2018年5月26日土曜日

乏しい根拠で週刊誌の皇室報道を貶める日経 井上亮編集委員

26日の日本経済新聞朝刊社会面に載った「宮内庁、眞子さまの報道で反論 『両陛下の考え、無に』 」という記事に、井上亮編集委員が解説記事を付けている。記事には「根拠無き批判 痛み想像を」との見出しが付いているが、その言葉は井上編集委員にそのまま返したくなる。
門司港駅(北九州市)※写真と本文は無関係です

解説記事の全文は以下の通り。

【日経の記事】

昨年末以来、各週刊誌が眞子さまの婚約者・小室圭さんの家族に関して執拗な報道を続けている。そのなかには皇后さまの「発言」や秋篠宮家の「家族会議」など、皇室の内部事情と称する情報が数多く含まれている。

天皇、皇后両陛下および各皇族方に日々接し、内情をよく知る宮内庁幹部、側近らは「記事の大半は事実とかけ離れている」と口をそろえる。問題はこれら事実と異なる情報をもとに、国民一般が眞子さまの結婚に関して論評している現状だ。

皇后さまは1993年の週刊誌による「バッシング」報道で倒れ、一時声を失った際に「批判の許されない社会であってはなりませんが、事実に基づかない批判が、繰り返し許される社会であって欲しくはありません」と文書で答えられた。

事実に基づかない批判がいかに人を苦しめるか。わが身に置き換えて想像すべきだろう。セクハラ、パワハラが大きな社会問題となっている時代だけに、報道も人の心への配慮に鈍感であってはならない


◎「事実と異なる情報」と言える根拠は?

井上編集委員は「各週刊誌が眞子さまの婚約者・小室圭さんの家族に関して執拗な報道を続けている」ことに関して、明確な根拠を示さずに「事実と異なる情報」と断定している。

天皇、皇后両陛下および各皇族方に日々接し、内情をよく知る宮内庁幹部、側近らは『記事の大半は事実とかけ離れている』と口をそろえる」としても、本当に「記事の大半は事実とかけ離れている」とは断定できない。「宮内庁幹部、側近ら」が本当のことを言っているとは限らないからだ。

例えば、安倍晋三首相の近くにいて官邸の内情を良く知る政府関係者が「森友・加計問題に関する週刊誌報道の大半は事実とかけ離れている」と口を揃えたら、井上編集委員はあっさり納得するのか。

各週刊誌」の報道を「事実と異なる情報」だと断定するならば、具体的に論じるべきだ。どの週刊誌のどの情報が「事実と異なる」のか。様々な週刊誌の様々な報道を十把一絡げにして、「記事の大半は事実とかけ離れている」かのように書くのは感心しない。きちんと事実関係を調べて報道している週刊誌の編集部に自分が属してたら、井上編集委員による根拠の乏しい「批判」に心を痛めただろう。

「正確な報道をしている週刊誌などない」と断定できる根拠を井上編集委員は持っているのか。あるならば記事中で示すべきだ。それを怠っているのに、「眞子さまの婚約者・小室圭さんの家族」について報じた週刊誌をまとめて貶めるような記事を書く井上編集委員が「報道も人の心への配慮に鈍感であってはならない」と訴えるのは、悪い冗談だとしか思えない。


※今回取り上げた記事「根拠無き批判 痛み想像を
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180526&ng=DGKKZO31003550V20C18A5CR8000


※記事の評価はD(問題あり)。 井上亮編集委員への評価はDで確定とする。井上編集委員に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「近代以降の天皇制度で最大級の改革」は日経の「過言」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/07/blog-post_14.html

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