2015年9月7日月曜日

日経に何が? 「問い合わせ 無視せず回答」の衝撃 

日経に問い合わせをしたら回答が届いた。「驚き」と言うか「衝撃」と言うか…。無視が当たり前で、回答にならない回答を何度か返してきただけだった日経が「質問に対する回答」と呼べる内容のものを送ってきたのだ。単なる気まぐれか。それとも、日経が良い方向へ動く兆しなのか。

問い合わせと回答は以下の通り。

ユトレヒト大学美術館(オランダ) ※写真と本文は無関係です

【日経への問い合わせ】

記事ではドンキホーテHDに関して「上積みを担うのが『ポストGMS(総合スーパー)』と呼ぶ新業態。2千坪程度とGMSの中型店と同程度の広めの店舗に、コンビニのように購買頻度の高い商品を詰め込んだ作りの店で、現在の4店舗から200店舗程度まで拡大できるとみる」と書いてあります。電子版のインタビューによると、この「新業態」は「New MEGA ドン・キホーテ」のようです。しかし、同社の決算資料を見ると「New MEGA」の店舗数は41となっており、記事の「現在の4店舗」と食い違います。記事の店舗数は誤りと考えてよいのでしょうか。記事の説明で正しいとすれば、その根拠も併せて教えてください。


【日経の回答】

平素は日経グループのサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。お問い合わせについて、下記のとおり回答させていただきます。

いつも日本経済新聞をご愛読いただき、ありがとうございます。さて、お問い合わせの件ですが、紙面で紹介しました「ポストGMS(総合スーパー)」と呼ぶ新業態と、同社がIR資料等に記載しています「New MEGA ドン・キホーテ」は別の業態となります。今後とも日本経済新聞をよろしくお願いします。


結論から言うと、回答の内容は誤りだと思われる。この件ではドンキホーテHDにも問い合わせをしたので、謎が解けた。同社は「非常に混乱を招く記事内容であることは否めません」と前置きした上で次のように答えてくれた。「記事中には『新業態』とありますが、これはNew MEGAドン・キホーテを指しています。そして『新業態の4店舗』というのは、New MEGAドン・キホーテの深江橋店、箕面店、新世界店、名古屋本店のことであり、この4店舗は、従来のNew MEGAドン・キホーテでは扱っていなかった生鮮(精肉、青果)・惣菜を扱っております

日経は「新業態とNew MEGAは別の業態」と回答しているが、ドンキホーテHDの回答を信じれば新業態はNew MEGAの一部だ。日経は「現在の4店舗」が具体的にどの業態を指すのか明示していないが、ドンキホーテHDは店舗名まで挙げて明確に答えている。どちらを信じるべきで、どちらがまともな回答なのかは言うまでもない。

ただ、欠陥のある内容だとしても、読者に回答しようと日経が決断した点を評価したい。東洋経済などと同レベルの読者対応をいきなり日経に期待するのは酷だ。まずは、温かく今後の推移を見守りたい。

日経には以下の問い合わせを追加でしておいた。反応があれば、また紹介する。


【日経への問い合わせ(追加分)】

「会社研究~ドンキホーテホールディングス」に関する問い合わせに対して「紙面で紹介しました『ポストGMS(総合スーパー)』と呼ぶ新業態と、同社がIR資料等に記載しています『New MEGA ドン・キホーテ』は別の業態となります」との回答を頂きました。しかし、これは誤りではありませんか。ドンキホーテHDに問い合わせたところ「記事中には『新業態』とありますが、これはNew MEGAドン・キホーテを指しています」と御社の見解とは矛盾する回答を得ました。あくまで「別の業態」と言うのであれば、どの業態を指すのか教えてください。

ただ、回答をしたこと自体は評価できます。「無視が当たり前のあの日経がまさか…」と思わせる衝撃的な出来事でした。社内で何かが変わりつつあるのでしょうか。そう期待したいものです。


※この件に関しては「可能性は感じるが…日経 川瀬智浄記者の『会社研究』」を参照してほしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