2020年6月22日月曜日

日経「ダイバーシティ進化論」出口治明氏の「ハイブリッド車」の説明が違うような…

立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏はしっかり調べてから記事を書いているのだろうか。22日の日本経済新聞朝刊女性面に載った「ダイバーシティ進化論~教育にオンライン化の波 対面と合わせて学び充実」という記事を見て、改めてそう感じた。気になったのは以下のくだりだ。
田主丸大塚古墳(福岡県久留米市)
        ※写真と本文は無関係です

【日経の記事】

電気自動車が登場したことでガソリンと電気のハイブリッド車が生まれたように、オンラインと対面を組み合わせることで今後、よりよい学びが生まれると期待している。



◎「ハイブリッド車」の説明が違うような…

電気自動車が登場したことでガソリンと電気のハイブリッド車が生まれた」のだろうか。All Aboutの「電気自動車の歴史」によると「ガソリン自動車よりも前、1839年に初めての電気自動車はこの世に誕生」したらしい。だとすると「ガソリン」車が先にあってその後に「電気自動車が登場した」と取れる出口氏の説明には問題が生じる。

「トヨタ自動車が1997年に発売したプリウスを実質的な初のハイブリッド車と見なし、その誕生の経緯を書いている」との反論があったとしよう。これも成立しにくい。All Aboutには以下の記述がある。

2001年から電気軽トラックの開発を成功させ販売を続けていた岐阜の電気自動車ベンチャー企業が、(社)次世代自動車振興センターの購入者補助を得て毎年販売台数を積み重ね、大手不在の空白の9年間、軽自動車クラス以上で唯一販売実績を上げてきたことは、大阪万博以来続いてきた連続販売実績のたすきを2009年に三菱自動車の『i-MiEV』に繋ぎ、2010年には日産自動車の『リーフ』が発売されました

これを信じれば、日本でも「大阪万博以来」ずっと電気自動車の販売は続いてきたことになる。「大阪万博」は1970年だ。「電気自動車が登場したこと」でプリウスが生まれたと見なすには、時間が経ち過ぎている。かなり苦しい。

出口氏は様々なメディアに記事を書いており、忙しいとは思う。しかし、事実関係は丹念に調べてから書いてほしい。


※今回取り上げた記事「ダイバーシティ進化論~教育にオンライン化の波 対面と合わせて学び充実
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200622&ng=DGKKZO60547810Z10C20A6TY5000


※記事の評価はD(問題あり)。出口治明氏への評価はDで据え置く。出口氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

女性「クオータ制」は素晴らしい? 日経女性面記事への疑問
https://kagehidehiko.blogspot.com/2017/04/blog-post_18.html

「ベンチがアホ」を江本氏は「監督に言った」? 出口治明氏の誤解
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/07/blog-post_2.html

「他者の説明責任に厳しく自分に甘く」が残念な出口治明APU学長
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/07/apu.html

日経で「少子化の原因は男女差別」と断定した出口治明APU学長の誤解
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/08/apu.html

日経「ダイバーシティ進化論」巡り説明責任 果たした出口治明APU学長
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/12/apu.html

日経「ダイバーシティ進化論」に見えた出口治明APU学長の偏見
https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/02/apu.html

日経女性面での女性管理職クオータ制導入論が苦しい出口治明氏
https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/04/blog-post_20.html

立命館アジア太平洋大学は日本人学生の6割が東京・大阪出身? 日経ビジネスの回答
https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/05/6.html

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