2020年6月14日日曜日

3カ国だけの情報では…日経「新興国で感染拡大~ブラジル死者 世界2番目」

14日の日本経済新聞朝刊総合2面に載った「新興国で感染拡大~ブラジル死者 世界2番目 北京で集団感染 46人陽性」という記事は材料不足だと感じた。出てくる「新興国」はブラジル、インド、中国のみ。これだけで「新型コロナウイルスの感染が新興国を中心に拡大している」と言われてもとは思う。
福岡県立浮羽究真館高校(うきは市)
     ※写真と本文は無関係です

記事の一部を見てみよう。

【日経の記事】

新型コロナウイルスの感染が新興国を中心に拡大している。コロナによる累計死者数はブラジルが約4万1800人と、英国を抜き世界で2番目に多くなった。1日あたりの新規感染者数は、米国以外ではブラジルやインドなど新興国が上位を占める。中国・北京では食品卸市場で集団感染が判明した。各国が経済活動の再開に動き出すなか、感染第2波の懸念が強まっている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新規感染者は国別ではブラジル(3万人弱)が最多となり、2番目の米国(約2万5千人)とあわせた2カ国で世界の約4割を占める。同大は毎日、感染者数などを過去に遡って修正している。

新興国では中南米と南アジアでの感染拡大が深刻だ。ブラジル政府は12日夜、累計死者数が4万1828人になったと明らかにした。新型コロナの影響を軽視するボルソナロ大統領は市民に外に出て働くよう呼びかけ、感染拡大が止まらない。ブラジルの最大都市サンパウロでは11日からショッピングモールの営業が再開した。

インドも1万人前後の新規感染が1週間以上続く。インドは累計感染者が世界4位の30万人に達したが、経済再開に踏み切った。州境を越える鉄道の運行や飛行機の国内線を5月末までに段階的に容認し、6月8日からはショッピングモールや飲食店、宗教施設の再開も認めた。拙速な経済再開により一段の感染拡大が懸念されている。


◎「中南米と南アジア」が深刻だと言うならば…

記事に付けた「ブラジルの累計死者数は急増している」というグラフでは、米国、英国、フランス、イタリア、ブラジルを取り上げている。「新興国」はブラジルだけ。これは辛い。せめて、記事で取り上げたインドと中国は入れたらどうか。

しかも、グラフを見ると米国は水準で他国を圧倒し、勢いもかなりある。これだと「新興国を中心に拡大」に説得力を欠く。今回の記事でも最後の段落では米国の感染拡大に触れている。「新興国」という切り口が間違いとは言わないが、ピッタリはまるとも言い難い。

新興国では中南米と南アジアでの感染拡大が深刻だ」と書くならば、ブラジル・インド以外の国の話も欲しい。両国以外は無視していいほどの「感染拡大」だと見ているのならば、最初から「新興国ではブラジルとインドでの感染拡大が深刻だ」とすれば済む。


※今回取り上げた記事「新興国で感染拡大~ブラジル死者 世界2番目 北京で集団感染 46人陽性
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200614&ng=DGKKZO60339330T10C20A6EA2000


※記事の評価はC(平均的)

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