2019年1月20日日曜日

日経 下村凜太郎記者「健康経営 消えるたばこ」への注文

19日の日本経済新聞夕刊1面に載った「健康経営 消えるたばこ 投資家の目厳しく~人手不足や働き方改革…社内禁煙に拍車」という記事を読むと、筆者の下村凜太郎記者が頑張って取材したのは分かる。そこは評価したいが、内容には色々と問題を感じた。
仮屋湾(佐賀県玄海町)※写真と本文は無関係です

まずは最初の事例から。

【日経の記事】

たばこを吸わない人に煙たがられ、オフィスから愛煙家の姿は減る一方だ。最近では勤務時間内の仕事の効率を高める働き方改革や、人手不足の中で健康な人材を確保する動きが、社内の全面禁煙に拍車をかけている。顧客や投資家の目も厳しく、仕事中の「ちょっと一服」はますます肩身が狭いようだ。

「禁煙を始めて支店の営業成績が伸びました」。中堅人材サービス、ジェイエイシーリクルートメントの小浜剛・北関東支店長(36)の言葉には勢いがある。

同社は2018年4月から国内外のグループで、社内はもちろんプライベートでも従業員に禁煙を求めるようにした。北関東支店では3分の2を占めた喫煙者が席を外して紫煙をくゆらすことがなくなり、オフィスでの会話が増えた。必然的に営業先の情報交換が密になり、ノウハウも共有されやすい。

一般的に、たばこを吸う人には「喫煙所での何気ない話が仕事のアイデアにつながる」との意見がある。だが自身もたばこをやめた小浜さんは「喫煙所の限られたメンバーで話すより、大人数での会話の方が生産性が上がる」と言い切る。



◎常識的には…

「社内の全面禁煙」が「営業成績」の向上をもたらしたと取れる書き方が気になる。常識的に考えれば、両者に因果関係はないか、あってもわずかだろう。「ほぼ前年並みだった売上高が、禁煙にした途端に一気に10%を超える伸びになった」などと書いてあれば「ひょっとしたら…」と思えるが、「営業成績」に関する具体的な数値は出てこない。

しかも「営業成績」が伸びたのは「北関東支店」の話だ。「社内の全面禁煙」の効果を伝えたいのならば、「ジェイエイシーリクルートメント」全体の売り上げが「全面禁煙」によってどう変化したのかを入れたい。「北関東支店」を前面に押し出したのは、そこがたまたま「全面禁煙」後に「営業成績」が伸びたからではないかと疑いたくなる。

次は「セイコーエプソン」の事例を見ていく。

【日経の記事】

セイコーエプソンでは18年度に、勤務時間中の喫煙禁止をそれまでの週2日からすべての日に広げた。「人手不足の中で社員には健康で長く働いてほしい」(総務部)というのが狙いだ。昼休みにはたばこを吸える敷地内の喫煙所も、将来はなくしたい考えだ。

今のところ社内の反応は二分されている。直近のアンケートでは、たばこを吸う従業員の3~4割が喫煙所をなくすことを認める一方で「喫煙者をいじめている」と率直な声も上がる。

全面禁煙に不満な従業員もおり、企業はストレス解消に気を配る。ジェイエイシーは月4000円を上限にスポーツジムの費用を補助、セイコーエプソンは休憩時間の運動を呼びかけている。たばこを吸った場合の罰則までは定めていないことが多いようだ。



◎ここも数字の見せ方が…

「勤務時間中の喫煙禁止をそれまでの週2日からすべての日に広げた」のを受けて「今のところ社内の反応は二分されている」と書くのならば、「直近のアンケート」に関しては「喫煙所をなくすことを認める」かどうかではなく、「すべての日に広げた」ことへの賛否を入れてほしかった。
長崎大学(長崎市)※写真と本文は無関係です

「喫煙所をなくすことを認める」のが「たばこを吸う従業員の3~4割」と書いて「一方で『喫煙者をいじめている』と率直な声も上がる」と反対派の数字を入れていないのも引っかかる。どちらが多かったのかは知りたい。

ついでに言うと「アンケート」の結果なのに「3~4割」という幅のある数字になっているのが気になる。数値は明確に出ているはずなので、例えば「34%」などと書いた方が好ましい。

そして、今回の記事で最も気になったのが以下のくだりだ。

【日経の記事】

だが今や、たばこを吸う人は採用しない企業も珍しくない。人工知能(AI)を開発するHEROZもその一つ。「社員の多くはきつい、帰れない、給料が安い、3K職業と思われているシステムエンジニア。イメージを払拭したい」(高橋知裕代表取締役)。喫煙者という理由で採用を断ったこともある。



◎関係ある?

「たばこを吸う人は採用しない」ようにすると「きつい、帰れない、給料が安い、3K職業と思われているシステムエンジニア」の「イメージを払拭」できると「HEROZ」の「高橋知裕代表取締役」は考えているようだ。

しかし、社内で「たばこを吸う人」をゼロにしても「きつい、帰れない、給料が安い」という状況は改善しない。基本的に関係ない話だと思える。下村記者はコメントを使う時に何も疑問を抱かなかったのか。だとしたら、かなり心配だ。

また「喫煙者という理由で採用を断ったこともある」は何のために入れているのか謎だ。「たばこを吸う人は採用しない企業も珍しくない。人工知能(AI)を開発するHEROZもその一つ」と書いているのだから、「喫煙者という理由で採用を断ったこともある」と改めて入れる意味はない。

次は「オリンパス」の事例に注文を付けたい。

【日経の記事】

厚生労働省の17年の調査では、屋外を含めた敷地内の全面禁煙に取り組む事業所は全体の14%。「建物内禁煙」も35%に上り、屋内でたばこを吸えない事業所は国内の半数に迫る。こうなると対応が遅れている企業には危機感すらあるようだ。

オリンパスでは2年後をメドに社内の喫煙スペースをなくす。同社は医療用の内視鏡の世界大手。笹宏行社長は「肺がんを調べる医療機器メーカーとして社内禁煙は必須」ときっぱり。顧客である病院関係者の視線を意識する。同社で海外営業を担当する西橋和寛さん(59)は30年来の喫煙と昨秋に決別した。「社内の取り組みをきっかけに念願の禁煙ができました」と安堵の表情だ。



◎「危機感」ある?

「対応が遅れている企業には危機感すらあるようだ」と書いた後で「オリンパス」の話が出てくるので「危機感」を感じている企業の動きを紹介するのかと感じる。しかし「オリンパス」の事例から特に「危機感」は伝わってこない。

「社内の喫煙スペースをなくす」のも「2年後」とのんびりだ。「危機感」がないと理解する方が自然だろう。「喫煙スペースをなくす」ぐらい、その気になればすぐにできる。

次が最後の事例だ。

【日経の記事】

たばこの有無は、投資家の評価材料にもなりつつある。経済産業省と東京証券取引所が、社員の健康管理に積極的な企業を選ぶ「健康経営銘柄」は、19年から新たに分煙の取り組みが審査の対象になる。ドアなどで周囲から閉ざされた喫煙室があることが条件だ。



◎「分煙」の話では?

