2016年6月9日木曜日

ミス黙殺に走った東洋経済の高橋由里編集長へ贈る言葉

東洋経済オンラインの「『復活すき家』、業績急改善が止まらないワケ」(5月20日)と週刊東洋経済5月28日号の特集「セブン再出発」に関して、問い合わせを送ってから約3週間が経過した。これらの問い合わせについて改めて回答を求めてからも10日が経っている。記事に誤りがあったにもかかわらず東洋経済新報社としては指摘を無視する方針だと推定するしかない。この前提に基づき、東洋経済の高橋由里編集長に言葉を贈りたい。

佐田川に咲く菜の花(福岡県朝倉市) ※写真と本文は無関係です

◆高橋由里編集長へ贈る言葉◆

東洋経済の記事に関する2件の問い合わせを送ってから、約3週間が経過しました。改めて回答を求めてからも10日が過ぎていますし、「黙殺」と判断したようですね。東洋経済オンラインの記事に関しては、高橋様がどの程度の責任を持っているのかよく分からないので、ここでは5月28日号の特集「セブン再出発」に関する問題を取り上げます。

この特集では、セブン&アイホールディングス傘下のイトーヨーカ堂で不採算店舗の閉鎖が進まない理由として「これまでは鈴木会長がリストラを抑えてきたという見方もある。鈴木会長はヨーカ堂幹部に対し、『HDが増益できる範囲でないと特損を出してはいけない』と指示してきたようだ。店舗を一気に閉鎖すれば、数百億円の巨額特損が発生する」と書いていました。

しかし、セブン&アイの純利益は2016年2月期まで2期連続で減っています。御誌の説明が正しいのであれば、あり得ない話です。特集では以下のような記述もあります。「鈴木会長は退任会見で『この数年、連続最高益でやってきた』と実績を誇ったが、それを維持するためにリストラへの踏み込みが不十分だった懸念がある」。

鈴木氏が言う「連続最高益」とは、純利益ではなく営業利益に関してです。特集を担当した西村豪太編集長代理らは、この点を理解していなかったのでしょう。厳しく言えば、記事の説明は根底から間違っており、経済誌としてはかなり恥ずかしいミスです。だからと言って、指摘を無視してよいのでしょうか。2015年11月14日号の特集「緊迫 南シナ海!」に関してミスを握りつぶした西村編集長代理に、私は以下のような言葉を贈りました。

「西村様は今回の件で雑誌の編集者として越えてはならない一線を越えてしまいました。本当はそこから引き戻してあげたいのですが、そんな力は私にもありません。そこで最後にお願いです。一線を越えたその場所には1人でそっと居続けてください。それこそが、西村様にできる週刊東洋経済への最大の貢献となるはずです」

西村編集長代理はやはり「1人」ではありませんでした。ミス黙殺を認めてくれる力強い味方がいたのです。それが高橋様です。編集長も編集長代理も間違い指摘の無視を躊躇しないのであれば、今後も自分たちの誤りを迷うことなく闇へ葬り去っていくはずです。それは目先の痛みから逃れる手段としては極めて有効です。そして同時に、メディアとしての自殺行為です。

記事の作り手として足を踏み入れてはならない向こう側の世界へ堕ちてしまった人を私はこれまで数多く見てきました。残念ながら、きちんと反省を示してこちら側へ戻ってきた例は皆無です。高橋様も例外ではないでしょう。しかし、「次の世代には、誤りがあればきちんと認めて正せるメディアを作り上げてほしい」とは思いませんか。東洋経済の編集部にも「こちら側」に踏みとどまっている記者がいるはずです。今は彼ら彼女らに期待するしかありません。だから、高橋様の汚れた手で彼ら彼女らを向こう側に引きずり込むことだけはやめてください。

高橋様には「東洋経済で記事中のミスを握りつぶした最後の編集長」になってほしいのです。それが一読者としての私のささやかで切実な願いです。


※高橋由里編集長への評価はF(根本的な欠陥あり)とする。日本の経済メディアの最上位に格付けしている東洋経済への評価も引き下げの方向で検討する。東洋経済が無視した間違い指摘に関しては「特損回避で最高益? 東洋経済『セブン再出発』に残る疑問」も参照してほしい。

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