2015年12月9日水曜日

「逃げ切り」選んだ日経ビジネス 飯田展久編集長へ贈る言葉

日経ビジネスへの間違い指摘に関して「編集部としての判断で、回答は控えさせていただきます」との興味深い“回答”を得た。「編集部としての判断」ならば編集長にメッセージを送っておくべきだと考え、以下の内容を問い合わせフォームから送信しておいた。「(消費者の不満や批判に関して)『逃げ切り』は通用しなくなっており、むしろ大きな代償を支払うことになる」と書いたばかりの雑誌の編集長が、読者の間違い指摘からの「逃げ切り」を図る決断をしたのだとすれば、あまりに皮肉な話だ。
ビューホテル平成(福岡県朝倉市)からの眺め 
                ※写真と本文は無関係です

◆飯田展久編集長へ贈る言葉◆

11月27日に日経ビジネスの記事中の誤りを指摘し、返事がないので12月6日に再度問い合わせを送ったところ、8日に日経BP社から返信がありました。そこには「お問い合わせいただきました件につきましては日経ビジネス編集部としての判断で、回答は控えさせていただきます」と綴られていました。これは飯田様の判断でもあるとの前提で、私見を述べさせていただきます。

私が問題にしたのは、日経ビジネス11月30日号のハイデイ日高に関する記事です。同社について「毎年40店の出店を続ける」「年間30~40店舗をコンスタントに出店している」と筆者の河野紀子記者は書いていました。しかし、実際の出店数は2013年2月期が23店、14年2月期が35店、15年2月期が25店と、直近3期のうち2期で30店未満でした。「毎年40店を出店」でも「年間30~40店舗をコンスタントに出店」でもなかったのです。

記事の説明が正しいのならば、回答ではその根拠を述べれば済みます。編集部として回答を控えるのは、「反論はできないが間違いを認めるのも嫌だ」と考えているからでしょう。こうした対応に問題はないのでしょうか。それを教えてくれる記事が、実は日経ビジネス12月7日号に出ています。「今どきの流儀2 ~『逃げ切り』狙わず即対応」という記事の中で「消費者の不満や批判を放置し、時間の経過とともに沈静化するのを待つ。SNSの影響力が強まる中で、そんな『逃げ切り』は通用しなくなっており、むしろ大きな代償を支払うことになる」と自ら訴えているのです。

ハイデイ日高の記事で誤りがあったのに、飯田様は謝罪も訂正もせず「逃げ切り」を図っています。非常に高い確率で、実際に逃げ切れるでしょう。しかし、本当にそれでよいのでしょうか。その答えも先ほどの記事の中にあります。「適切に対応しなくても不祥事に対する批判が運よく収まることもあるだろう。だが、その時に原因を解決しなければ、問題は後に『倍返し』となって再発することを、肝に銘じる必要がある」。

自分たちの紡ぎ出した言葉に忠実であろうとすれば、何をなすべきかは自明なはずです。それでも飯田様は「逃げ切り」にこだわりますか。

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※飯田展久編集長に対する評価はF(根本的な欠陥あり)とする。問題の記事を書いた河野紀子記者については、不本意ながら不適切な対応を強いられている可能性もあるが、暫定でC(平均的)としていた評価をFに引き下げるしかない。河野記者については「ダイヤモンドに圧勝 日経ビジネス『企業研究 ハイデイ日高』」を参照してほしい。

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