「たばこの有無は、投資家の評価材料にもなりつつある」と書いているのに、出てきたのは「たばこの有無」ではなく「分煙」の話だ。これは苦しい。

それに「ドアなどで周囲から閉ざされた喫煙室があること」が「健康経営銘柄」に選ばれる「条件」になるのならば、「全面禁煙」の会社は対象外になってしまう(実際にはそうではないとは思うが…)。

ついでに言うと「経済産業省と東京証券取引所」は「投資家」ではないので、「健康経営銘柄」の選定基準を見て「たばこの有無は、投資家の評価材料にもなりつつある」と判断するのも、やや無理がある。

色々と注文を付けてきたが、少し改善するだけで優れた書き手になれる素地は感じる。下村記者の今後に期待したい。


※「健康経営 消えるたばこ 投資家の目厳しく~人手不足や働き方改革…社内禁煙に拍車」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190119&ng=DGKKZO40223270Z10C19A1MM0000


※記事の評価はD(問題あり)。下村凜太郎記者への評価も暫定でDとする。

2019年1月18日金曜日

分析力の低さ感じる日経 中村直文編集委員「ヒットのクスリ」

日本経済新聞の中村直文編集委員が書く記事が相変わらず苦しい。18日の朝刊企業2面に載った「〈ヒットのクスリ〉こだわり力(上)乃が美、食パンに高級革命 『日常』に希少性の芽」という記事では、文の拙さだけでなく分析力の低さも目立った。
呼子大橋(佐賀県唐津市)※写真と本文は無関係

記事を見ながら具体的に指摘していく。

【日経の記事】

イタリアの高級車「フェラーリ」は年間販売台数が1万台にも満たないが、言うまでもなく世界ブランドだ。小さいからこそ輝く。フェラーリとまではいかなくても、モノがあふれる成熟経済では規模より希少性を提供することが今の消費者をつかむ。



◎「希少性」がテーマのはずだが…

 最初の段落を読むと「希少性」が今回の記事のテーマだと思える。しかし、どうも怪しい。これは後で論じるとして、さらに記事を見ていこう。

【日経の記事】

2018年に日経MJヒット番付にランクしたのは1000円食パン。その先駆者である乃が美(大阪市)のサクセスストーリーは興味深い。実家が米屋で、居酒屋など外食店を経営していた阪上雄司社長は景気に左右されない食ビジネスを模索していた。

まず考えたのは「赤福」など老舗が生き残った理由だ。結論は一つの商品に特化し、「どこどこのギョーザとか、シューマイとか、代名詞になるような商品を作ること」(阪上社長)。次は食感。阪上社長は「テレビの食リポで必ずリポーターが口にする二大ワードは『甘い』と『柔らかい』。これが実現できる分野を探した」と話す。



◎必ず「甘い」と口にする?

「テレビの食リポで必ずリポーターが口にする二大ワードは『甘い』と『柔らかい』」というコメントが引っかかる。例えばラーメンの「食リポ」で「リポーター」は「必ず」「甘い」と「口にする」だろうか。

実際に「阪上雄司社長」がそう述べたとしても、記事にする段階では「必ず」を抜くべきだ。でないと「阪上雄司社長」が愚か者に見える。

記事の続きを見ていく。

【日経の記事】

そもそもは米屋だが、特化する分野は食パンに行き着いた。きっかけは老人ホームへの慰問。高齢者の多くが食パンの耳を残すことに気づいた。「食パンは大手メーカーが独占するが、耳のおいしいパンはない」。そのためには業界の常識を破ることが不可欠だった。



◎「食パンは大手メーカーが独占」?

ここでもコメントが問題だ。「食パン」市場を「大手メーカーが独占する」はずがない。街のパン屋でも自家製の食パンを当たり前に販売している。「阪上雄司社長」が「食パンは大手メーカーが独占する」と実際に言ったとしても、そこは中村編集委員が上手く対応して記事を書くべきだ。

さらに記事を見ていく。

【日経の記事】

例えば食パンは棚に置いたとき、曲がったり、倒れたりする「腰折れ」が起きてはいけない。阪上社長は2年かけて焼く温度や時間、原料の配合を研究し、腰折れしそうでしない柔らかく、程よい甘さの食パンを開発。耳のおいしさを実現した。13年にスタートした乃が美は食パンだけで全国で100店を超え、年商も100億円に達した。

値段は2斤で800円と通常の食パンの2倍以上。当初は「高過ぎる」と批判されたが、3年たつと品質と味への評価が高まり、800円は「安いね」と変わった。高いが、買えないレベルではないデパ地下の食品に似ている。同時に乃が美が好調を持続しているのは主食用だけでなく、ギフトとしても使える市場を創り出したからだ。



◎「希少性」ある?

「13年にスタートした乃が美は食パンだけで全国で100店を超え」たらしい。そこに「希少性」は感じられない。例えば「1店舗のみで営業は土日だけ。しかも1日100斤限定」ならば「希少性」があると思えるが…。
グラバー園 旧オルト住宅(長崎市)※写真と本文は無関係

「高いが、買えないレベルではないデパ地下の食品に似ている」とも中村編集委員は解説している。「デパ地下の食品」は「希少性を提供すること」で「消費者をつか」んでいるのか。そういう要素がゼロとは言わないが、基本的には「希少性」は乏しい。

「乃が美」の「食パン」が「デパ地下の食品に似ている」のならば、「希少性」は大したことがなさそうだ。

文の書き方にも注文を付けたい。「阪上社長は2年かけて焼く温度や時間、原料の配合を研究し~」とすると、「2年かけて焼く」と取れる。「阪上社長は焼く温度や時間、原料の配合を2年かけて研究し~」などとすべきだ。この辺りにも中村編集委員の書き手としての技術不足が垣間見える。

先に進もう。

【日経の記事】

実は同時期に高級食パンを出した会社がある。セブン―イレブン・ジャパンだ。パン全体の売上高に占める比率が「なぜ食パンの比率は14%と低いのか」との問題意識が偶然にも芽生えた。そこで製法、原料、包装材まで一新し、13年に誕生したのが「金の食パン」だ。あまりの偶然に阪上社長は「これはやられる」と一瞬焦ったという。



◎文として成立してる?

