ネロとパトラッシュの像(ベルギーのホーボーケン) ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
世界最大の小売業、米ウォルマート・ストアーズ傘下の西友の最高経営責任者(CEO)に就任した上垣内猛氏=写真=が27日、都内で記者会見を開いた。6カ月間、販売価格を据え置く商品数を従来の倍の約400品目にすると表明。ウォルマート流の低価格戦略が効果を発揮しているとして「今後もEDLP(毎日安売り)を軸とする方針に変更はない」と強調した。
5月29日に、雪印メグミルクの牛乳(1リットル入り、税別198円)や、アイスの「ハーゲンダッツ ミニカップ バニラ」(110ミリリットル入り、同188円)など、新たに207品目を価格据え置きの対象とする。昨年秋以降、大手食品メーカーによる値上げ方針の表明が相次いでおり、小売り側の価格据え置き戦略は集客効果が大きいとみている。3月から対象とした200品目はその後の売り上げが2割増と好調だ。上垣内CEOは「増税などで消費者の生活防衛意識は高まっている。当社の戦略に追い風」と話した。
「価格据え置き」という本来ならインパクトのない商品政策を宣伝の材料にしている西友は、上手いと言えば上手い。ただ、この内容をそのまま記事にして、宣伝の手伝いをするだけでは、メディアとしてあまりに力不足だ。
「価格据え置き」の場合でも、メーカーからの仕入れ価格が上がったのに、小売段階で転嫁しないのならば評価できる。しかし、西友が選んだ400品目がそうした商品なのか、記事中には説明がない。また、「倍増」をすごいことのように書いているが、全体のアイテム数に占める比率は不明だ。これは触れてほしかった。コンビニでも3000程度のアイテムを揃えているようなので、スーパーであれば、400品目とは全体の10分の1以下だろう。
現状のようなインフレ率1%以下の状況では、全体として見れば価格据え置きはそれほど負担の大きな商品政策ではない。据え置き率が50%を超えていても驚く必要はないだろう。今回のような400品目ぐらいでよいのならば、メーカーが値上げした商品は対象から外し、それ以外の商品の一部の価格を据え置けばいい。
実際に西友がそういうセコい手を使っているかどうかは分からない。。そこをチェックする役割をメディアが担うべきだ。「今後もEDLP(毎日安売り)を軸とする方針に変更はない」「増税などで消費者の生活防衛意識は高まっている。当社の戦略に追い風」などと西友の言い分を垂れ流すだけならば、メディアの存在意義はない。
※記事の評価はD。
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