2015年11月4日水曜日

「Why」に触れない日経ベタ記事「デリバティブ売買高31%減」

読者をなめているとしか思えないベタ記事が3日の日本経済新聞朝刊マーケット総合2面に出ていた。問題の「デリバティブ売買高31%減 10月、大阪取引所」という記事は以下のような内容だ。

ビューホテル平成(福岡県朝倉市)から見た筑後平野
                ※写真と本文は無関係です
【日経の記事(全文)】

大阪取引所が2日発表した10月のデリバティブ(金融派生商品)売買高は前年同月比31%減の2612万枚だった。中国経済の減速懸念で膨らんだ株安リスク回避目的の売買が一段落し、9月に比べると29%減少した。主力のミニ日経平均先物は前年同月比29%減の1879万枚だった

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10月の売買高は「前年同月比31%減」とかなり大きく落ち込んでいる。見出しにも「31%減」を使っている。しかし、前年同月比に関しては「Why」に全く触れていない。「中国経済の減速懸念で膨らんだ株安リスク回避目的の売買が一段落し、9月に比べると29%減少した」と前月比で減った理由を書いているだけだ。これは怠慢が過ぎる。さらに「主力のミニ日経平均先物は前年同月比29%減の1879万枚だった」と前年同月との比較を持ってくるが、ここにも「Why」はない。

前年同月比の減少の背景を説明できないなら、前月比の数字だけを見せればいい。前年同月との比較を前に押し出すならば、ベタ記事とはいえ、減少の理由を述べるしかない。こんな記事を紙面化してしまうのは、記者もデスクも基礎的な技術が身に付いていないからだ。そこに早く気付いてほしい。

※記事の評価はE(大いに問題あり)。

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