「パン全体の売上高に占める比率が『なぜ食パンの比率は14%と低いのか』との問題意識が偶然にも芽生えた」という文は成立していない気がする。おそらく「パン全体の売上高に占める比率が『なぜ食パンは14%と低いのか』との問題意識が偶然にも芽生えた」と言いたかったのだろう。

この段落には他にも引っかかった点が2つある。まず「14%」がなぜ「低い」と言えるのかだ。「そんなものかな」とも思うし、そこそこ高いようにも感じる。「本来ならば食パンの比率は14%を上回っているはずだ」と言える理由が欲しい。

また、「『これはやられる』と一瞬焦った」のに、結局は「乃が美」が成功した理由も謎だ。セブンの「金の食パン」を失敗例として取り上げているのならば分かるが、成功例っぽく書いている。ならば、なぜ「やられ」なかったかは入れたい。「行数が足りない」と言うのならば「セブン」の事例は省いた方がいい。

ようやく最後の段落に辿り着いた。

【日経の記事】

大手食品メーカーも価格と品質を重視したものづくりを進め、パン食の消費量は米食を抜き去った。だが消費者のこだわりは大手だけでは対応しきれない。高くて売れるのは世の中に「ないもの」だが、そんなものはない。商機はパンのような日常シーンの「あるもの」の中にある。



◎時期が合わないような…

これだけ読むと「乃が美」などの成功に刺激を受けて「大手食品メーカーも価格と品質を重視したものづくりを進め、パン食の消費量は米食を抜き去った」と理解したくなる。
九重"夢"大吊橋(大分県九重町)
       ※写真と本文は無関係です

しかし「パン食の消費量」が「米食を抜き去った」のは2011年のようだ。「乃が美」は「13年にスタートした」ので時期が合っていない。「乃が美」が世に出るまでは「食パンは大手メーカーが独占」していて「耳のおいしいパン」も存在していなかったはずだが…。

付け加えると「高くて売れるのは世の中に『ないもの』だが、そんなものはない」という説明もよく分からない。

まず「高くて売れるのは世の中に『ないもの』」なのか。中村編集委員が冒頭で取り上げた「フェラーリ」は「高くて売れる」商品だと思えるが、これは「ないもの」なのか。

「高くて売れる」商品など、いくらもある。時計でもバッグでもいい。これらは全て「世の中に『ないもの』」なのか。あるいは最近になってようやく「あるもの」になったのか。

「そんなものはない」との説明もおかしい。「耳のおいしいパン」が2012年までの世界に存在しなかったのならば「高くて売れる」上に「世の中に『ないもの』」はあったはずだ。「耳のおいしいパン」がそうではないのか。

大して長くもない記事で、これだけの問題点を散りばめられるのは、中村編集委員の実力が不足している証でもある。中村編集委員に記事を書かせ続けるつもりならば、企業報道部として強力な支援体制を築くべきだ。今のままコラムを任せるのは、読者のためにも中村編集委員のためにもならない。


※今回取り上げた記事「〈ヒットのクスリ〉こだわり力(上) 乃が美、食パンに高級革命 『日常』に希少性の芽」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190118&ng=DGKKZO40047500V10C19A1TJ2000

※記事の評価はD(問題あり)。中村直文編集委員への評価もDを維持する。中村編集委員に関しては以下の投稿も参照してほしい。

無理を重ねすぎ? 日経 中村直文編集委員「経営の視点」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2015/11/blog-post_93.html

「七顧の礼」と言える? 日経 中村直文編集委員に感じる不安
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/05/blog-post_30.html

スタートトゥデイの分析が雑な日経 中村直文編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/06/blog-post_26.html

「吉野家カフェ」の分析が甘い日経 中村直文編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/07/blog-post_27.html

日経 中村直文編集委員「ヒットのクスリ」が苦しすぎる
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_3.html

「真央ちゃん企業」の括りが強引な日経 中村直文編集委員
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_33.html

キリンの「破壊」が見えない日経 中村直文編集委員「経営の視点」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/12/blog-post_31.html

2019年1月17日木曜日

第3回だけ残念な日経1面連載「地銀波乱」

日本経済新聞の朝刊1面で4回連載した「地銀波乱」は全体的には悪い出来ではない。ただ、16日の「(3)会計『装飾』のからくり 厳しい運用、袋小路に」だけは合格点を与えられない。記事を見ながら問題点を指摘してみる。
田島神社(佐賀県唐津市)※写真と本文は無関係

【日経の記事】

「ウチにも教えてもらえませんか」。関東地方にある地方銀行の運用担当者がこんな会話を交わしていた。話題は「リパッケージローン」と呼ばれる金融派生商品(デリバティブ)だ。

 地銀でひそかに広がっているのは理由がある。表面的には一定の利回りを手にできる金融商品。その中身は特定の企業や事業の破綻に備えたデリバティブなのだが、地銀はそこに融資する形をとる。複雑な金融商品が姿を変え、会計上は融資が増える構図だ。「マイナス金利で何をやっても苦しい状況。決算の見栄えが良くなると頭取が喜ぶんだよ」。運用担当者は内幕をこう明かした。



◎ちゃんと説明できてる?

まず「関東地方にある地方銀行の運用担当者」が誰に対して「ウチにも教えてもらえませんか」とお願いしているのか謎だ。「地方銀行の運用担当者」同士の「会話」かなとは思うが、そう断定できる書き方にはなっていない。

「リパッケージローン」の説明はさらに分かりにくい。これは「特定の企業や事業の破綻に備えたデリバティブ」で「地銀はそこに融資する形をとる」らしい。素直に読めば「デリバティブ」への「融資」となるが、「デリバティブ」は常識的にはカネを借りる主体ではない。

やや無理があるが「融資」するのは「特定の企業」という可能性も考えてみた。「リパッケージローン」は「特定の企業や事業の破綻に備えたデリバティブ」となっているのでCDSのようなものだと推測できる。しかし、それだと「ローン」なのかとの疑問が湧く。

「特定の企業」が「リパッケージローン」という「デリバティブ」に投資する際に、地銀が「特定の企業」に投資用資金を「融資」すると理解すればよいのか。しかし、顧客の投資資金として「融資」するだけならば、普通の「融資」だ。

普通の「融資」だとすると、「表面的には一定の利回りを手にできる金融商品」が「地銀でひそかに広がっている」とはならない。やはり「地銀」自身が「金融商品=リパッケージローン」に手を出していると解釈すべきか。結局、よく分からない。

しかも、「マイナス金利で何をやっても苦しい状況」下で、なぜ「リパッケージローン」だと「決算の見栄えが良くなる」のかも謎だ。「会計上は融資が増える」としても、だからと言って「決算の見栄えが良くなる」とは限らない。「融資」ならば焦げ付くリスクがある。リスクゼロで「会計上は融資が増える」仕組みなのかもしれないが、常識的には考えにくい。

記事の説明に間違いはないのだろう。だが、説明が不十分で下手なために理解に苦しむ内容になってしまった気がする。

さらに続きを見ていく。

【日経の記事】

急増している投資信託もからくりは似ている。少数のプロ投資家に割り当てる私募投信は、解約時に出る利益が本業のもうけを示す「業務純益」(資金運用収益)に加わる。一般的な株式であれば臨時の株式関係損益となり「本業」の外になる。価格変動による含み損益を決算に反映させる必要もない。この違いが決算を少しでも良く見せたい地銀の経営者の心に響いている。



◎誤解を招く書き方

上記のくだりで「価格変動による含み損益を決算に反映させる必要もない」というのは「私募投信」に関する説明なのだろう。しかし、「一般的な株式」について述べたとも取れる。これも説明が下手だ。
仮屋湾(佐賀県玄海町)※写真と本文は無関係です

記事の終盤にも問題を感じた。

【日経の記事】

問題は含み損の拡大・蓄積により、だんだんと身動きがとれなくなってくる点にある。横浜銀行を傘下に抱える地銀首位のコンコルディア・フィナンシャルグループも19年3月期の通期見通しで純利益を100億円も下方修正した。含み損の拡大により市場部門の積極的な売買が制限されたためだ。機動的な売買こそ必要なのに実態は逆に向かう。厳しくなるばかりの運用環境。安易な逃げ場を探して、地銀は困難な道に迷い込もうとしている。

◎「含み損の拡大」で「売買が制限」?

