2020年1月27日月曜日

日経女性面でのクオータ制導入論が「非論理的」な上野千鶴子氏

認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)の上野千鶴子理事長」は以前から雑な主張が目立つ。27日の日本経済新聞朝刊女性面に載った「男女平等、日本は過去最低 上野千鶴子氏に聞く~仕組みが意識を変える 『風土合わない』は非合理的/骨抜きの法律 効果はゼロ」という記事でも、その傾向は変わらない。
東公園(福岡市)※写真と本文は無関係です

『風土合わない』は非合理的」に関する発言を見ていこう。

【日経の記事】

――20年に女性管理職を30%にするという目標も達成は難しそうです。

「最初に聞いたときはなぜ50%じゃないの?と思いました。ただ、意思決定の場に女性がもっと入っていく必要があることは確かです

他の国は強制力のあるクオータ制を導入して社会を変えてきました。過渡期に一時的にでも強制力のある制度を作ることは大きな意味がありますが、日本では『クオータ制は日本の風土に合わない』と否定的です

『日本の風土に合わない』という言葉が意味するのは『合理的な説明ができない』ということです。論理的に答えられないから質問をシャットアウトするために使うのです


◎「上野千鶴子理事長」は論理的?

上記の発言だけでも色々と問題がある。

まず「意思決定の場に女性がもっと入っていく必要があることは確かです」との主張に根拠が見当たらない。

他の国は強制力のあるクオータ制を導入して社会を変えてきました」と書いているが、どこの国が「クオータ制を導入」しているのかも触れていない。上記のやり取りだと、多くの国で「女性管理職」に関して「クオータ制を導入」している印象を受ける。

個人的には「女性管理職」に関して「クオータ制を導入」している国を知らない。自分の知識不足かもしれないので、そういう国が多数あるのならば具体名を教えてほしかった。

日本では『クオータ制は日本の風土に合わない』と否定的です」とも上野氏は言うが、これも本当にそうなのか疑問だ。日本国民の多数意見であるかのように説明しているが、根拠はあるのか。例えば「クオータ制は日本の風土に合わない」との意見が8割といった調査結果があるのならば、示してほしい。

女性管理職」に関する「クオータ制」には個人的には反対だ。「合理的な説明」は簡単にできる。

まず性差別だからだ。男女は平等であるとの価値観に基づけば、男女どちらかを優遇するのは差別に当たる。「クオータ制」を導入する場合、「男女平等の原則は国として捨てる」との合意形成をすべきだ。

クオータ制」が男女双方に新たな問題を生じさせることも反対の理由として挙げたい。「クオータ制がなければ俺が昇進できていたのに…」という不満が男性側にはたまりやすい。女性にとっては「あいつはクオータ制があったから管理職になれたんだ」と低くみられやすくなる。

どうしても導入するならば、こうした点を補って余りあるほどの効果が欲しい。「女性管理職」に関して「クオータ制」を導入すると、その効果で実質経済成長率が継続的に2桁に乗るといった話ならば、多少は導入賛成に傾く。しかし大した効果がないのならば「クオータ制」はなしでいい。

なお、企業の取締役に関して「クオータ制」を導入したノルウェーに関しては「女性取締役比率の上昇は企業価値を低下させることが示唆された」との研究結果があるらしい(「原因と結果の経済学」より)。だとしたら「女性管理職」に関して「クオータ制」を導入すべきとの主張にはさらに説得力がなくなる。

結局、「クオータ制」の導入の必要性を「論理的」に説明できていないのは上野氏の方ではないか。


※今回取り上げた記事「男女平等、日本は過去最低 上野千鶴子氏に聞く~仕組みが意識を変える 『風土合わない』は非合理的/骨抜きの法律 効果はゼロ
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200127&ng=DGKKZO54800540U0A120C2TY5000


※記事の評価は見送る。上野千鶴子氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「ダイバーシティー推進で企業はもうかる」と断定する上野千鶴子氏の誤解
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/07/blog-post_22.html

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