2021年5月31日月曜日

日経「選球眼~交流戦で見たい好勝負」に感じた浜田昭八氏の限界

スポーツライターの浜田昭八氏にコラムを任せるのはやめた方がいい。31日の日本経済新聞朝刊スポーツ2面に載った「選球眼~交流戦で見たい好勝負」という記事を読んで改めてそう感じた。問題のくだりを見ていこう。

大阪城公園

【日経の記事】

交流戦は2005年に1カード3連戦を双方の本拠地で1度ずつ行う、1球団36試合制で始まった。試合が多過ぎて、リーグの独自性が失われるなどの声が出て、1球団24試合に減った。さらに15年から現行の1カード3連戦のみ、本拠地開催は隔年という方式になった。主力の人気投手と打者がすれ違うと、その年の対戦は見られない。

観客が多く、放送権料も多い巨人、阪神との対戦が交流戦のために減るのは、セ側にとって重大な問題だ。だが、パ側にもドラフトのくじ運に恵まれたとはいえ、目玉になる好選手は多い。交流戦を減らして、いい商品を見せないような状態にする手はない。

戦前、戦後の苦境を乗り越えてきたセの老舗チームの人気に寄りかかろうとするパ側の姿勢にも問題があろう。交流戦、日本シリーズの好成績をステータス向上の証しと振りかざすのもどうか。気を緩めると人気も実力もすぐに逆転する


◎「パ側の姿勢にも問題」?

上記のくだりを読んで「なるほど」と思えただろうか。自分の読解力不足なのかもしれないが「戦前、戦後の苦境を乗り越えてきたセの老舗チームの人気に寄りかかろうとするパ側の姿勢にも問題があろう」という部分をどう解釈すれば良いのか分からなかった。

交流戦を減らして、いい商品を見せないような状態にする手はない」と書いているのだから浜田氏は「交流戦」の減少を問題視しているはずだ。「パ側」が「セの老舗チームの人気に寄りかかろうとする」のならば「交流戦」を増やす原動力になる。なのになぜ「問題」なのか。

そもそも「パ側」が「セの老舗チームの人気に寄りかかろうと」しているのかも疑問だ。浜田氏自身も「気を緩めると人気も実力もすぐに逆転する」と書いている。ならば現時点で「人気も実力も」上なのは「パ側」だ。なのになぜ「セの老舗チームの人気に寄りかかろうとするパ側」との認識になってしまうのか。

ついでに言うと「パ側」は「交流戦、日本シリーズの好成績をステータス向上の証しと振りかざ」しているのか。個人的には、そうした報道に触れた記憶がない。「振りかざ」していると言える材料を浜田氏が持っているのならば具体的に書いてほしかった。

記事の続きを見ておこう。

【日経の記事】

それにしても、ロッテには「見せる」気概を示してほしかった。佐々木朗に佐藤輝敬遠を指示した場面。不振の次打者梅野隆太郎を打ち取り、作戦は成功した。だが、松井秀喜5敬遠のアマのトーナメントとは事情が違う。若い当事者2人の、ともに怒った「プロの顔」に救われたが……。


◎説明が足りないような…

ここでは「松井秀喜5敬遠のアマのトーナメントとは事情が違う」という説明が引っかかった。「松井秀喜5敬遠」を読者は当然知っているとの前提で書いているのだろう。しかし、そうとは限らない。日経には若い読者も少ないながらいるはずだ。そうした人たちへの配慮が足りない。

そういう意味でも浜田氏にコラムを任せるのは、やはり無理がある。


※今回取り上げた記事「選球眼~交流戦で見たい好勝負」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210531&ng=DGKKZO72420710Q1A530C2UU2000


※記事の評価はD(問題あり)。浜田昭八氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

日経のコラムで「リクエスト制度に大過なし」と浜田昭八氏は言うが…
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/blog-post_43.html

浜田昭八氏の理解力に問題あり 日経「選球眼~選手と首脳陣つなぐ本音」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/07/blog-post_16.html

「プロゴルファーに複数年契約はない」と日経に書いた浜田昭八氏に問うhttps://kagehidehiko.blogspot.com/2019/12/blog-post_16.html

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