2021年3月26日金曜日

「30分」は本当に凄い? 日経1面「損保ジャパン、医療保険金30分で」の苦しさ

1面にニュース記事を持ってくるならば、ふさわしいネタをきちんと書いてほしい。26日の日本経済新聞朝刊1面に載った「損保ジャパン、医療保険金30分で~実費入金」という記事は、その条件を満たしていない。

耳納連山に沈む夕陽

全文は以下の通り。

【日経の記事】

損害保険ジャパンは6月、入院費の実費を最短30分程度で受け取れる医療保険を売り出す。実際の損害に応じて保険金を出す損保のノウハウを活用する。利用者の手続きはスマートフォンで完結する。デジタル化でコストを抑え、保険料は30歳代で月2千円程度と業界で一般的な4千~5千円前後より安くする

医療保険は入院日数に応じて決まった保険金を出す定額払いが主流だ。医療費の高額化などで、日額いくらの保険に加入すれば十分かがわかりにくくなっている。損保ジャパンは実費払いで不安解消を狙う。限度額は月50万円で、必要な範囲の補償に絞ることで保険料を抑える。病院が発行する領収書の診療報酬点数に連動し保険金を払う。


◎どこが新しい?

損害保険ジャパンは6月、入院費の実費を最短30分程度で受け取れる医療保険を売り出す」という冒頭の書き方から判断すれば「最短30分」が話の柱になるはずだ。しかし「最短30分」の凄さをなぜか説明していない。例えば「他社では10時間以上かかる」といった記述があれば「最短30分」は画期的だと分かる(30分で受け取れることに意味があるのかとは思うが、ここでは置いておく)。

実費払い」の「医療保険」だとも記事では強調している。これは他社にもあるのでニュース性は乏しい。なのに「保険料は30歳代で月2千円程度と業界で一般的な4千~5千円前後より安くする」と書くのは感心しない。断定はできないが「定額払い」との比較だろう。安さに触れるならば「実費払い」の「医療保険」同士で比べるべきだ。

高額療養費制度があるので、民間の「医療保険」はほとんどの人にとって要らない商品だ。前向きに紹介するのは好ましくない。どうしても1面のニュース記事にするならば、かなり画期的でないと苦しい。

なのに今回は新規性が乏しそうな商品を好意的に取り上げている。業界の回し者的な記者が書いた記事と見るべきだろう。


※今回取り上げた記事「損保ジャパン、医療保険金30分で~実費入金」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210326&ng=DGKKZO70350700W1A320C2MM8000


※記事の評価はE(大いに問題あり)

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