2016年11月7日月曜日

日経ビジネスの特集「糖質制限パニック」に漂う胡散臭さ

日経ビジネス11月7日号の特集「糖質制限パニック 企業も地方も大わらわ」はツッコミどころの多い内容だった。まずはPART1「“糖質列島”、右往左往」を見ていく。特集の担当者(水野孝彦、日野なおみ、西雄大の3記者)は「糖質制限」に対する思い入れが強すぎるのか、大げさな説明が目に付いた。
鎮西身延山 本佛寺からの眺め(福岡県うきは市)
              ※写真と本文は無関係です

【日経ビジネスの記事】

人間は糖質を多く摂取すると血糖値が上昇する。が、糖質を控え目にすればその上昇を一定範囲に収められる。なぜこれが重要かと言えば、「それにより、今や人類最大の敵の1つとなった糖尿病をはじめ、がんや心臓病、脳卒中、果ては老化まで、あらゆる生活習慣病のもとを断ち切れる可能性がある」(糖質制限に詳しい京都・高雄病院の江部康二理事長)からだ。

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上記のくだりで疑問に感じた点を挙げてみる。

(1)老化は「生活習慣病」?

記事の書き方からは「老化」も「生活習慣病」の1つと解釈できる。だが、「老化は病気? しかも生活習慣病?」との疑問は湧く。


(2)がんは一括りに「生活習慣病」?

糖尿病はともかく「がん」や「認知症」に「生活習慣病」のイメージはあまりない。言葉の定義次第では「生活習慣病」に入るかもしれない。だが、例えばウイルス感染が原因で肝臓がんになった人を「生活習慣病」の患者と考えてよいのだろうか。


(3)老化のもとを「断ち切れる」?

最も気になったのが、糖質制限について「老化」も含む「あらゆる生活習慣病のもとを断ち切れる可能性がある」と言い切っている点だ。「京都・高雄病院の江部康二理事長」のような医療の専門家にツッコミを入れるのは気が引けるが、「老化」に関して「もとを断ち切れる可能性がある」のであれば、不老不死のうち「不老」への道が見えてくる。

医学の知識が不十分なままあえて言い切ってしまうと、「糖質制限をいくら極めても人の老化は止められない」はずだ。病院の理事長を務めるような人が、本当にこんな夢のような話を語ったのだろうか。仮に語ったとして、担当記者らは何も疑問を抱かなかったのか。

ついでにPART4の「高をくくれば『いつか来た道』 問われる変化対応力」を題材に、並立助詞の使い方を指導したい。

【日経ビジネスの記事】

ローソンと言えば、今年9月、ファミリーマートとサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスの経営統合により、店舗数、国内売上高ともに業界3位に転落したばかり。

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ファミリーマートとサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス」と表記してあれば「ユニーグループ・ホールディングスがファミリーマートとサークルKサンクスを傘下に置いている」と解釈するのが普通だ。しかし、筆者は「『ファミリーマート』と『サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス』」と言いたいはずだ。改善例を2つ示す。

【改善例~その1】

ローソンと言えば、今年9月、ファミリーマートと、サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスの経営統合により、店舗数、国内売上高ともに業界3位に転落したばかり。

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ファミリーマート」の後に読点を打てば、問題はほぼ解決する。ただ、読点が続いて読みにくい感じもある。その場合は「ファミリーマート」と「サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス」を並立助詞の「」でつなぐ以外の方法を模索してみてほしい。

【改善例~その2】

ローソンと言えば、ファミリーマートがサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスと今年9月に経営統合したことで、店舗数、国内売上高ともに業界3位に転落したばかり。

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この辺りは日経グループの苦手分野でもある。社内できちんと指導をしてくれる可能性は低いので、各自で技術を身に付けるしかない。


※今回の特集の評価はD(問題あり)。日野なおみ記者への評価はDを維持する。暫定でDとしていた西雄大記者はDで確定させる。水野孝彦記者は暫定でDと格付けする。

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