2020年5月7日木曜日

見出しが引っかかった日経夕刊の3本の記事

大型連休明けとなる7日の日本経済新聞夕刊。見出しで気になるところがいくつかあったので、まとめて取り上げたい。
筑後川橋(福岡県久留米市)※写真と本文は無関係です

まずは1面トップの「独、経済再開へ大幅緩和~コロナ規制 大型店営業など 新規感染 減少続く」という記事。「大幅緩和」に釣られて読んでみると、筆者の石川潤記者は「ドイツ政府は6日、国内の全商店の営業やプロサッカー『ブンデスリーガ』の再開などを認める経済規制の緩和策を発表した」などと書いているだけで「大幅」という表現は用いていない。

大型店営」と「『ブンデスリーガ』の再開」が「緩和策」の目玉のようだが、「ブンデスリーガ」に関しては「無観客」。これで「大幅緩和」は少し苦しい気もする。

次は総合面の「コロナ薬の開発反対か、米厚生長官 内部告発で判明」という記事。「アザー米厚生長官が1月ごろに新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発支援に反対していたことが6日までに分かった」と中村亮記者は書いている。「反対していた」のは「コロナ薬の開発」ではなく「新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発支援」だ。「開発」そのものに反対していたとは言えない。「開発」の「支援」に反対していただけとなる。

見出しだけみると、製薬会社の「開発」の動きに待ったをかけたような印象を受ける。見出しは文字数の制限が強いので、正確さを求めすぎるのは酷ではあるが、少し気になった。

「この見出しはかなり違うのでは?」と思えたのが、同じ総合面の「検査体制の強化、首相『あらゆる手法で』」というベタ記事。全文は以下の通り。

【日経の記事】

安倍晋三首相は6日のインターネット番組で、新型コロナウイルス感染症の検査体制の強化に意欲を示した。『あらゆる手法を使って(感染の)実態を把握したい』と述べた。感染の有無を確認するPCR検査は「保健所の業務過多や検体採取の体制に課題があるのは事実だ。早急に強化していく」と話した。


◎ズレているような…

安倍晋三首相」のうち、「あらゆる手法」は「(感染の)実態を把握」することに関してだ。一方、「検査体制の強化」については「早急に強化していく」とは述べているものの「あらゆる手法で」とは読み取れない。「インターネット番組」を実際に見れば見出しの通りという可能性はあるが、記事で使った発言だけから「検査体制の強化、首相『あらゆる手法で』」と見出しを取るのは少し無理がある。


※今回取り上げた記事

独、経済再開へ大幅緩和~コロナ規制 大型店営業など 新規感染 減少続く
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200507&ng=DGKKZO58795930X00C20A5MM0000

コロナ薬の開発反対か、米厚生長官 内部告発で判明
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200507&ng=DGKKZO58796730X00C20A5EAF000

検査体制の強化、首相『あらゆる手法で』
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200507&ng=DGKKZO58798910X00C20A5EAF000


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