2019年10月28日月曜日

「羽田-伊丹便の人気が根強い理由」が苦しい東洋経済の橋村季真記者

週刊東洋経済11月2日号の特集「新幹線VS.エアライン」の中の「好立地なだけでなく豪華ラウンジも魅力に~羽田─伊丹便の人気が根強い理由」という記事は説得力に欠ける。「羽田─伊丹便の人気が根強い理由」について橋村季真記者は以下のように分析している。
成田空港のジェットスター機 ※写真と本文は無関係です


【東洋経済の記事】

阪急沿線に住んでいる人や、大きな荷物がある人は飛行機を選びますね」。伊丹での勤務経験がある航空関係者は、羽田─伊丹便の根強い人気の理由をこう説明する。

伊丹空港には大阪モノレールが乗り入れ、1駅隣の蛍池駅で阪急宝塚線と乗り換えができる。阪急は梅田や神戸・宝塚方面、モノレールは「転勤族」が多い北摂エリアへそれぞれつながる。出発地や目的地がこれら沿線の場合は飛行機の利用が便利だというのだ。

空港リムジンバスの路線が充実しているのも利点の1つ。JR大阪駅や難波、神戸の三宮など京阪神エリアの各地を発着する。関空や和歌山方面への玄関口であるJR天王寺駅からも、阪神高速経由で伊丹まで約30分。梅田からの所要時間と大差はない。

◇   ◇   ◇

気になった点を列挙してみる。

◎「羽田」の事情は関係ない?

伊丹」側の事情しか考慮していないのが、まず気になる。「羽田」側の事情は関係ないのか。ないならば、その理由に触れてほしかった。


◎「阪急」へのアクセスなら…

阪急」へのアクセスなら新幹線も負けていないと言うか、むしろ上回っていると感じる。新大阪から1駅で「JR大阪駅」(阪急の路線の中核である阪急梅田駅への乗換駅)だ。「1駅隣の蛍池駅で阪急宝塚線と乗り換えができる」という「伊丹空港」よりも新大阪の方が「阪急沿線」全体へのアクセスは良いと思える。

新大阪は地下鉄で1駅行けば南方駅でも阪急京都線に「乗り換えができる」。地下鉄を北に行くと、そのまま北大阪急行線に入り「北摂エリア」へとつながる。

阪急沿線に住んでいる人」全体で見て、新大阪駅より「伊丹空港」の方がアクセスが良いとは言い難い気がする。また「神戸・宝塚方面」のうち「神戸」に近い地域では、新神戸から新幹線に乗る方が「羽田─伊丹便」よりも東京方面へ向かう方法として一般的だろう。


◎やはり新幹線が有利では?

空港リムジンバスの路線が充実している」から新幹線よりも「羽田─伊丹便」を使うという利用者も限定的だと思える。「JR大阪駅や難波」からならば、鉄道で新大阪駅に向かう方が早い。「神戸」ならば前述のように新神戸から新幹線となりそうだ。

JR天王寺駅からも、阪神高速経由で伊丹まで約30分。梅田からの所要時間と大差はない」と橋村記者は言うが、問題は新大阪までの「所要時間」との比較だ。天王寺・新大阪間は電車で約20分。最終目的地が東京都心の場合、新幹線の方が目的地に早く着けそうだ。

※今回取り上げた記事「好立地なだけでなく豪華ラウンジも魅力に 羽田─伊丹便の人気が根強い理由
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/21948


※記事の評価はD(問題あり)。橋村季真記者への評価はDで確定とする。橋村記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「快適性向上への努力」調査方法に難あり 東洋経済「最強の通勤電車」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/02/blog-post_12.html

0 件のコメント:

コメントを投稿