「含み損の拡大により市場部門の積極的な売買が制限された」と書いているが、なぜそうなるのか説明がない。「含み損の拡大」があると「積極的な売買」が必然的にできなくなる訳ではない。「コンコルディア・フィナンシャルグループ」にそうなる構造的な要因があるのならば、そこは説明してほしかった。


※今回取り上げた記事「地銀波乱(3)会計『装飾』のからくり 厳しい運用、袋小路に」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190116&ng=DGKKZO40053460W9A110C1MM8000


※記事の評価はD(問題あり)。連載全体の評価はC(平均的)とする。連載の最後に「玉木淳、亀井勝司、高見浩輔、広瀬洋平、田口翔一朗が担当しました」と出ていたので、玉木淳氏を連載の責任者と推定し、同氏への評価をCで確定とする。玉木氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「投信の手数料開示を促す」?日経「手数料にメス」に疑問
https://kagehidehiko.blogspot.com/2016/10/blog-post_8.html

2019年1月16日水曜日

BNPパリバの中空麻奈氏に任せて大丈夫? 東洋経済「マネー潮流」

週刊東洋経済1月19日号に載った「マネー潮流~ブラックスワンを抑え込む政策」の筆者はBNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈氏。肩書は立派だが、記事の内容はお粗末だ。「マネー潮流」の筆者に相応しい人物なのか東洋経済の編集部は再考した方がいい。
呼子大橋(佐賀県唐津市)※写真と本文は無関係

まず冒頭に出てくる「ブラックスワン」の話にツッコミを入れてみたい。

【東洋経済の記事】

誰もがそんなことは起こりえないと思っている事象を表す言葉に「ブラックスワン」がある。2019年にブラックスワンは登場するのか。例を挙げてみる。

1羽目のブラックスワン。米中間の通商協議が決裂し、中国から米国への輸入品全体に関税がかかり、米中両国の景気にさらなる下押し圧力が加わる。これがアジア、中南米により深刻な影響をもたらし、新興国リスクが顕在化する。半導体関連製品に関税がかかるため、株式市場の好調を支えてきたIT関連企業の株価が総崩れ、株価指数も大きく低下する。

2羽目のブラックスワン。英国のEU(欧州連合)離脱交渉が時間切れとなり、「合意なき離脱」に陥る。労働者の大規模なデモ活動である「黄色いベスト運動」の過熱により、仏マクロン政権が退陣に追い込まれる。レームダック化する独メルケル政権の後の体制が定まらないまま、5月の欧州議会選挙に突入、ポピュリズムの空気が蔓延して定着。イタリアの財政問題も含め、欧州の混乱がリスクオフに拍車をかける。



◎「ブラックスワン」ではないような…

「誰もがそんなことは起こりえないと思っている事象を表す言葉に『ブラックスワン』がある」という説明は問題ない。しかし「1羽目」も「2羽目」も「ブラックスワン」とは思えない。「『合意なき離脱』なんて絶対ないと誰もが信じている」と中空氏は認識しているのか。

英国関連の報道は「合意なき離脱」への懸念であふれている。なのにそれが実現した時に「ブラックスワン」だと感じる中空氏に不安を覚える。「仏マクロン政権が退陣に追い込まれる」「独メルケル政権の後の体制が定まらないまま、5月の欧州議会選挙に突入」といった事態をセットにしても、やはり「ブラックスワン」とは言い難い。

例えば「2019年にEU解体、ユーロ廃止」ならば「ブラックスワン」と呼ぶのも分かる。だが、中空氏の挙げた2つの「ブラックスワン」は十分にあり得そうな話ばかりだ。

記事の続きを見ていく。

【東洋経済の記事】

ブラックスワンが姿を現せば、株式市場やレバレッジドローン(低格付け企業向けで利回りの高い融資)市場などでリスクを取りすぎているシャドーバンク(金融当局の監督対象外のファンドなど)で大きな損失が出て資産凍結が相次ぎ、さまざまな金融市場にリスクが伝播する可能性は大きい。

FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)はすでに資産購入プログラムを終了し、FRBはバランスシートの削減を始めている。これは流動性の減少を意味し、銀行の貸し出しを厳格化させる。絞り込みから、信用リスクの高い企業に資金繰り難が生じる可能性は大きい。米中貿易戦争がすでに経済を悪化させる兆候を示しているだけでも、信用リスクは悪化の方向にある。

しかし、19年にブラックスワンが出現するかは微妙である。

現在、米中貿易戦争は90日間のモラトリアム中だ。結論が出る3月には、米国には債務上限問題の期限が、中国には全国人民代表大会が控えるため、米中政府は中身がどうであれ合意すると想像される。ポピュリズムの台頭は阻止できないとしても、通貨統合後20年の節目を迎える欧州の結束が簡単に崩れると考えるのも無理がある。何より、この数年あれだけ効いた金融政策がまったく効かなくなるというのもいささか唐突だ。



◎色々と説明に難が…

「ブラックスワン」と呼ぶからには、それが起きる前には「発生確率ほぼ0%」と思える
ものでないと苦しい。中空氏によると「19年にブラックスワンが出現するかは微妙」らしい。つまり、かなりの確率で起こり得る。だとしたら「ブラックスワン」とは言い難い。中空氏に見えていることが世界の他の人には見えないならば話は別だが…。
名護屋城跡(佐賀県唐津市)※写真と本文は無関係

「通貨統合後20年の節目を迎える欧州の結束が簡単に崩れると考えるのも無理がある」との説明も謎だ。「合意なき離脱」「マクロン政権が退陣」「イタリアの財政問題」などが「ブラックスワン」だとしたら、それは「欧州の結束が簡単に崩れ」なくても実現する。

最も分からないのが「この数年あれだけ効いた金融政策がまったく効かなくなるというのもいささか唐突だ」という説明だ。米国が利上げ局面に入ってから約3年。米国に関して「あれだけ効いた金融政策」という場合、「引き締め効果が顕著に表れた」と理解したくなる。

しかし、文脈的に考えて「この数年あれだけ効いた金融政策」とは「金融緩和政策」を指すのだろう。「緩和的な金融政策って最近そんなに効いてましたか? そもそも米国はここ数年、引き締め局面にあったのでは?」と聞いてみたくなる。

さらに記事の終盤を見ていく。

【東洋経済の記事】

日本も例外ではない。4〜5月に天皇陛下の退位と新天皇の即位、6月に大阪でG20首脳会議の開催、7月に参議院選挙、10月に消費増税など、重要イベントが目白押しだ。安倍政権にとって、株価の高いほうが望ましく、日本銀行の金融政策への期待もおのずと高まるだろう。 

したがって、ブラックスワンが現れる前に、効果的な金融政策や財政政策により強制される形で市場の安定が続くシナリオも考えておきたい。中国人民銀行の追加緩和やパウエルFRB議長の「必要に応じてバランスシート政策を変更する」との発言により、株価が上昇へ簡単に切り替わる市場を見れば明らかであろう。金融・財政政策がいつ効果を発揮するのかを読んでいくことが19年もことのほか大事、ということだ。



◎日銀が出す「効果的な金融政策」とは?

