2019年12月21日土曜日

40歳未満で「マンモグラフィ」体験した作家・島本理生氏にメッセージ

20日の日本経済新聞夕刊くらしナビ面に載った「プロムナード~今年の人間ドック」という記事を取り上げたい。と言っても、今回は記事の批評はしない。筆者で作家の島本理生氏に「不必要な検査はもう受けないで!」とメッセージを送りたい。
巨瀬川(福岡県久留米市)
     ※写真と本文は無関係です

引っかかったのは以下のくだりだ。

【日経の記事】

そんなこともあって、三十代前半から自主的に人間ドックを受けている。

今年もかかりつけの病院に電話したら、なんと三カ月待ちで驚いた。あわてて予約を取り、前日には飲み会を入れないようにして、当日は空腹でぼうっとしたまま病院へ。

今回、初めて乳癌(がん)検査のためにマンモグラフィを体験した

痛いとは聞いていたが、根が我慢強い性格なのでさほど心配していなかったら、想像よりも痛くて、顔がくーっとなった。台の上に胸だけ置いてぎゅうぎゅうと機械で挟むという、よく考えると原始的な方法にも困惑しつつ、今度は一番苦手なバリウム検査へと向かった。

ところが毎回吐きそうになるうちに体がもう諦めたのか、ゆるい不快と共にわりにあっさり終了していた。

良くも悪くも三十代前半の頃に比べると持久力がなくなったことを実感しつつ全検査を済ませた私は、結果が出たものについては異常なし、という説明を受けてほっとした。


◎なぜ「マンモグラフィを体験」?

島本理生氏は36歳らしい。だとしたら「乳癌(がん)検査のためにマンモグラフィを体験」する必要はないはずだ。

ここでは「乳がん検診、30代には勧められない その代わりに…」という日経電子版の記事の一部を紹介しておこう。

【日経の記事(2016年7月7日付)】

2016年6月、東京・お台場で開催されていた日本乳癌学会学術集会の会場で、複数の乳腺外科医に若い世代が乳がんから身を守るには何をすべきなのか、検診を受けるべきなのかを質問してみた。医師たちの声は、ほぼ同じだった。

「30代やそれより若い世代は原則、マンモグラフィーなどの画像検診を受けることは勧めない。ただし、月に一度、自分で乳房を見て、触って異常がないかをチェックする自己検診は習慣づけておいたほうがいい」

検診は受けたほうがいいに決まっていると思いがちだが、専門家は、「20代や30代の乳がん検診はお勧めしない」という。なぜか。それは、この世代の乳がんはまれなため、がんが見つかることより、検診のデメリットのほうが明らかに大きいからだという。

◇   ◇   ◇

40歳未満での「マンモグラフィ」検診が有効だという根拠はないとされている。医療機関のサイトなどでも確認できるので、島本氏にぜひ見てほしい。

島本氏は2年に1回の頻度で「人間ドックを受けている」という。2年後はまだ38歳だ。「デメリットのほうが明らかに大きい」検査を受けずに済むように願わずにはいられない。

初めて経験した「マンモグラフィ」は「想像よりも痛くて、顔がくーっとなった」そうだ。カネと時間をかけて、痛い思いまでして「デメリットのほうが明らかに大きい」検査を受けたことになる。

問題なのは「かかりつけの病院」だ。40歳未満での「マンモグラフィ」検診が有効でないと医師が知らないとは考えにくい。島本氏が「どうしても」と頼んだのならば別だが、そうではないのならば「かかりつけの病院」の変更も検討してほしい。


※今回取り上げた記事

プロムナード~今年の人間ドック
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20191220&ng=DGKKZO53347090T11C19A2KNTP00

乳がん検診、30代には勧められない その代わりに…
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO04412690U6A700C1000000/


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