2020年12月11日金曜日

株式市場は「臆病村」だから「有望」? 塚崎公義 久留米大学教授の誤解

久留米大学教授の塚崎公義氏に関しては、信用すべきでない書き手だと繰り返し指摘してきた。週刊東洋経済12月12日号の特集「お金と株 超入門」の中の「『65歳までに2000万円』」が目標~いたずらに怖がらない 余裕資金は株式投資へ」という記事を読んでも、その評価は変わらない。

久留米市の石橋文化センター

特に違うと思えたくだりを見ておこう。

【東洋経済の記事】

「株式投資は怖い」と思っている人は多いが、それを裏返せば「期待値がプラスの株でもリスクを嫌う人々が買わないから、簡単に手に入る」ということだ

強欲村で拾った儲け話より臆病村で拾った儲け話のほうが有望なのと同じことで、カジノより株式市場のほうが期待値が高いのだ。配当利回りだけを考えても預金よりはるかに高いので、株価が長期的に値下がりしていくのでなければ、銘柄分散と時間分散をしっかり行うことによって預金より高い利益が得られる可能性が高い。

しかも上記のように株式はインフレに強い資産なのだから、資金配分を考える際には、いたずらに怖がるのではなく、ある程度は株式も組み入れるべきだろう。


◎裏返せてる?

『株式投資は怖い』と思っている人は多いが、それを裏返せば『期待値がプラスの株でもリスクを嫌う人々が買わないから、簡単に手に入る』ということだ」と塚崎氏は言う。これは「裏返せ」ているのか。「裏返せ」ている場合、「ほぼ同じことを言っている」必要がある。

例えば「日本は山地の占める割合が高い。裏返せば平地が少ない」といった具合だ。

リスクを嫌う人々が買わないから、簡単に手に入る」ということは「低リスクのものは簡単には手に入らない」と塚崎氏は考えているのだろうか。しかし個人向け国債など安全資産の多くは「簡単に手に入る」。

さらに言えば「期待値がプラスの株でもリスクを嫌う人々が買わない」のに「カジノ」が成立するのが謎だ。「カジノ」の期待リターンはマイナスだろう。それでも資金をつぎ込む人がいる。「期待値がプラスの株」であれば「強欲」な人々が放置してくれそうもない。

塚崎氏は「株式」市場を「臆病村」と見ているようだが「強欲村」だと考える方が自然だ。「臆病村」でもバブルが発生するものなのか。だとしたら誰がファンダメンタルズを無視して強気に買ってくるのか。

強欲村で拾った儲け話より臆病村で拾った儲け話のほうが有望」だとすれば株式ではなく個人向け国債を買うべきとの結論になるはずだ。この「臆病村」には「わずかだが金利が付くし証券会社がキャンペーンをやっている時には、それなりの金額が入ってくる。元本割れの心配もないからいいよ」という「儲け話」がある。

「うまく銘柄を選べば株価10倍だって夢じゃない」という「強欲村」の「儲け話」に比べれば大儲けは望めない。しかし塚崎氏の考えでは「強欲村で拾った儲け話より臆病村で拾った儲け話のほうが有望」なはずだ。なのに「株式投資」を勧めてしまう。

株式投資」は「預金より高い利益が得られる可能性が高い」という見方に異論はない。しかしそれは「臆病村」の住民だからではない。むしろ逆だ。預金や国債といった「臆病村」ではなく危険地帯である「強欲村」にリスクを負って足を踏み入れたことに対する見返りとして高い期待リターンが与えられたと考えるべきだ。

株式投資」の期待リターンが預金金利や国債利回りと同じならば、わざわざリスクを負って「強欲村」で「儲け話」を探す意味はない。

「だったら、期待リターンがマイナスなのになぜカジノが成り立つのか」との反論は考えられる。単純に言えば「投資」以外の魅力があるからだろう(他にもいくつか理由は思い付くが…)。

投資に関して塚崎公義氏の言葉を信じるな--。結論はやはりこれに尽きる。


※今回取り上げた記事「『65歳までに2000万円』」が目標~いたずらに怖がらない 余裕資金は株式投資へ

https://premium.toyokeizai.net/articles/-/25376


※記事の評価はD(問題あり)。塚崎公義氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

久留米大学の塚崎公義教授の誤り目立つ東洋経済「50歳からのお金の教科書」https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/06/50_9.html

MMTの基礎を理解しない塚崎公義氏が書いたダイヤモンドオンラインの記事https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/11/mmt.html

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