「日本」に関する記述にも疑問符が付く。「日本銀行の金融政策への期待もおのずと高まるだろう」と中空氏は言うが、副作用を上回る効果が見込める追加の金融緩和手段など日銀は持っているのか。

「ブラックスワンが現れる前に、効果的な金融政策や財政政策により強制される形で市場の安定が続くシナリオも考えておきたい」と書くぐらいだから、日銀も「効果的な金融政策」をまだまだ発動できると中空氏は見ているはずだ。それが具体的にどんなものなのか教えてほしかった。

記事の完成度から判断すると、中空氏も具体的なイメージは持っていない気がするが…。


※今回取り上げた記事「マネー潮流~ブラックスワンを抑え込む政策」 
https://dcl.toyokeizai.net/ap/textView/init/toyo/2019011900/DCL0101000201901190020190119TKW014/20190119TKW014/backContentsTop


※記事の評価はD(問題あり)。中空麻奈氏への評価は暫定C(平均的)から暫定Dへ引き下げる。

2019年1月15日火曜日

日経社説「高齢世帯の保有不動産を生かす方策を」の奇妙な解説

15日の日本経済新聞朝刊 総合・政治面に載った「高齢世帯の保有不動産を生かす方策を」という社説は苦しい内容だった。「リバースモーゲージ」を広げる方策として、この社説では以下のように提言している。
玄海エネルギーパーク観賞用温室(佐賀県玄海町)
            ※写真と本文は無関係です

【日経の社説】

欧米では普及しているが、リバースモーゲージが日本でも定着するにはハードルがある。

最大の問題は中古住宅の資産価値が著しく低い点だ。日本では住宅の建物部分が築20年を超すとほぼゼロになり、土地しか評価されない。銀行は融資額を絞り、地価の安い地域は対象から外す。

築年数にかかわらず建物を適切に評価するには、柱や壁などの構造部分と内外装・設備部分に分けて査定するのが有効だ。例えば早くからシロアリ対策をしていれば構造部分の耐用年数は延びるし、給排水管を交換すれば設備の資産価値は高まるはずだ。

こうしたリフォーム情報を建設時の竣工図面などと一緒に「住宅履歴書」として保管し、データベース化すれば第三者も建物本来の価値を判断しやすくなる。蓄積されたデータが解析できるようになれば、不良債権化を恐れる銀行の姿勢も変わってこよう。

高齢者にとって持ち家は老後生活を支える貴重な資産だ。国や地方自治体、金融、不動産業界が連携して新たな評価手法を早急に取り入れてほしい。

◇   ◇   ◇

気になった点を列挙してみる。

(1)「分けて査定するのが有効」?

「築年数にかかわらず建物を適切に評価するには、柱や壁などの構造部分と内外装・設備部分に分けて査定するのが有効だ」という説明がまず謎だ。「分けて査定するのが有効だ」と言える根拠を社説では示していない。

「分けて査定する」ことで「日本では住宅の建物部分が築20年を超すとほぼゼロになり、土地しか評価されない」状況を変えられると筆者は考えているのだろう。

例えば、価値ゼロと評価された築25年の建物を「柱や壁などの構造部分と内外装・設備部分に分けて査定」してほしいと依頼すると、なぜか「構造部分が100万円、内外装・設備部分が100万円、合計で200万円の評価額になります」といった話になるのだろう。

夢のような方策だが、個人的には「分けて査定」しても全体の評価額は変わらない気がする。「変わる」と言うのならば、社説の中でその理由を解説すべきだ。


(2)カネをかけて資産価値を高めても…

「早くからシロアリ対策をしていれば構造部分の耐用年数は延びるし、給排水管を交換すれば設備の資産価値は高まるはずだ」との説明はその通りかもしれない。しかし、資金を投じることで保有する不動産の「資産価値」を高めて「リバースモーゲージ」を活用するのならば、あまり意味がない。

「給排水管」は今のままでも使えるが、「資産価値」を高めるために100万円をかけて「交換」すると仮定する。それで「資産価値」がそのまま100万円高まり「リバースモーゲージ」で借りられる金額も100万円増えたとしよう。「めでたしめでたし」と言えるだろうか。

それよりも、「給排水管」の「交換」に使ったカネを自分たちの生活資金に回した方が合理的だ。一般的には、100万円をかけて「給排水管を交換」しても「資産価値」の上昇は100万円を下回るはずだ。


(3)市場が間違ってる?

社説の筆者は、現状では「建物を適切に評価」できていないと見ているのだろう。「違う」と断定はしないが、個人的には「市場が間違っている」とは思わない。

「築30年の建物だが、まだまだ十分に暮らせる」としても、市場参加者の全員が「築30年の建物に価値がない」と判断しているのであれば、その評価額がゼロになるのは当然だ。市場参加者が評価を間違っている訳ではない。

市場が間違っている場合、裁定者が現れると考えるのが自然だ。例えば200万円の価値がある建物が無価値との評価を受けているのならば、10万円でも容易に仕入れられる。それを200万円で売れば簡単に利益が出る。

長期に亘ってそうした裁定者が出てこないのならば、やはり市場は間違っていないと考えるべきだろう。


※今回取り上げた社説「高齢世帯の保有不動産を生かす方策を」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190115&ng=DGKKZO39996590V10C19A1PE8000


※社説の評価はD(問題あり)。

2019年1月14日月曜日

「郵政とアフラック」の分析が雑な週刊ダイヤモンド藤田章夫副編集長

週刊ダイヤモンド1月19日号に載った「Close Up~2700億円の出資で浮き彫りになった
郵政とアフラックが抱える事情」という記事は雑な分析が目立った。筆者は藤田章夫副編集長。役職から判断すると記者を指導する立場にあるはずだが、このレベルの記事しか書けないのならば指導役は苦しい。
平和公園(長崎市)※写真と本文は無関係です

まず、写真に付けた説明文に触れておきたい。「昨年12月19日に東京都内のホテルで行われた記者会見。提携の功労者であるはずのチャールズ・レイク氏の姿はなかった」と書いてあるが、「チャールズ・レイク氏」について記事の本文では全く触れていない。それで「チャールズ・レイク氏の姿はなかった」と書かれても、読者はどう理解すべきか分からない。

そもそも「チャールズ・レイク氏」がどういう立場の人かも謎だ。調べてみると、アフラック生命保険の会長らしい。そこを省いて記事を作ってしまう度胸が悪い意味で凄い。

ここからは本文を見ていく。

【ダイヤモンドの記事】

2013年7月、日本郵政とアフラックはがん保険の販売で提携すると発表して以降、15年には全国2万局の郵便局でアフラックのがん保険を取り扱うまでになった。さらに昨年末、両社の資本提携にまで発展した。その背景には、両社共に抜き差しならぬ事情が横たわっていることがある。



◎「抜き差しならぬ事情」がある?

