2015年9月2日水曜日

素人くささ漂う ダイヤモンド「回転寿司 止まらぬ進化」(1)

週刊ダイヤモンド9月5日号の特集3「ビッグデータまで活用 回転寿司 止まらぬ進化」(須賀彩子記者)は素人くささが漂う記事だった。「あまり回転寿司に詳しくない記者が回転寿司業界を取材して、感じたことをまとめてみました」といった印象だ。それは以下のくだりからも読み取れる。

デュルブイ(ベルギー)の街並み ※写真と本文は無関係です

【ダイヤモンドの記事】

従前は、職人の経験と勘に頼っており、「当たり外れが大きかった」(スシロー)という。それが、ICチップを導入した2002年以降、レーンに流しながら売れない「食べ残し」を激減させることに成功した

また、ICチップで皿を管理することが可能となったことで、レーン上を350メートル回っても売れなかった皿は自動廃棄するようになった。これにより、乾いたネタを排除することができ、品質とイメージ向上につながっているという。

まるで客の食べたいものを見透かしたかのように皿が流れてくる回転寿司。その裏にはビッグデータ分析があったのだ


自社内で得られるデータだけを用いていても「ビッグデータ分析」なのかは疑問だが、そこは受け入れるとしよう。しかし、特集のタイトルにもなっている「ビッグデータまで活用」する動きが出てきたのが「2002年以降」なのは苦しい。つまり10年以上前から“ビッグデータ”は活用されてきた。ならば、わざわざ大げさに紹介する必要は乏しい。

以下のくだりに至っては、いつと現在を比べているのか不明だ。


【ダイヤモンドの記事】

スシローでは1日に3回、仕込み作業を行っている。その際、こうしたデータを詳細に分析、どの時間帯にどのネタを何グラム解凍させるかといったところにまで反映させている。ネタの鮮度が保たれ、これがおいしさにつながっている。

ネタの発注もしかりだ。勘に頼るのではなく、データに基づいて人気のあるネタを適切な量発注することでロスを大幅に低減できるようになったのである。こうして現在は、発注から仕込み、販売に至るトータルのロス率は、なんと1.5%、それまでの4分の1以下になった。「昔だったら100円で大とろを出すなんてとても無理だったが、データという強い味方を得てそれを可能にした」(スシロー)という。


ロス率は、なんと1.5%、それまでの4分の1以下になった」と須賀彩子記者は強調するが、「それまで」がどの時期を指すのか謎だ。強いて言えば、「2002年まで」だろう。しかし、10年以上前から今と同レベルの廃棄率ならば「なんと1.5%」と驚くのは“素人”丸出しだ。「昔だったら100円で大とろを出すなんてとても無理だった」というコメントに関しても「昔」がいつを指すのか不明だ。

結論部分にも素人くささを感じた。それに関しては(2)で述べる。

※(2)へ続く。

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