2020年8月6日木曜日

あるべき情報が見当たらない日経「NYタイムズ、電子版収入が紙超え」

記事を読んでいて、あるべき情報がない時はガッカリする。6日の日本経済新聞夕刊総合面に載った「NYタイムズ、電子版収入が紙超え」という記事がそうだ。清水石珠実記者は以下のように書いている。
増水した大分県日田市の三隈川(筑後川)
         ※写真と本文は無関係です

【日経の記事】

米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)は5日、2020年4~6月期に電子版の購読料やデジタル広告などによる「デジタル収入」が紙媒体関連を上回ったと発表した。四半期ベースの収入でデジタルが紙を逆転するのは初めてという。新型コロナウイルスや人種差別問題への関心が高まり、電子版の購読料が増えた。

この8年間、電子版強化を推進してきたマーク・トンプソン最高経営責任者(CEO)は、「NYTのデジタル戦略が大事な節目を迎えた」と語った。

6月末時点での電子版の有料読者数は前年同月末比47%増の439万人。クロスワードや料理レシピのスマートフォン向けアプリを含めると、デジタル関連の有料会員数は567万人を超えた。6月末時点で、電子版とアプリ、紙媒体を合わせた総有料読者数は651万人と、前年比で約4割増えた。同社は「25年までに購読者数1千万人の実現」を経営目標に掲げている。

同日発表した4~6月期決算は、売上高が前年同期比8%減の4億375万ドル(約426億円)、純利益は6%減の2366万ドルだった。購読料収入は増加したが、新型コロナによる広告収入の大幅な減少を補えなかった。1株利益は0.14ドル(前年同期は0.15ドル)。特殊要因を除くと0.18ドルと、市場予想(0.01ドル程度)を上回った。


◎「電子版収入が紙超え」と言うなら…

電子版収入が紙超え」という見出しに釣られて読んだ者としては「電子版収入がどの程度の伸びて、紙の収入がどう低迷しているのか」という情報は同然にあると期待してしまう。しかし、この記事には何も出てこない。

デジタル収入」は増減も額も不明。「紙媒体」に関しても収入や増減の具体的な数字はない。「電子版の有料読者数は前年同月末比47%増の439万人」と出ているが、「広告収入の大幅な減少」があるようなので、「47%増」を「デジタル収入」の増収率の近似値と見るのも無理がある。

本来なら「デジタル収入」がどんな推移で伸び、「紙媒体」がどう落ちてきたのか、少し長い期間で見せてほしい気持ちもある。しかし、今回の記事では前年比の数字すらない。これでは辛い。

NYT」が具体的な数値を公表していないのかもしれない。だとしたら、その点は記事で明示してほしい。それなら読者としてはまだ納得できる。


※今回取り上げた記事「NYタイムズ、電子版収入が紙超え
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200806&ng=DGKKZO62347500W0A800C2EAF000


※記事の評価はD(問題あり)。清水石珠実記者への評価も暫定でDとする。

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