「両社の資本提携にまで発展した。その背景には、両社共に抜き差しならぬ事情が横たわっている」と藤田副編集長は言うが、記事を最後まで読んでも「抜き差しならぬ事情」があるとは感じなかった。ここから記事の全文を見ていくので、そうした「事情」があると納得できるか考えてほしい。


【ダイヤモンドの記事】

年の瀬も押し迫った昨年12月20日、衆議院第二議員会館の地下1階にある会議室で日本郵政の長門正貢社長は、並み居る郵政族議員たちに詰め寄られていた。議案は、「郵便局の利活用について」。

言うまでもなく、前日に東京都内のホテルで大々的に記者会見を開いて発表した、日本郵政による米保険大手アフラック・インコーポレーテッドに対する約2700億円に上る出資についてだ。

「7%出資するだけで、4年後に議決権が20%を超えて持分法適用になるというのは本当か?」

「非常に分かりにくいスキームだ。むしろ乗っ取るという話の方がすっきりとして分かりやすい」

そう執拗に言い立てる議員たちが恐れているのは、2015年に日本郵政が約6200億円で買収した豪物流会社トール・ホールディングスでの手痛い失敗劇の再来に他ならない。トールを買収した後すぐに4000億円を超える減損を強いられ、3200億円の黒字予想から一転、民営化以降初となる400億円の赤字に転落するという事態に陥ったからだ。

もっとも、今回の日本郵政によるアフラックへの出資の内容が分かりづらいのも確かだ。

まず、アフラック株を4年間保有すると議決権が10倍になるという米国でも珍しい仕組みに加え、いずれ筆頭株主になるにもかかわらず日本郵政側からアフラックに経営陣を送り込まず、経営に一切介入しない点だ。



◎そんなに「分かりづらい」?

「今回の日本郵政によるアフラックへの出資の内容が分かりづらいのも確かだ」というが、特に分かりづらさは感じない。「アフラック株を4年間保有すると議決権が10倍になる」のは、そんなに難しい話なのか。
豊後森駅(大分県玖珠町)※写真と本文は無関係です

「筆頭株主になるにもかかわらず日本郵政側からアフラックに経営陣を送り込まず、経営に一切介入しない」のも、ありがちだろう。「そういう方針なんだな」と思うだけだ。

さらに記事の続きを見ていく。

【ダイヤモンドの記事】

昨年5月に日本郵政がアフラックに出資を打診した際には、7%を大きく上回る株数を提示したようだが、安定株主を増やすためにアフラックが導入している4年で議決権が10倍になる規定に加え、米国政府は国内生保が外国政府に支配されることを禁じている。

何より、アフラックの創業者一族であるダニエル・P・エイモス会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)が、支配されることを断固として拒絶したという。

とはいえ、日本郵政からすれば想定より少額の出資にもかかわらず、36年にわたり増配を続けているアフラックから年間60億円に上る配当を安定的に受け取れるようになることは、まさに願ったりかなったりの投資といえる。



◎「願ったりかなったり」と言える?

「想定より少額の出資」だったのに「願ったりかなったりの投資といえる」のか疑問が残る。「アフラックの創業者一族であるダニエル・P・エイモス会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)が、支配されることを断固として拒絶した」のだから、「日本郵政」としては「支配」を望んだのに「拒絶」されたはずだ。それを「願ったりかなったりの投資」と評価するのは理解に苦しむ。

さらに言えば「アフラックから年間60億円に上る配当を安定的に受け取れるようになる」かどうかは分からない。業績が急激に悪化すれば、減配や無配もあり得るはずだ。

次は「抜き差しならぬ事情」に関する記述が出てくる。

【ダイヤモンドの記事】

いかにアフラックが日本郵政傘下のかんぽ生命保険の競合相手であり、今回の件を受けてかんぽ生命が怒り心頭に発しようとも、かつて野村不動産ホールディングスの買収が不調に終わり、トール買収でもみそを付けた手前、もはやなりふり構っていられるような状況ではないということだ。


◎これが「抜き差しならぬ事情」?

「トールを買収した後すぐに4000億円を超える減損を強いられ」た日本郵政が「民営化以降初となる400億円の赤字に転落するという事態に陥った」のは分かる。「野村不動産ホールディングスの買収が不調」に終わったのも、その通りだろう。

だが、そこから「もはやなりふり構っていられるような状況ではない」と結論付けるのが謎だ。「とにかく、どこかに出資しなければならない」という事情が日本郵政にあるのか。少なくとも記事からは伝わってこない。

ついでに言えば「抜き差しならぬ」とは「身動きがとれず、どうにもならない」(大辞林)という意味だ。本当に「抜き差しならぬ事情」があるのならば、日本郵政は積極的に出資には動けない気もする。

次は「アフラック」について見ていこう。

【ダイヤモンドの記事】

一方のアフラックにしても、今回の日本郵政からの申し出は、ありがたかったに違いない。

というのも、これまで40年以上にわたってアフラックの躍進を支えてきた、同社がアソシエイツと呼ぶ保険代理店チャネルでの販売は限界を迎え、今や業績の“足かせ”と化しているからだ。

事実、上の左下写真にあるように、アフラックの業績を支えているのは今や郵便局だといっても過言ではない。アフラックのがん保険の新契約件数約91万件のうち、郵便局経由での販売は実に約25万件を占める。全生保のがん保険の新契約件数に占めるシェアはピーク時の6割超から落ち込んだとはいえ、いまだ5割弱のシェアを誇っているのは日本郵政との提携にあることは論をまたない。

それ故、経営権を支配されることなく、郵便局でのがん保険の販売強化につながるであろう今回の資本提携は、まさに昨年2月に役員ブログで「ツキが回ってくることを願ってやみません」と、自他共に“ラッキーボーイ”と認める営業部門を統括する某上級役員が願いを込めた通り、ありがたい事態になったというわけだ。



◎やはり見えない「抜き差しならぬ事情」

「今回の日本郵政からの申し出は、ありがたかった」からと言って「アフラック」に「抜き差しならぬ事情」があったとは断定できない。「アフラックの業績を支えているのは今や郵便局」だとしても、以前から提携関係にあるのだから「郵便局でのがん保険の販売強化につながるであろう今回の資本提携」がなければ収益基盤が崩れてしまうという話でもない。
名護屋城跡(佐賀県唐津市)※写真と本文は無関係です

「資本提携」を死活問題と考えなければならないような「抜き差しならぬ事情」はやはり見えてこない。しかも「今回の提携強化」は業績面でマイナスに働く可能性もあるという。そこに触れた部分を見ていく。

