載った「登場~英新首相 テリーザ・メイ氏(59) エリートと一線、実務に定評」という記事は問題が多かった。筆者の小滝麻理子記者はメイ氏についてよく知らないのだろう。それには同情するとしても、話の辻褄は合うように書いてほしい。問題点を列挙してみる。
隈上正八幡宮(福岡県うきは市) ※写真と本文は無関係です

◎野心は「秘めてきた」?

【日経の記事】

約四半世紀ぶりとなる女性宰相は「鉄の女・サッチャー」と比べられる運命にあるが、本人は「私にはお手本はいない」と意に介さない。もっとも、英BBCはサッチャー首相誕生時に「『自分が最初になりたかった』と悔しがっていた」という同級生の話を紹介している。秘めてきた野心は戦後最大級の政治危機のなかで成就した。

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サッチャー首相誕生時に「『自分が最初になりたかった』と悔しがっていた」のであれば「秘めてきた野心」とは言い難い。そして、初の女性首相になるのがメイ氏の「野心」だったとすれば「成就」はしていない。

お手本はいない」と「自分が初の女性首相になりたかった」のくだりを「もっとも」でつないでいるのも妙だ。「初の女性首相になりたかった=実はサッチャーをお手本にしていた」といった図式が成り立つわけではない。

◎「エリート政治家とは一線を画してきた」?

【日経の記事】

英中央銀行勤務を経て保守党に入った後、派閥抗争を嫌いエリート政治家とは一線を画してきた。政界には「雑談に一切応じない」との評もある。今回の国民投票でも残留を支持しつつ、保守党内の激しい論争から距離を置いた。それが党内融和を求める圧倒的支持を集めるカギとなった。

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エリート政治家とは一線を画してきた」と書いてあると「メイ氏はエリート政治家ではない」との前提を感じる。しかし、経歴などから「非エリート」と言える材料は見えてこない。また、「一線を画してきた」のがなぜ「エリート政治家」限定なのかも謎だ。「派閥抗争を嫌い」「党内の激しい論争から距離を置いた」とすれば、エリート政治家以外の政治家とも「一線を画してきた」と考えるのが自然だ。

◎これが「剛腕」?

【日経の記事】

自らを「目の前の仕事を片付けていくタイプ」と分析。冷静沈着な仕事ぶりで知られ、6年間の内相時代は実力重視の人事制度導入などの警察改革で犯罪率を下げた。ヨルダン当局に直談判して過激派組織のリーダーを強制送還する剛腕を発揮した実績もある

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ヨルダン当局に直談判して過激派組織のリーダーを強制送還する」だけのことがなぜ「剛腕」なのか説明がない。これだけ読むと「そんなの、内相が直々に処理する必要もないでしょ」と思われそうな話だ。実際には難しい案件で「剛腕」を見せたのだろう。しかし、その辺りの事情を読者に見せないので「剛腕」ぶりが伝わってこない。

※記事の評価はD(問題あり)。ロンドンの小滝麻理子記者への評価も暫定でDとする。

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