2020年1月21日火曜日

前田道路と前田建設は「親子上場」と誤解させる日経の罪

日本経済新聞が「親子上場」の問題を好んで取り上げるのは自由だ。ただ「親子」でないものまで「親子上場」にしてしまうのは感心しない。「前田道路」と「前田建設」が「親子」ではないと記事の作り手は分かっているはずだ。なのに今回の「同意なきTOB」の問題を「親子上場」と絡めるのは罪深い。
姪浜港(福岡市)のフラワーのこ
      ※写真と本文は無関係です

日経には以下の内容で問い合わせを送った。


【日経への問い合わせ】

20日付で日経電子版に載った「前田建設、前田道路にTOB~『親子』で異例の対立」という記事についてお尋ねします。記事では「準大手ゼネコンの前田建設工業は20日、持ち株比率で24%強を保有する前田道路を連結子会社にする方針を発表した」「前田建設は前田道路の筆頭株主で、前田道路を持ち分法適用会社にしている」と記しています。

これが正しければ、現時点で「前田道路」は「前田建設」の子会社ではありません。つまり「親子」関係になっていません。しかし「『親子上場』する両社が対立する異例の展開となる」と書いていて、見出しでも「『親子』で異例の対立」と打ち出しています。「前田道路」と「前田建設」を「『親子上場』する両社」とするのは誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

21日の日本経済新聞朝刊総合2面に載った「同意なきTOB、企業の選択肢に 価値向上へ活発化~前田建設・前田道路『親子』で対立」という記事では、本文には「親子」の文字が見当たらないものの、見出しでは「『親子』で対立」と打ち出しています。

さらに「ファンド、親子上場解消に収益機会~株価上昇見逃さず」という解説記事も付けています。「前田道路」と「前田建設」が「親子」だと誤解させる紙面になっていませんか。

同意なきTOB、企業の選択肢に」という記事にはもう1つ誤りがあります。それは以下の記述です。

前田道路は1930年に設立した高野組(高野建設)が前身でもともと前田建設とは関係がなかった。グループ会社となったのは、62年に同社が会社更生法の適用を申請したことがきっかけ。前田建設が救済に動き、01年に現在の資本関係となった経緯がある

この構成だと「同社」=「前田建設」となってしまいますが、「会社更生法の適用を申請した」のは「前田道路」のはずです。「同社」の使い方が不適切なために誤った説明になっていませんか。

御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。「世界最強のビジネスメディア」であろうとする新聞社として責任ある行動を心掛けてください。


◇   ◇   ◇


※追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた記事

前田建設、前田道路にTOB~『親子』で異例の対立
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54589020Q0A120C2000000/


同意なきTOB、企業の選択肢に 価値向上へ活発化~前田建設・前田道路『親子』で対立
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200121&ng=DGKKZO54608240Q0A120C2EA2000


※記事の評価はいずれもD(問題あり)

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