【ダイヤモンドの記事】

もっともアフラックにとって今回の提携強化は、もろ手を挙げて喜んでばかりもいられない。

日本郵政との提携に不快感を示す信用金庫を筆頭にアフラック離れが進むだろう。業績低迷が著しい代理店チャネルは既存顧客にダイレクトメールを送り、新商品に乗り換えさせる解約新規が大半のため、大型新商品が出ない今年度はさらに業績が沈む見込みだ。

アフラック生命保険の古出眞敏社長の肝いりで投入したイノベーション・ラボ発の健康応援型の新型医療保険は、発売2カ月で数十件しか売れず、これまた望み薄。



◎だったら、なおさら…

「日本郵政との提携に不快感を示す信用金庫を筆頭にアフラック離れが進む」としたら、「郵便局でのがん保険の販売強化につながるであろう今回の資本提携」が業績を上向かせる効果は限定的だ。それでも「資本提携」に執着しなければならない「抜き差しならぬ事情」が「アフラック」にあるのか。藤田副編集長はあると見ているのだろうが、その根拠は示せていない。

最後に結論部分の問題点を指摘したい。

【ダイヤモンドの記事】

何より日本郵政にしてもかんぽ生命への気兼ねから、どこまで本腰を入れてアフラックの商品を販売するかは未知数だ。またぞろ、日本郵政がアフラックのがん保険を販売する見返りに、再保険を引き受けることを求めるような事態も想定される。いずれにせよ、アフラックは日本郵政に主導権を握られたことは間違いない。



◎「日本郵政に主導権を握られた」?

「いずれにせよ、アフラックは日本郵政に主導権を握られたことは間違いない」という結論が唐突で説得力に欠ける。「日本郵政側からアフラックに経営陣を送り込まず、経営に一切介入しない」のに「アフラックは日本郵政に主導権を握られたことは間違いない」と判断した理由がよく分からない。

「日本郵政がアフラックのがん保険を販売する見返りに、再保険を引き受けることを求めるような事態」があるとしても「主導権を握られた」とは言い切れない。

「郵便局でのがん保険の販売強化につながるであろう今回の資本提携」と藤田副編集長は書いている。ならば「アフラック」が「主導」する形で「郵便局でのがん保険の販売強化」が進むかもしれない。「それはない」と藤田副編集長が見ているのならば、「アフラック」が「主導権」を握る可能性はないと判断できる材料を読者に提示すべきだ。


※今回取り上げた記事「Close Up~2700億円の出資で浮き彫りになった
郵政とアフラックが抱える事情」
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/25595


※記事の評価はD(問題あり)。藤田章夫副編集長への評価はDを据え置く。藤田副編集長に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「首相官邸の意向」週刊ダイヤモンドが同じ号で矛盾する説明
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/12/blog-post_20.html

バランス型投信を「投資の王道」と言う週刊ダイヤモンドへの「異論」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/blog-post_30.html

「マカオ返還」は忘れた? 週刊ダイヤモンド「投資に役立つ!地政学・世界史」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/blog-post_29.html

がん保険の「広告」? 週刊ダイヤモンド藤田章夫記者の記事
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/06/blog-post_29.html

週刊ダイヤモンド保険特集で鬼塚眞子氏が選ぶ怪しい「お宝」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/04/blog-post_25.html

「中高一貫校」主要178校の選び方がおかしい週刊ダイヤモンド
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/03/178.html

「最安の信託報酬」に誤り 週刊ダイヤモンド「株&投信 超理解」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2017/09/blog-post_18.html

 週刊ダイヤモンド「株&投信 超理解」に2件目の間違い指摘
https://kagehidehiko.blogspot.com/2017/09/blog-post_94.html

 週刊ダイヤモンド「株&投信 超理解」に3件目の間違い指摘
https://kagehidehiko.blogspot.com/2017/09/blog-post_86.html

週刊ダイヤモンド「株&投信 超理解」に4件目の間違い指摘
https://kagehidehiko.blogspot.com/2017/09/blog-post_65.html

テクニカル分析は必要? 週刊ダイヤモンド「株&投信 超理解」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2017/09/blog-post_22.html

森信親長官への批判が強引な週刊ダイヤモンド「金融庁vs銀行」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2017/07/vs.html

関西知らずが目立つ週刊ダイヤモンド「関関同立」特集
https://kagehidehiko.blogspot.com/2016/09/blog-post_19.html

2019年1月13日日曜日

「ちょうどいいブスのススメ」は本ならOKに説得力欠く小田嶋隆氏

コラムニストの小田嶋隆氏は優れた書き手だと思うが、最近は調子が悪いのかなとも感じる。日経ビジネス1月14日号に載った「小田嶋隆の『pie in the sky』~ 絵に描いた餅べーション:ちょうどよくないと笑えない」という記事は、ご都合主義的な主張が目に付いた。
風の見える丘公園(佐賀県唐津市)
      ※写真と本文は無関係です

今回のテーマは「ルッキズム(身体的に魅力的でないと考えられる人々に対する差別的取り扱い)」。これに関して「笑いを求めて毒を承知で本を買って読むのだって自由だ。しかし、無料で誰でも見られるテレビドラマで人をブス呼ばわりして、そのブスに対して上から生き方をススメてよいはずがない」と小田嶋氏は主張する。つまり「本ならOKだが、テレビドラマではNG」となる。この線引きに説得力があるだろうか。

記事の中身を順に見ながら考えてみたい。

【日経ビジネスの記事】

1月から日本テレビ系で放送される予定だった連続ドラマ「ちょうどいいブスのススメ」に関して、先日、制作局である読売テレビが記者会見を開いた。主旨は、ドラマのタイトルを「人生が楽しくなる幸せの法則」に改めるというものだ。理由は、「視聴者の方々に、ドラマの内容を理解していただくため」だという。まったく意味不明の弁解だ。

彼らは、本来なら「女性の人格を否定する不適切なタイトルだった」と、率直に自分たちの誤りを認め、関係各方面に謝罪をしたうえで、タイトルを変更するべきだった。



◎「女性の人格を否定」?

