2022年1月12日水曜日

日経も「5類」支持へ? 「感染症法、なお『結核並み2類』」という記事に感じた希望

2020年の段階から「新型コロナウイルス対策はやりすぎ。従来のインフルエンザと同等の扱いでいい」と訴えてきたが、日本経済新聞もようやくその考えに近づいてきたようだ。12日の朝刊総合1面に載った「感染症法、なお『結核並み2類』~沖縄では保健所パンク」という記事は希望が持てる内容だった。一部を見てみよう。

夕暮れ時の筑後川

【日経の記事】

感染症法は疾病を感染力や致死率などで分類して必要な措置を定めている。オミクロン型は重症化率が従来のデルタ型に比べて低く、いまの厳しい措置がリスクに見合っていない可能性もある。

新型コロナは「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられ、結核などと同じ「2類相当」とされる。この分類を見直し、季節性インフルエンザと同じ「5類」に見直すべきだとの声もある。

仮に5類に扱いを引き下げれば、保健所が感染者を一人ひとり把握したり、入院措置や外出自粛を求めたりすることもなくなる。海外での流行を受けて、入国時の隔離や停留を求める水際措置を講じることもなくなる。

保健所の逼迫が軽減するなどのメリットがある半面、感染の広がりが追えなくなったり、医療費の自己負担が発生するなどデメリットも生じる

オミクロン型は重症化率が低いとはいえ、これから重症者が増えるリスクは残る。毒性の強い別の変異型があらわれる可能性もある。政府は現状の分類を維持しつつ乗り切る構えだが、保健所業務の抜本的な見直しなどは先送りになっている。

日本は政策判断の根拠があいまいという課題を引きずる。国内外の情報を集約し、経済社会活動と感染対策の両立が可能な道筋をデータに基づいて模索する必要がある。


◎明確に「5類」を求めてはいないが…

結核などと同じ『2類相当』」はやりすぎで「『5類』に見直すべきだ」と日経が明確に打ち出している訳ではない。ただ「その方向に動くべきではないか」との問題意識は覗える。

新型コロナウイルスは当初から重症化リスクが低い。「オミクロン型」では、それがさらに低くなっているようなので、もはや「ただの風邪」と見るべきだ。日経は「5類」にする「デメリット」として「感染の広がりが追えなく」なることを挙げるが、ただの風邪の「感染の広がり」を細かく追う必要はない。

医療費の自己負担」を「デメリット」と見るのもどうかと思う。「医療費の自己負担」はあるのが当たり前で、普通の状態に戻るだけだ。日経は財政再建を支持しているのだから、この立場から言えば財政負担が減るという意味で「メリット」とも言える。

5類」への見直しを日経が紙面で求めてくれれば微力ながら応援するつもりだ。今後の記事に期待したい。


※今回取り上げた記事「感染症法、なお『結核並み2類』~沖縄では保健所パンク

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220112&ng=DGKKZO79127820S2A110C2EA1000


※記事の評価はC(平均的)

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