2017年2月20日月曜日

ダイキンに何か恩でも? 日経 竹田忍編集委員「経営の視点」

日本経済新聞の竹田忍編集委員はダイキン工業に何か特別な恩でもあるのだろうか。20日の朝刊企業面に載った「経営の視点」では、「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」のスポンサーになった同社を「企業の社会的責任(CSR)」を果たした典型例のように取り上げている。だが、社名を冠したトーナメントの開催は、基本的に広告宣伝の一環だ。地域貢献などの面ももちろんあるだろうが、CSRに絡めて長々と大会の歴史を振り返り賞賛する意味があるとは思えない。
大宰府政庁跡(福岡県太宰府市) ※写真と本文は無関係です

具体的に記事を見ていこう。

【日経の記事】

「メセナ」の言葉が日本で広まったのは企業による芸術文化支援の啓発団体「企業メセナ協議会」が発足した1990年以降。古代ローマの初代皇帝アウグストゥスに仕えた高官マエケナスが文芸作家を手厚く擁護したのに由来するフランス語で、芸術文化支援を意味する。企業の社会的責任(CSR)が重視されると普及に拍車がかかった。

スポーツの支援はメセナの対象外ではあるが、CSRにつながる。女子プロゴルフトーナメントの「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」はメセナ協議会発足より早い88年に始まった。その第30回大会が今月27日開幕する。

◎「メセナ」の説明が長すぎる

長々と「メセナ」について説明したのに、今回取り上げる「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」は「スポーツの支援」なので「メセナの対象外」らしい。だったら、「メセナ」の説明はもっと短くていい。

続きを見ていこう。

【日経の記事】

琉球放送の小禄邦男社長(現最高顧問)が「沖縄から明るい情報を発信したい」と女子プロ大会誘致を発案したのがきっかけになった。指南役を任ずる日本興業銀行(現みずほ銀行)の中山素平元頭取は、スポンサー候補に三菱電機や資生堂が挙がるなか「ダイキン工業がいい」と助言し、山田稔ダイキン社長(当時)に電話をかけた。

同社の井上礼之常務(現会長)が担当になったが、実は全役員が協賛に反対だった。現地を視察した井上氏は在日米軍基地の集中ぶりや観光振興策の遅れにショックを受け「何としても実現する」と誓った。

◎「全役員が反対だった」?

上記のくだりは謎だ。「全役員が協賛に反対だった」のならば、当然に「山田稔ダイキン社長」も反対のはずだ。だとしたら、どうして「井上礼之常務(現会長)が担当」になるのか。山田社長の判断で断れるのならば、他の役員に話を持っていく必要はない。他の役員の意見を聞いたとしても、「全員反対」ならば検討の余地はない。なのに「井上礼之常務(現会長)が担当」になっている。謎だ。
ディナン(ベルギー)近郊のヴェーヴ城
          ※写真と本文は無関係です

協賛」も腑に落ちない。今年の大会ではダイキン工業は琉球放送とともに「主催」となっている。当初は「協賛」だった可能性もあるが、「スポンサー候補に三菱電機や資生堂が挙がるなか『ダイキン工業がいい』と助言」というくだりから判断すると、最初からメインスポンサーとしての話だったと思える。竹田編集委員が何か勘違いしているのか、それとも説明が足りないのか…。

ついでに言うと、「実は全役員が協賛に反対だった」時に井上常務は推進派だったのならば「実は井上常務を除く全役員が協賛に反対だった」と書いた方がいい。その方が正確だ。

井上常務は最初反対していたが、沖縄視察で賛成に転じたという場合も「実は井上常務を含む全役員が協賛に反対だった」とした方が親切だろう。

記事のこの後は、あまり意味のない昔話が延々と続く。長くなるので一部だけ紹介しよう。

【日経の記事】

大会の柱は女子ゴルフツアー開幕戦だが、「本土と沖縄の経済界を結ぶパイプ作り」の要素を付け加えた。中山氏が東京、山田氏が関西、そして小禄氏が地元の有力経済人を誘い、女子プロ選手とのプロアマ大会を企画した。

今でこそダイキンの空調は沖縄で過半数のシェアを誇るが、当時は皆無に近く、代理店任せ。現地要員が足りず、本社から沖縄へ社員多数を送り込んだ。初期に参加したソニー創業者の井深大氏は秘書も連れずポロシャツ姿で那覇空港に降り立った。写真で顔を覚えていた女性社員がさっと駆け寄って世話をした。

この手づくり感がうけ、いま前夜祭には東阪の有力経済人と沖縄の著名人ら約500人が一堂に会する。連続参加者も多く、本土とのパイプは年々太くなっている。

◎これが「CSR」?

冠スポンサーになっているトーナメントのプロアマ戦で「本土と沖縄の経済界を結ぶパイプ作り」をすると「CSR」に積極的という話になるのか。単に、企業として活動していく上でのネットワーク作りのようにも思える。

冠スポンサーになれば知名度が上がり、プロアマ戦では取引先の接待もできる。そうした効果を大会に掛ける費用と比べた上で、効果の方が上回ると判断しただけではないのか。

例えば「毎回1億円以上の赤字となるが、民間にできる沖縄振興策として続けてきた」という事情があるならば、CSRと絡めるのも分かる。だが、記事の中にその種の話は出てこない。

こんな記事を書いて、痛くもない腹を探られるのは、竹田編集委員にとっても好ましいとは思えないが…。

※今回取り上げた記事「経営の視点~成果見せてこそCSR 国にはできない役割を
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170220&ng=DGKKZO13104130Z10C17A2TJC000

※記事の評価はD(問題あり)。竹田忍編集委員への評価もDを維持する。竹田編集委員に関しては以下の投稿も参照してほしい。

デジタル腕時計はニッチ? 日経 竹田忍編集委員に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/07/blog-post_7.html

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