2015年4月29日水曜日

土曜が前年より2日減?日経「外食売上高、3月4.6%減」

「今年の3月は土曜日が前年より2日少なかった」と言われたら、「そんなバカな」とは思わないのだろうか。28日の日経朝刊消費Biz面の記事には堂々と「土曜が2日少なかった」と書いてある。同日午前10時20分頃に日経へメールで問い合わせた内容は以下の通り。

ナミュール(ベルギー)の中心部 ※写真と本文は無関係です

【日経に問い合わせた内容】

28日付「外食売上高、3月4.6%減」についてお尋ねします。記事では「前年同月に比べ土曜日が2日少なかった」と書いておられます。今年3月は土曜が4回なので、昨年3月は6回でないと辻褄が合いません。しかし、これだと1カ月の日数が31日を超えます。今年は春分の日が土曜日でしたが、だからと言って土曜日が1つ消えるわけではありません。記事の説明は誤りなのか、正しいとすれば根拠は何かを教えてください。

上記の問い合わせに関して、珍しく日経から回答が届いた。

【日経の回答】

いつも日本経済新聞をご愛読いただきありがとうございます。このたびは、記事の内容に関し、貴重なご意見をお寄せいただき、ありがとうございました。今後の紙面づくりの参考にさせていただきたいと存じます。今後とも日本経済新聞をよろしくお願いします。

無視よりはマシだが、質問には全く答えていない。もちろん反省もない。


今回の記事は日本フードサービス協会の発表に基づくものだ。同協会のホームページで発表内容を見ると、確かに「土曜日と祝日が重なり土曜日が前年より2日少なかった」と書いてある。これはこれでいい。業界では祝日が土曜だった場合、「土曜がなくなる」と見なすのだろう。しかし、記事で「前年同月に比べ土曜日が2日少なかった」と記述してはダメだ。


さらに気になるのが、協会のニュースリリースの表現を安易に拝借している点だ。両者を比べてみよう。


【日経の記事】

前年同月に比べ土曜日が2日少なかったことなどから、多くの業種で客数が前年を下回った。ファミリーレストランは高単価商品の投入で客単価が上昇し、好調な売り上げとなった。

【ニュースリリース】

土曜日と祝日が重なり土曜日が前年より2日少なかったことから、多くの業種で客数が前年を下回った。FRは客数が前年を下回ったが、客単価の上昇から好調な売上となった。


記者としてもプライドのかけらも感じられない節操のなさだ。記事はニュースリリースの単なる要約とも言える内容。単なる要約で済ますにしても、表現ぐらいは変えたくなるものだが、そんな配慮もなく大胆に“コピー”している。


ついでに言うと、記事では冒頭で「ファミリーレストランは高単価商品の投入で客単価が上昇し、好調な売り上げとなった」と書き、最後にも「ファミリーレストラン全体の客単価は前年同月を上回った」と繰り返している。短い記事でこの繰り返しは感心しない。ファミリーレストランの客単価について最終段落で再び触れるなら、客単価がどの程度上がったのかといった、より詳細な情報を提供すべきだ。


しかし、ニュースリリースの要約に留まる内容で記事をまとめ上げ、表現までそっくり頂いてしまう記者に期待しても無駄だろう。


※記事の評価はE。

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