青の洞門(大分県中津市) ※写真と本文は無関係です |
記事の前半部分を見てみよう。
【日経の記事】
三井物産はインドネシアでインターネット通販に参入する。大手財閥リッポー・グループで通販サイト「マタハリモール」を運営する企業に出資する。現地のネット通販市場は急拡大する見通し。人材を派遣して内部統制の強化や商品調達を支援する。日本企業の商品の浸透にもつなげる。全国に百貨店やスーパーを展開し、ブランド力を持つ財閥と組み、中間層の消費者を開拓する。
11月に数十億円を投じ、サイトを運営するグローバル・イーコマース・インドネシア(GEI)の株式の約1割を取得する。マタハリモールは15年9月にサービスを始めた。後発だが国内150店を展開するグループの百貨店「マタハリ」ブランドを掲げ、認知度を生かして消費者向けネット通販で上位に入る。
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三井物産はインドネシアの大手財閥系のネット通販会社に約1割の出資をするだけのようだ。これで「三井物産はインドネシアでインターネット通販に参入する」と言われても困る。三井物産から社長を送り込んで、事業内容も同社主導で大幅に見直すというならば、1割出資で「参入」を使っても許容範囲かもしれない。しかし、記事には「人材を派遣して内部統制の強化や商品調達を支援する」としか書いていない。これだと市場への「参入」というより「大手財閥リッポー・グループ」との提携だ。
ただ、この記事では日経整理部の良心が感じられる。記事の書き出しが「三井物産はインドネシアでインターネット通販に参入する」となっていれば、普通は見出しにも「参入」を使う。だが「三井物産、インドネシアで通販 中間層に的 現地企業に出資」と「参入」を避けた上で「現地企業に出資」と入れている。「この内容で『参入』は無理がある」と整理担当者が判断したのではないか。
ついでに言うと「認知度を生かして消費者向けネット通販で上位に入る」という漠然とした書き方は感心しない。具体的な順位が無理ならば、せめて「10位以内に入る」ぐらいの情報は入れたい。「『上位』だとは分かってるが、それが10位以内なのか50位以内なのか分からない」といった状況ならば、「上位に入る」と記事に盛り込むのは見送るべきだ。
※記事の評価はD(問題あり)。
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