別府海浜砂湯(大分県別府市) ※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
【ベルリン=石川潤、ロンドン=篠崎健太】欧州のフィンテックを代表する独決済サービス、ワイヤーカードの株価が急落し、ドイツ連邦金融監督庁が18日、空売り規制に踏み切った。2月に入ってから海外の投機筋を中心にワイヤーカードに対する売り持ち高が膨れあがり、金融市場全体を不安定にしかねない状態になっていたという。
ワイヤーカードはモバイル端末を通じたオンライン決済などのサービスを世界の3万超の企業に提供している。時価総額が一時は240億ユーロ(約3兆円)強まで膨らみ、独銀最大手のドイツ銀行を上回っていた。
そんなワイヤーカードの株価が下がり始めたのは、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が1月、会計不正疑惑を報じたのがきっかけだ。記事は内部告発者がもたらした社内資料をもとに、偽造契約書で不正な取引が行われていた形跡があるなどと伝えた。
アジア太平洋地域の会計を統括するシンガポール法人の幹部が不正を主導したとされる。ワイヤーカード側は不正行為を強く否定している。
問題を複雑にしそうなのが、独南部ミュンヘンの検察当局が市場操作の可能性がないか、捜査を始めたことだ。検察当局によると「投資家の告発をもとに、FT記者の捜査手続きに入った」という。FTは「根拠がなく偽り」と反発している。
◎ブルームバーグと比べると…
「ドイツ連邦金融監督庁が18日、空売り規制に踏み切った」とは書いているが、「規制」の中身は教えてくれない。関連情報をあれこれ書く前に、どこまで「空売り」を「規制」したのか説明すべきだ。
ブルームバーグの記事によると「ワイヤーカード株のネットショート・ポジション(売り持ち)の新規構築と既存の同ポジションの上積みは即時禁止となった。4月18日まで適用される」らしい。この情報は日経の記者も当然に知っているはずだ。なのに、なぜ抜いて記事を書いたのか。
「独決済ワイヤーカードに空売り規制」という見出しの記事で「規制」の中身に触れないのは、普通の記者ならば強い抵抗があるはずだ。石川潤記者も篠崎健太記者も国際アジア部のデスクも、気にならなかったのか。
ついでに言うと「フィンテック」企業の「株価が急落」した程度で「金融市場全体を不安定にしかねない状態」になるのが、よく分からない。仮に「ワイヤーカード」が破綻すると金融システム不安が広がる可能性が高いのだとしたら、「空売り規制」で株価を下支えしてもあまり意味がなさそうに思える。
色々な意味で疑問ばかりが残る記事だった。
※今回取り上げた記事「独決済ワイヤーカードに空売り規制 会計不正疑惑で株価急落」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190220&ng=DGKKZO41458200Z10C19A2FF1000
※記事の評価はD(問題あり)。石川潤記者への評価はCからDへ引き下げる。篠崎健太記者への評価はDで確定とする。両記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。
日銀担当 石川潤記者への信頼が揺らぐ日経「真相深層」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2016/09/blog-post_29.html
肝心の情報がない日経 篠崎健太記者「仏メディア、3社関係改善を期待」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/01/3.html
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