感仙殿(仙台市)※写真と本文は無関係です |
この件に関する問い合わせと回答は以下の通り。
【日経BP社への問い合わせ】
日経ビジネス副編集長 森永輔様
9月9日号の「時事深層 目覚めるニッポン~昭和史研究の第一人者、保阪正康氏が提言『ナショナリズム』から逃げるな」という記事についてお尋ねします。記事の中で「日本は江戸時代の約270年間、一度も対外戦争をしていません。幕藩体制という統治体制が巧妙だったうえに、温厚な日本人、与えられた状況を幸せと考える日本人が作られました」と保坂氏は述べています。しかし「対外戦争」はあったと思えます。
まず薩英戦争です。これは「文久3年(1863)鹿児島で英国東洋艦隊と薩摩藩との間で行われた戦争」(デジタル大辞泉)で、明らかに「江戸時代」ですし「対外戦争」です。「薩摩藩」を日本から外して考えるのも難しいでしょう。下関戦争(馬関戦争)も「江戸時代」の「対外戦争」と言えます。長州藩がイギリス、フランス、オランダ、アメリカと戦い敗北を喫しました。
「江戸時代」に国を挙げての「対外戦争」はなかったでしょうが、「日本は江戸時代の約270年間、一度も対外戦争をしていません」と言い切るのは誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
付け加えると、本当に「幕藩体制という統治体制が巧妙」で「与えられた状況を幸せと考える日本人が作られ」たのならば、薩英戦争も下関戦争も明治維新も起きなかったのではないかとの疑問は残りました。
【日経BP社の回答】
お問い合わせをありがとうございます。
ご指摘の通り、「国を挙げての『対外戦争』はなかった」という趣旨でしたが、表現に不足がありました。
以下のように訂正いたします。
日本は江戸時代の約270年間、国を主体とする対外戦争をしていません。
ご指摘をありがとうございました。
◇ ◇ ◇
※今回取り上げた記事「時事深層 目覚めるニッポン~昭和史研究の第一人者、保阪正康氏が提言『ナショナリズム』から逃げるな」
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00320/
※記事の評価はD(問題あり)。ただ「対外戦争」に関する記述以外に問題は感じなかった。回答内容も考慮して森永輔副編集長への評価は暫定でC(平均的)とする。
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