2021年2月13日土曜日

先進国での人口増加は米国のみ? 東洋経済オンラインで見せた岩崎博充氏の誤解

日本だけじゃない『人口減少』が映す心配な未来~確実に予測できる事態への備えはできているか」という東洋経済オンラインの記事は読むに値しない。「人口減少」にはプラスとマイナスの両面がある。「心配な未来」かどうかを判断するためには、その両面を見なければならない。しかし筆者の岩崎博充氏はマイナス面にしか光を当てていない。

岡城跡

さらには事実誤認と思える記述もあった。これに関しては以下の内容で問い合わせを送っている。

【東洋経済オンラインへの問い合わせ】

経済ジャーナリスト 岩崎博充様  東洋経済オンライン 担当者様

2月11日付の「日本だけじゃない『人口減少』が映す心配な未来~確実に予測できる事態への備えはできているか」という記事についてお尋ねします。この中に「アメリカは世界の先進国では唯一、人口が増加している国だが、近年その傾向に変化がみられる」との記述があります。オーストラリアやカナダなど米国以外の先進国でも「人口が増加している国」 は珍しくないのではありませんか。移民の影響はきちんと考慮していますか。

ちなみに、昨年11月2日付で日本経済新聞は「豪の人口増加率100年ぶり低水準へ~20年度は0・2%」と報じています。オーストラリアを「先進国ではない」と見なすのも無理があります。「アメリカは世界の先進国では唯一、人口が増加している国」との説明は、やはり誤りと考えてよいのでしょうか。

せっかくの機会なので、もう1つ指摘しておきます。記事の中に「景気が低迷すれば、食料や原油価格は下落する。人口減少→景気低迷→デフレ→食料不足、エネルギー不足の『負の連鎖』がたびたび起こる社会になる」との説明があります。これは解せません。

まず「景気低迷→デフレ」であれば基本的には需要不足のはずです。なのに「食料不足、エネルギー不足」となってしまいます。仮に「食料不足、エネルギー不足」が起きるとすれば、それは価格上昇要因です。なので「デフレ」に歯止めがかかってしまいます。それどころか大幅なインフレになってもおかしくありません。説明の辻褄が合っていないと思いませんか。

問い合わせは以上です。回答をお願いします。記事の説明に問題があれば当該箇所を修正してください。問題なしとの判断であれば、その理由も併せて教えてください。

東洋経済新報社では読者からの間違い指摘を無視して記事中のミスを放置する対応が常態化しています。責任ある行動を期待します。


◇   ◇   ◇


※今回取り上げた記事「日本だけじゃない『人口減少』が映す心配な未来~確実に予測できる事態への備えはできているか

https://toyokeizai.net/articles/-/409930


※記事の評価はE(大いに問題あり)

0 件のコメント:

コメントを投稿