2016年11月15日火曜日

「学閥輩出校」って何? 週刊ダイヤモンド「最強の高校」

週刊ダイヤモンド11月19日号の特集は「中高一貫vs地方名門 最強の高校」。週刊東洋経済も1カ月ほど前に高校特集を組んでいた。今回の後追いについて、ダイヤモンドの田中博編集長は「From Editors」という後書きの中でやや苦しい弁明をしている。しかし、それを責めるつもりはない。問題は中身だ。そして、肝心の中身はかなり苦しい。
水前寺成趣園(熊本市) ※写真と本文は無関係です

◎「学閥輩出校」って何?

最も気になったのが「学閥輩出校」という言葉だ。特集の中には地域別の高校の関係図が載っていて、各高校を「国立校」「公立校」「私立校」に分けた上で、さらにそれぞれを「学閥輩出校」と「その他主要校」に色分けしている。だが「学閥輩出校」は耳慣れない用語で、あり、意味もよく分からない。特集の中で「学閥輩出校」の定義を探してみたものの、見つけられなかった。

素直に考えると「学閥を輩出する学校」が「学閥輩出校」だろう。だが「輩出」とは「すぐれた人物が続いて世に出ること。また、人材を多く送り出すこと」(デジタル大辞泉)だ。「学閥を輩出」では意味不明になってしまう。「独自に学閥を形成している学校」という意味ならば分かるが、それを何の解説もなく「学閥輩出校」と呼ばれても困る。

そもそも「学閥輩出校」と、そうではない学校とは明確に分けられるものなのか。例えば「東京都立進学指導重点校」の枠で見ると、日比谷、西、戸山が「学閥輩出校」で、青山、国立、立川、八王子東が「その他主要校」となっている。こうした高校の出身者が見れば「確かにその通りだ」と納得できる区分なのだろうか。

ちなみに神奈川県の高校を見ると、「その他主要校」に入っている「小田原」のところに「小田原市役所に高校閥あり」と吹き出しが付いている。「だったら、なぜ小田原は『学閥輩出校』にならないのか?」という疑問は湧いた。

ダイヤモンドは「学閥」の使い方がどうもおかしい。特集の一部を見ていく。

【ダイヤモンドの記事】

ただ、東海や旭丘を含め、地元志向、中央志向の境界は、最近あいまいになっていると関係者は口をそろえる。「名古屋に根付く企業も、多くは今やグローバル化している。名古屋とそれ以外という区分けは古い」(トヨタ関係者)という。であれば、こうした愛知高校閥が、世界に羽ばたく日もまた近いということかもしれない。

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愛知高校閥が、世界に羽ばたく」という表現には、かなりの違和感がある。学閥とは「世界に羽ばたく」ようなものなのか。「海外にも広がる」とか「世界中で根を張る」ならば、まだ分かるが…。


◎「中高一貫vs地方名門」はどこへ?

次いで問題にしたいのが「中高一貫vs地方名門 最強の高校」というタイトルだ。田中編集長が「4カ月超の苦節が結実した88㌻の巨弾特集」と誇る今回の特集を最後まで読んでも「中高一貫vs地方名門」という対決の構図を描いた記事は見当たらない。

考えてみると「中高一貫vs地方名門」という構図に無理がある。例えば九州の久留米大附設や鹿児島ラ・サールは「中高一貫」であると同時に「地方名門」だ。これは地方の中高一貫校の多くに当てはまる。なのになぜ「中高一貫vs地方名門」なのか。企画を立てた段階では「中高一貫vs地方名門」を柱に据えようとしたが、途中で挫折してタイトルだけが残ってしまったのか。それにしても看板に偽りがあり過ぎる。


※今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。

根拠なく宮崎公立2強を貶めるダイヤモンド「最強の高校」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/blog-post_74.html

日比谷は東大・慶應に特化? ダイヤモンド「最強の高校」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/blog-post_16.html

北海道は「1極化」が課題? ダイヤモンド「最強の高校」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/blog-post_2.html

間違いだらけ週刊ダイヤモンド「最強の高校」の高校マップ
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/blog-post_18.html

質・量ともに「訂正」が凄い週刊ダイヤモンド「最強の高校」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/blog-post_76.html

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