2021年1月11日月曜日

ツイッターは昨年5月29日時点でトランプ氏の投稿を「静観」? 日経 奥平和行記者に問う

日本経済新聞の奥平和行記者と言えば、編集委員として問題の多い記事を書いていた印象がある。今はシリコンバレー支局にいるようだが、書き手としてはやはり評価できない。説明が下手なのか、事実関係の確認が不十分なのか。11日朝刊の記事に関して以下の内容で問い合わせを送った。

岡山駅に停車中のハローキティ新幹線

【日経への問い合わせ】

日本経済新聞社 奥平和行様 

11日の朝刊 総合・経済面に載った「IT大手『トランプ流』決別~アマゾンのクラウド、新興SNS接続停止」という記事についてお尋ねします。この中に「(トランプ氏は)20年の黒人暴行死事件に際して『略奪が起きれば銃撃も始まる』と投稿して強い批判を浴びるなど物議を醸してきたが、SNSの運営企業は『表現の自由』を理由に静観してきた」との記述があります。

20年5月29日付の「ツイッター、トランプ氏の投稿に警告『暴力を賛美』」という御紙の記事によると「略奪が始まれば銃撃が始まる」との投稿があったのは昨年5月29日です。この記事では「米ツイッターは29日、米中西部ミネソタ州での暴動をめぐるトランプ大統領の投稿について『暴力を賛美している』との警告表示をつけた」と報じています。「警告表示」を付けているのであれば「米ツイッター」はこの時点で既に「静観」していません。

昨年のこの記事では「ツイッターは26日、11月の大統領選をめぐりトランプ氏の郵便投票に関する投稿が誤解を生む可能性があるとして注意喚起した」とも書いています。つまり「略奪が始まれば銃撃が始まる」という投稿の前にも「ツイッター」は「静観」しない姿勢を見せています。

略奪が始まれば銃撃が始まる」との投稿があっても「SNSの運営企業は『表現の自由』を理由に静観してきた」との記述は誤りではありませんか。昨年の記事が間違っている可能性もありますが、他社の報道内容なども併せて考えると奥平様の説明に誤りがあると思えます。どちらの記事にも問題なしとの判断であれば、その根拠も教えてください。

もう1つ質問します。問題としたいのは以下のくだりです。

『他者への暴力を助長・扇動する投稿を削除できない顧客にサービスは提供できない』。アマゾンのクラウド子会社は9日までに、新興SNS『パーラー』の運営企業に書簡を送った。グーグルやアップルも同日までにパーラーをアプリ配信サービスから削除した。SNSの運営企業ではツイッターが8日にトランプ氏のアカウントを永久停止し、フェイスブックも期限を設けずに利用を停止する措置をとっている。同氏や支持者は規制が緩く『最後のとりで』になりつつあったパーラーも失う

同氏や支持者」は「パーラーも失う」のですか。10日付の「トランプ支持者集うSNS、Amazonがクラウド接続停止」という御紙の記事によると「パーラーは代わりのサーバー類を確保するまで、SNSのサービスを最大で1週間提供できなくなる恐れがある」とは書いていますが、これだけならば「パーラーも失う」とは言えません。この記事には「(アマゾンは)データはすべて保存していることを確認し、他社のサーバーへの移行を可能な限り支援する考えも示した」との記述もあります。

奥平様は「グーグルやアップルも同日までにパーラーをアプリ配信サービスから削除した」とも説明しています。ただ、これは既に「パーラー」を利用している人には関係ありません。やはり「同氏や支持者」は「パーラーも失う」との説明が誤りだと思えますが、いかがですか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

問い合わせは以上です。御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアの一員として責任ある行動を心掛けてください。


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※今回取り上げた記事「IT大手『トランプ流』決別~アマゾンのクラウド、新興SNS接続停止

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210111&ng=DGKKZO68053380R10C21A1NN1000


※記事の評価はD(問題あり)。奥平和行記者への評価もDを維持する。奥平記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「空飛ぶクルマ」の記事で日経 奥平和行編集委員に問うhttp://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/05/blog-post_15.html

解読困難な日経 奥平和行編集委員「岐路に立つネット覇者」https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/04/blog-post_12.html

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