2021年3月29日月曜日

グローバルダイニングの件で「狙い撃ち」問題を論じない日経ビジネス庄司容子記者

日経ビジネス3月29日号に庄司容子記者が書いた「外食、時短拒否店に来客集中~2%の大にぎわいが呼ぶ波紋」という記事には不満が残った。肝心なことを論じていないからだ。最初の段落から見ていこう。

筑後平野と耳納連山

【日経の記事】

2度目の緊急事態宣言下、深夜営業を続けたグローバルダイニング。客が集中して2月は大幅増収となった。だが、東京都が3月18日、同社に対し午後8時に閉店するよう命令を出し、時短営業を余儀なくされた。長谷川耕造社長は「狙い撃ちされた」と都を提訴した。苦境にある外食の深夜営業は是なのか非なのか。


◎問題は「狙い撃ち」では?

今回の「提訴」で最も焦点になるのは「狙い撃ち」の是非だろう。なのに庄司記者はこの問題を全く論じていない。しかも「狙い撃ち」ではないかのような書き方をしている。

【日経ビジネスの記事】

都の目視調査によると1月18日から3月18日にかけて、都内で午後8時以降に営業する飲食店は調査対象の2%に当たる2251店にとどまった。居酒屋「博多劇場」を運営する一家ダイニングプロジェクトは再発令後、都内の店で通常営業を続けていたが、都が大手にも協力金を支払うと決めたため時短や休業に転じた。外出自粛が叫ばれていても利用者に罰則があるわけではなく、少数派となった「時短拒否店」に長谷川氏の言う通り客が集中。東京・渋谷などでチェーン展開するラーメン店は連日未明まで客足が絶えず、深夜に行列ができていた。

特需で潤った2%の飲食店の中でグローバルダイニングのように時短拒否を大っぴらに訴えている企業はほとんどない。その同社に対し東京都は緊急事態宣言が解除される直前の3月18日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、「正当な理由なく午後8時以降に営業した」などとして深夜営業の停止を命令した。拒否すれば30万円以下の過料という罰則がある。

これを受け、グローバルダイニングは同日から21日まで、都内の全店舗を午後8時までの営業に変更。だが同社は命令が「営業の自由を侵害し違憲で、違法だ」として22日、損害賠償を求めて東京地裁に都を提訴した。訴訟の目的はお金ではないとの理由から、損害賠償請求額は104円としている。

長谷川氏は1月、「20時までの営業では事業の維持、雇用の維持は無理」と訴えていた。苦しい内情を吐露したうえでの時短破りに理解を示す一部の世論もあった。

ただ、ルールを破ったもの勝ちと受け取られかねない2月の大もうけは想定外だったという。そこに小池百合子都知事が例外は認めないとの意思を示した格好。緊急事態宣言は解除され、営業時間の短縮要請は午後9時までに緩和された。それでもウイルス感染が収まったわけではない。いさかいに終始するよりも、時短に協力できる環境づくりに両者が知恵を絞るべきだろう


◎「例外は認めないとの意思を示した」?

深夜営業の停止を命令した」ことを「小池百合子都知事が例外は認めないとの意思を示した格好」と庄司記者は書いている。「時短拒否店」の全てに命令を出したのならば分かる。しかし朝日新聞の報道によると「都は18日、営業を午後8時までとする緊急事態宣言下で要請に応じていない飲食店27店に、特措法45条に基づく時短営業命令を出した」ものの「うち26店がグローバルダイニング系の飲食店だった」らしい。

都の命令が「狙い撃ち」に当たるのか。当たるとすれば、それは正当なのか。そこを論じないで、この問題を取り上げて意味があるのか。

なのに「いさかいに終始するよりも、時短に協力できる環境づくりに両者が知恵を絞るべきだろう」で記事を締めてしまう。どちらに分があると庄司記者が見ているのかは明示してほしかった。「小池百合子都知事が例外は認めないとの意思を示した格好」との記述から都寄りの立場だと推測はできる。

それはそれでいい。その場合、「狙い撃ち」ではない、あるいは「狙い撃ち」でも問題はないと見ているはずだ。なぜそう判断したのか。そこが肝だ。


※今回取り上げた記事「外食、時短拒否店に来客集中~2%の大にぎわいが呼ぶ波紋」https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00981/


※記事の評価はD(問題あり)。庄司容子記者への評価もDを維持する。庄司記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。


33%出資の三菱製紙は「連結対象外」? 日経ビジネスに問う
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/02/33.html

「33%出資は連結対象外」に関する日経ビジネスの回答
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/02/33_21.html

「小林製薬=一発屋」と誤解させる日経ビジネス庄司容子記者
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/09/blog-post.html

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