2021年9月20日月曜日

日本の首相に任期あり? 菅首相は安倍政権ナンバー2? 日経 芹川洋一論説フェローに問う

「日本の首相に任期はある」「菅首相は官房長官時代に政権のナンバー2だった」と日本経済新聞の芹川洋一論説フェローは認識しているようだ。どちらも違うと思えるので、以下の内容で日経に問い合わせを送っている。

生月大橋

【日経への問い合わせ】

日本経済新聞社 論説フェロー 芹川洋一様

20日の朝刊オピニオン2面に載った「核心~菅政権はなぜ終わるのか」という記事について2点お尋ねします。まずは「政権の終わり方はむずかしいものである。戦後政治を考えても首相としての任期を全うし『円満退社』したのは佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎の3つの政権しかない」との記述に関してです。

議員内閣制の日本に「首相としての任期」はありません。制度上は10年でも20年でも「首相」を続けられます。「佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎」の各氏も「首相としての任期」が来て退任した訳ではありません。記事中の「首相としての任期」との説明は「自民党総裁としての任期」の誤りではありませんか。

次の質問は以下の記述についてです。

第2は、官房長官だから首相になって、官房長官のままだったから終わった政権という点だ。内閣の大番頭として7年8カ月にわたって政権を支え、手腕を発揮していたため、突然の退陣となった前任者の後継者として党内外でもすんなり受け入れられた。しかし残念ながら、御厨貴東大名誉教授のことばをかりれば、官房長官から首相に化けきれなかった。『菅内閣には菅首相がいなかった』。ナンバー1と2ではおのずと立ち居振る舞いも発言も違ってくる。分を越えると悲劇が待っている

官房長官」時代の「菅首相」は政権の「ナンバー2」だったと芹川様は見ているのでしょう。しかし2014年9月3日付の「首相臨時代理、1位は麻生副総理・財務相」という日経の記事では「政府は3日夜、第2次安倍改造内閣の発足に伴う初閣議で、安倍晋三首相が不在時の臨時代理の順位を決めた。1位は麻生太郎副総理・財務相。2位は菅義偉官房長官」と伝えています。

日経は2017年7月13日付の「シンゾウとの距離(2)麻生太郎 絶対的な『ナンバー2』」という記事でも「副総理という地位に加え『数』も手に入れ、政権の『絶対的なナンバー2』の立ち位置を得た」と記しています。

副総理」という肩書が形式的には「ナンバー2」を表すものです。「安倍晋三首相が不在時の臨時代理の順位」でも「麻生太郎副総理・財務相」が「菅義偉官房長官」より上に来ていて、実質的にも麻生氏が「ナンバー2」だと裏付けています。何より日経自身が「絶対的なナンバー2」と見ていたのです。そして安倍政権の最後まで「麻生太郎副総理・財務相」は地位と影響力を保っていました。

官房長官」時代の「菅首相」を政権の「ナンバー2」とする説明は誤りではありませんか。過去の日経の報道内容とも矛盾します。

以上の2点について回答をお願いします。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアの一員として責任ある行動を心掛けてください。


◇   ◇   ◇


追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた記事「核心~菅政権はなぜ終わるのか」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210920&ng=DGKKZO75865350X10C21A9TCT000

※記事の評価はE(大いに問題あり)。芹川洋一氏への評価はD(問題あり)からEへ引き下げる。芹川氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

日経 芹川洋一論説委員長 「言論の自由」を尊重?(1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_50.html

日経 芹川洋一論説委員長 「言論の自由」を尊重?(2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_98.html

日経 芹川洋一論説委員長 「言論の自由」を尊重?(3)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_51.html

日経の芹川洋一論説委員長は「裸の王様」? (1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_15.html

日経の芹川洋一論説委員長は「裸の王様」? (2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_16.html

「株価連動政権」? 日経 芹川洋一論説委員長の誤解
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_31.html

日経 芹川洋一論説委員長 「災後」記事の苦しい中身(1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/03/blog-post_12.html

日経 芹川洋一論説委員長 「災後」記事の苦しい中身(2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/03/blog-post_13.html

日経 芹川洋一論説主幹 「新聞礼讃」に見える驕り
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/04/blog-post_33.html

「若者ほど保守志向」と日経 芹川洋一論説主幹は言うが…
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/06/blog-post_39.html

ソ連参戦は「8月15日」? 日経 芹川洋一論説主幹に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/815.html

日経1面の解説記事をいつまで芹川洋一論説主幹に…
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/12/blog-post_29.html

「回転ドアで政治家の質向上」? 日経 芹川洋一論説主幹に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/08/blog-post_21.html

「改憲は急がば回れ」に根拠が乏しい日経 芹川洋一論説主幹
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2018/01/blog-post_29.html

論説フェローになっても苦しい日経 芹川洋一氏の「核心」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/04/blog-post_24.html

データ分析が苦手過ぎる日経 芹川洋一論説フェロー
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/06/blog-post_77.html

「政権の求心力維持」が最重要? 日経 芹川洋一論説フェローに問う
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/blog-post_79.html

「野党侮れず」が強引な日経 芹川洋一 論説フェローの「核心」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/06/blog-post_18.html

「スペイン風邪」の話が生きてない日経 芹川洋一論説フェロー「核心」https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/04/blog-post_27.html

日経 芹川洋一論説フェローが森喜朗氏に甘いのは過去の「貸し借り」ゆえ?https://kagehidehiko.blogspot.com/2021/02/blog-post_11.html

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