鳥越製粉(福岡県うきは市)※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
ホームセンター各社がペット販売を注力している。大和ハウス工業グループのロイヤルホームセンターは珍しい動物などを取り扱う店舗を今後3倍に増やすほか、コーナン商事もペット対応店舗を初出店。インターネット通販では生き物であるペット分野は手を出しにくいため、差別化が図りやすい。来店頻度向上による顧客の囲い込みにつなげる。
ロイヤルホームセンターは、店内のペット売り場を広げた強化型店を2020年度までに現在の3倍の18店舗まで増やす。ペット売り場は「アニマルシティ」と名付け、300万円する珍しいオウムなどを販売するほか、毛を整えるトリミングのスペースやペットが宿泊するペットホテル、運動スペースのドッグランなども設ける。希望すればフクロウなど動物にも触れ合うことが可能だ。
現在実験的に営業している店舗は客数が15%増えているほか、ペット関連商品のついで買いなどが増えて客単価も200円上がるなど好調だ。
◎まとめる気ある?
「ホームセンター各社がペット販売を注力している」と書いているので、「いくつかのホームセンターに関してペット販売の話が出てくるのだろう」と読者は思ってしまう。しかし、記事には2社しか登場しない。しかも「コーナン商事」に関しては「ペット対応店舗を初出店」と最初の段落で触れただけだ。実質的には「ロイヤルホームセンター」の1社ものだ。これは辛い。
福岡県立久留米聴覚特別支援学校(久留米市) ※写真と本文は無関係です |
「最初はもっと色々書いていたが、スペースの関係で後ろの方が載らなかった」と言うのならば、書き出しなどを1社ものの書き方に修正すべきだ。こんな記事を平気で最終版まで載せていては、新聞社として記事作りの基礎的な能力を疑われても仕方がない。
ついでに細かい点もいくつか指摘したい。
「ホームセンター各社がペット販売を注力している」のくだりは、「ペット販売に注力」の方が自然だと思える。「注力」を「力を注ぐ」と言い換えると分かってもらえるのではないか。「注ぐ」のは「ペット販売」ではなく「力」のはずだ。「ペット販売」は力を注がれる側だ。
「毛を整えるトリミングのスペースやペットが宿泊するペットホテル」に関しては「毛を整えるトリミングのスペースや、ペットが宿泊するペットホテル」と読点を入れた方がいい。
また、簡潔に記事を書く上で「ことが可能」は基本的に使わなくていい。「動物にも触れ合うことが可能だ」は「動物にも触れ合える」で事足りる。
※今回取り上げた記事「ホームセンター、ペット売り場強化 大和ハウス系、店舗3倍に」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171218&ng=DGKKZO24752900Y7A211C1EAF000
※記事の評価はD(問題あり)。
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