まず「ちょうどいいブスのススメ」を「女性の人格を否定する不適切なタイトル」と認識する感覚が分からない。容姿は「人格」と関係ない気もするが、とりあえず人格の一部だとしよう。だとしても「ちょうどいいブスのススメ」に「人格を否定」している感じはない。

自分は男性だが「ちょうどいいブオトコのススメ」というタイトルだったとしても「人格を否定」されたとは全く思わない。例えば「すべての女性はブスである」「ブスには生きる資格がない」といったタイトルならば、まだ分かる。

「ちょうどいいブスのススメ」では誰かを「ブス」と特定している訳ではないし、「ブス」を否定もしていない(むしろ肯定している)。なのに「女性の人格を否定する不適切なタイトル」と断定する方が「不適切」だ。

記事の続きを見ていこう。

【日経ビジネスの記事】

なぜそうしなかったのだろうか。

おそらく、誤りを認めてしまったらタイトル変更だけでは済まないからだ。

というのも、批判の主たるポイントであるルッキズム(身体的に魅力的でないと考えられる人々に対する差別的取り扱い)の問題は、タイトルだけに起因する話ではないからだ。

ドラマの原作として発売されている同名のエッセイ(山﨑ケイ著)を読めばわかるように、ルッキズムは原作の主題のど真ん中に居座っている。

「ちょうどいいブスとは、酔ったらイケる女性のこと」と、前書きで宣言し、本文内で何度も繰り返している通り、本書は、「自己評価70点で実際には50点の女」たちに「45点の自己申告」と「酔わせればオトせる」女としてのプレゼンを推奨している本だ。

もっとも、著者たる山﨑ケイ氏が、自身をブスであると規定しているその自己規定自体に問題があるわけではない。また、彼女がそのセルフイメージに沿った生き方を通じて成功をおさめた自覚を持っていることもまた、何ら責められるべき認識ではない。

ただ、だからといって、「ブス」としての自覚や「ブス」ならではの処世を他人に勧めるには、相当の慎重さと覚悟が必要だと思う。「ブス」は極めて微妙な概念で、ギリギリ自虐としては使用可能でも、自覚して活用することを他人に「ススメ」たり教えたりしてよい言葉ではないからだ。



◎だったら本もダメなような…

今回の記事が苦しいのは「著者たる山﨑ケイ氏」をギリギリでセーフな場所に置いて、「(テレビドラマの)企画を進めたプロデューサー」を厳しく批判している点だ。「ルッキズム」が許されないもので「ルッキズムは原作の主題のど真ん中に居座っている」のならば、「タイトルも中身もダメ。こんな本を書く著者は激しく批判されてしかるべき」となるのが自然だ。しかし、小田嶋氏はなぜか「著者たる山﨑ケイ氏」には甘い。
九重"夢"大吊橋(大分県九重町)
      ※写真と本文は無関係です

さらに言えば「『ブス』は極めて微妙な概念で、ギリギリ自虐としては使用可能でも、自覚して活用することを他人に『ススメ』たり教えたりしてよい言葉ではない」との解説にも同意できない。

テレビのバラエティー番組で女性芸人が「ブス」いじりされるのは珍しくない。この場合、特定の女性を「ブス」として扱っている。

「ブス」が「ギリギリ自虐としては使用可能」な「言葉」ならば、女性芸人に対する「ブス」いじりは基本的に放送できないし、放送されれば激しい批判を招くはずだ。しかし現状ではそうなっていない。

「ブス」いじりを全国ネットで放送して大きな問題になっていないのに、「ブス」を「ギリギリ自虐としては使用可能」な「言葉」と捉えるのは無理がある。小田嶋氏は「自分が思っていること」と「社会の共通認識」を同一視し過ぎているのではないか。

さらに記事の続きを見ていく。

【日経ビジネスの記事】

お笑い芸人というのは、山﨑氏もそうであるように、私がいまここで書き並べているような、ポリティカリーにコレクトな「建前」を揶揄する立場の人たちだ。実際、笑いは、「建前」と「本音」が相克する場所に摩擦として生じる、ある種の熱力学的な運動でもある。

その意味では、彼ら彼女らが「ブス」をネタにしたがることに理由がないわけではないのだろう。しかし、世界は少しずつではあるが前に進んでいる。いつも本音をぶっちゃけてさえいれば笑いが取れるというものではないし、本音でさえあればすべての不謹慎や暴力が免罪されるものでもない。



◎論理展開が苦しいような…

「いつも本音をぶっちゃけてさえいれば笑いが取れるというものではないし、本音でさえあればすべての不謹慎や暴力が免罪されるものでもない」のは、その通りだ。しかし「ゆえに「『ブス』をネタに」することが「免罪され」ないとは言い切れない。

「世界は少しずつではあるが前に進んでいる」としても、「『ブス』をネタに」するのはご法度と言えるレベルまで「前に進んでいる」とは言い難い。それはバラエティー番組の現状を見れば分かるはずだ。

そもそも「『ブス』をネタに」することが「本音をぶっちゃけ」る行為なのかも微妙だ。「本音ではブスとは思っていないが、流れ的にそうした方が面白いから」と考えて発言している芸人がいても不思議ではない。

最後に結論部分を見ていく。

【日経ビジネスの記事】

女芸人が「女を捨て」たり「女を売っ」たりすることそのものは、「芸」の範囲の話なのかもしれない。笑いを求めて毒を承知で本を買って読むのだって自由だ。しかし、無料で誰でも見られるテレビドラマで人をブス呼ばわりして、そのブスに対して上から生き方をススメてよいはずがない。しかも、その「ちょうどいいブス」の生き方が、セックスを安売りする体当たり戦術だというのではシャレにさえなりゃしない。だが、そんな芸人世界のホモ・ソーシャル設定に、地上波のテレビ局がそのまま乗っかったわけだ。

企画を進めたプロデューサーは「本物」だと思う。つまり「ちょうどいいバカ」でさえないということだが。


◎有料コンテンツならばOK?

「笑いを求めて毒を承知で本を買って読むのだって自由」なのに「無料で誰でも見られるテレビドラマで人をブス呼ばわりして、そのブスに対して上から生き方をススメてよいはずがない」と小田嶋氏は言う。

「本はOKでテレビドラマはNG」の根拠は「テレビドラマは無料で観られるから」だと思える。だとしたら有料チャンネルのドラマならばOKなのか。

「『ブス』は極めて微妙な概念で、ギリギリ自虐としては使用可能でも、自覚して活用することを他人に『ススメ』たり教えたりしてよい言葉ではない」としたら、出版社が「ちょうどいいブスのススメ」という本を出して全国の書店で販売するのは避けるべきだ。

「女性の人格を否定する」ことは「有料で販売している本の中でやるのならば自由。でも無料で見られるものでやってはダメ」と小田嶋氏は考えているのか。常識的に言えば「無料であろうと有料であろうと好ましくない」と思える。

小田嶋氏も執筆している日経ビジネスオンラインで考えれば分かるはずだ。「無料コンテンツでは『女性の人格を否定』してはダメだが、有料コンテンツならば許される」との主張に小田嶋氏は同意できるだろうか。


※今回取り上げた記事「小田嶋隆の『pie in the sky』~ 絵に描いた餅べーション:ちょうどよくないと笑えない」
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/257045/010800197/?ST=pc


※記事の評価はD(問題あり)。小田嶋隆氏への評価はB(優れている)からC(平均的)に引き下げる。小田嶋氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

どうした小田嶋隆氏? 日経ビジネス「盛るのは土くらいに」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2016/09/blog-post_25.html

山口敬之氏の問題「テレビ各局がほぼ黙殺」は言い過ぎ
http://kagehidehiko.blogspot.com/2017/06/blog-post_10.html

小田嶋隆氏の「大手商業メディア」批判に感じる矛盾
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/02/blog-post_12.html

杉田議員LGBT問題で「生産性」を誤解した小田嶋隆氏
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/07/lgbt.html